金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

奥入瀬渓谷・横着散歩記

2009年09月09日 | 旅行記

9月6日晴時々曇り。朝鯵ヶ沢のナクア白神を出発して、岩木山に登った後、十和田湖経由でこの日の宿奥入瀬渓流ホテルに向かった。「あなたはバス・ツアーを『あんなものは忙しいだけだ』と馬鹿にするけれど、私達の旅行も結構せわしないわね」とワイフが笑う。

十和田湖は高校生の修学旅行以来だ。ここはさすがに東北を代表する観光地だけに混んでいる。人の少ない白神山地とは別世界の感がある。十和田湖で一番繁華な休屋に車をとめて、十和田神社や乙女の像を見た。湖面には手漕ぎ、足漕ぎのボートが沢山出ていた。

Towadako

ピンクのボートが鮮やかだったので、オリンパスE30のアートフィルター(ポップアート)で一枚撮影。

奥入瀬渓流は十和田湖から流れ出る奥入瀬川の最上流部約14kmを指す。奥入瀬渓流ホテルhttp://www.oirase-keiryuu.jp/は奥入瀬渓流の最下部に位置する。渓流に面するホテルはここしかない。

チェックイン時に夕食の時間をたずねると「ツアー客が沢山入っているので6時半までは一杯です」と言われ7時に予約した。案内された部屋は4階奥の巨大なスイートルームで台所から会議用の机・椅子まであるのでビックリ。「こりゃ、自宅の一階より広いね」とワイフと笑う。日頃狭い家に住んでいると広過ぎる部屋に泊まると落ち着かないものだ。

その後ラウンジ(森の神話)でコーヒーを頂く。ウエルカム・ドリンク券があったので無料だったけれど、券がないと一杯700円のコーヒーを飲んだかどうか疑問だ。その後は渓流沿いに散歩した。

翌日7日「朝食も8時頃までツアー客で混みます」とフロントで言われていたので、朝食前に奥入瀬渓流の見所を回ることにして車で上流に向かう。奥入瀬渓流では石ケ戸を除くとほとんど駐車スペースがないが、早朝だと路肩のわずかなスペースに車を止めることができるのでポイント、ポイントを手軽に回ることができる。それ故「横着散歩」と題した次第。

まず「阿修羅の流れ」に車を止めて上流を散策した。ホテルからここまで歩くと2時間位かかりそうだが車なら10分だ。

Ashuranonagare

しばらく歩くと本流に小さな滝があった。写真を撮っている人がいたので聞いたところ「阿修羅の滝」という答が返ってきた。もっとも案内図等には名前が出ていないので正式名称ではないようだ。

Ashuranotaki6

車に戻って更に上流「雲井の滝」を目指す。「雲井の滝」は右岸(下から見ると左側)から落下する立派な滝だ。

Kumoinotaki

Kumoinotaki5

早朝散策のメリットは車を楽にとめることができることに加えて、カメラでスローシャッターを使うことができることだ。滝や渓流の流れを柔らかく表現するには5分の1秒程度のスローシャッターを使うのだが、昼間だと明る過ぎて白とびする可能性がある(NDフィルターを使う手はある)。だが早朝の暗い光の下では細工なしにスローシャッターが使えるので滝の撮影には向いている。

更に車を上流に向けて銚子大滝に向かった。

Choushi

銚子大滝は魚止めの滝でこれより上流に魚は遡上できないということだ。

ここで朝飯前の散策は終了してホテルに戻り朝食。

朝食後また車で石ケ戸という見所に向かった。ここには駐車場がある。この日は月曜日なので簡単に駐車できた。

Ishigeto1

石ケ戸から上流に向けて散策する人は多いようだ。石ケ戸から雲井の滝までは徒歩1時間15分程度で一番手頃な散策コースだろう。

Ishigeto2

奥入瀬渓流を下から上まで歩くと5時間程度かかりそうだが、今回のように車を使ってスポットを攻めるとかなり短い時間で回ることができる。もっともこれは横着な方法で余りお勧めできないが。

小1時間散策したところで車に戻り、午後の飛行機に乗るべく青森空港に向かった。

途中八甲田山の麓を通り沼に移る姿を楽しんだ。

Hakouda

奥入瀬渓流から青森空港に向かう道は大部分が原生林の中の緑のトンネルである。白神のブナ森も大きいがこちらの森も深い。青森県は森の世界だった。

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民主党の環境政策を考える

2009年09月09日 | うんちく・小ネタ

先週末白神山地のブナ林の中を車を走らせていた時、ふと池波正太郎の「人というものは悪いことをしながら善いこともし、良いことをしながら悪事を働く」という言葉を思い出した。ブナの自然林を世界遺産として保護することは良いことだが、それがために観光客を呼び排気ガスを増やす・・・・(自分のことを棚にあげて)・・・それが地球温暖化につながり、自然遺産を害するのではなかろうか?

今日の新聞を見ると民主党の鳩山代表が地球環境フォーラムで「日本は2020年までに1990年比で地球温暖化ガスを25%削減する~先進国が同調することが前提だが~」とコミットした。鳩山代表は近々首相になるからこれは新しい日本政府が世界に向けてコミットしたことと同じだと特に海外のメディアはとらえている。

この記事を読んで私は再び池波正太郎の言葉を思い出した。「民主党は地球環境を良くしようといいながら、高速料金を無料化するという悪いことを行う」

「25%削減」目標に対する産業界の批判は厳しい。ニューヨーク・タイムズは日本エネルギー研究所の十市勉専務理事の「鳩山代表は日本に何を約束させているか認識しているとは思わない。彼はこれが選挙公約でないことを認識しなければならない。これは日本が世界に対して責任を持つ公約になる」という批判の言葉を紹介している。

内外のメディアは国連気候変動枠組み条約事務局のデブア局長の「新しい温暖化ガス削減目標は日本経済の真の変化を特徴付けるだろう」というポジティブな発言を紹介しながら温暖化ガス増加につながる高速道路無料化案やガソリン税の半減案(暫定税率の廃止)との不整合を指摘している。

温暖化ガスの削減が日本経済にとってとんでもない負担になるのか?それとも新しい産業を興す起爆剤になるのか?これは議論のあるところだろう。だが政策にはある種の一貫性が必要だ。一貫性があることで国民や企業は政策を予見して行動することができる。民主党は温暖化ガス削減で自民党より高い目標を掲げるならば、自民党よりも自動車の排ガスを抑制するような政策を打出すべきだろう。「善いことをしながら悪いこともする」政策はいけないと私は思っている。

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