金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

On the back burner (イディオム・シリーズ)

2009年09月12日 | 英語

Back burnerのburnerはガス・バーナーのバーナー、つまり火口である。直訳すると「後ろの火口」であるが、「優先順位が低い」という意味で使われる。エコノミスト誌に9月24日に行われるG20に関する次の一文があった。An earlier plan to cap the percentage of profits banks can pay to staff looks like it is on the back burner.

「銀行が(ボーナスとして)従業員に払うことのできる金額の利益に対する割合に上限を設けるというより初期の計画は優先順位が下がっているように見える」という意味だ。

銀行の従業員のボーナスに対する制限についてドイツとフランスは厳しい制限を設けることを要求しているが、アメリカとイギリスは厳しいルールを望んでいない。そんな中で両者の一致点は「ボーナスの支払を株式で払うことなどで後ろ倒しする」という点だ。

そこで支払時期や支払い方法が優先順位の高い議論となりそうだということで、ボーナスの支払額に制限を設けるという議論は後回しになりそうだ。因みに「最優先の議題にする」は英語ではput on the front burnerだ。

ついでにいうと、同紙は「銀行の規制強化に関して、従業員に対するボーナスの問題よりも自己資本の問題の方が重要だけれども、エキサイティングじゃないので、G20ではボーナスの問題が中心になるだろう」と予想している。

会社で経費節減の議論を行う場合「重要性は低いけれども誰でも議論できる話題が取り上げられ、より効果が高いけれど部門間の利害が対立する問題は敬遠される」という傾向がある。具体的にいうと「カラープリンターの利用は止めて白黒コピーを使おう」などという意見は馬鹿でも分かるのでテーブルに載せ易い。しかし「不採算部門を閉鎖しよう」などという大胆な意見は出しにくい。何故なら当該部門の反発が予想されるからだ。

世界のトップが集まるG20でも「白黒コピー」の議論はやりやすいが、「不採算部門」の話はテーブルに載せにくいということだろう。

コメント
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