金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

HSBCのCEO、二番底を懸念

2009年10月05日 | 社会・経済

先週日本の新発10年物国債金利は1.25%だった。この水準を見ると債券市場は景気の二番底をある程度予想しているようだ。

景気の二番底については、ファイナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューにHSBCのマイケル・ゲーガンCEOが「景気回復はV字型ではなくW字型だろう。二番底のリスクを警戒して、バランスシートは景気回復がはっきりするまで拡大させない」と述べている。ゲーガンCEOは彼の事務所をロンドンから香港に移し、中国ビジネスを拡大することが期待されている(例えばHSBCは来年前半にも上海証券取引所に海外の銀行としてはじめて上場が期待されている)が、その矢先に慎重な発言を行った。

ゲーガンCEOは銀行の自己資本規制についても悲観的な見通しを述べている。金融規制当局は私的な見解として「中核(普通株式と余剰金)となるティアワン比率」は8%程度という線を示しているが、彼は10%程度になるのではないか?との見方を示した。

HSBCは自己資本比率が高く、中核ティアワン比率は8.8%で、ティアワン比率は10.1%あるから穿った見方をすると、自己資本の低い銀行をターゲットにクセ球を投げたのかもしれない。

HSBCはリーマンショックによる痛み方の少ない銀行で時価総額の減少幅も小さい。手元の資料(日経ヴェリタス)を見ると、同行の2009年9月末の株式時価総額は18兆167億円でこれは2年前の81.4%だ。因みに三菱UFJの時価総額は5兆6145億円(2年前の49.4%)、シティグループの時価総額は4兆7766億円(同29.2%)だ。

本当に二番底をつけるかどうかは分からないが、「しっかりした」銀行の責任者の見方だから参考にする人は多いだろうと思い紹介した次第である。

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法事の後に千体仏

2009年10月05日 | まち歩き

週末に叔父の七回忌で西宮のお墓に法要に行った。

叔父は戦後まもなく渡米して、50年程アメリカで暮らし、彼の地で没したが父母の眠るこの墓地に帰ることを希望した。そして今叔父は希望通り、甲山の麓のさわやかな風が吹き抜ける明るい墓地に眠っている。

七回忌の法要はアメリカから来た叔母といとこを交えたごく少ない人数で行った。

「読経止み また再びの蝉時雨」  北の旅人

京都に戻って少し時間があったので、三十三間堂に寄ってみた。三十三間堂の正式名称は「蓮華王院」。平清盛が後白河方法に寄進したお寺で千体(正確には等身大の千体の観音様プラス巨大な中尊仏ご一体で1001体)で有名だ。

仏教では過去・未来・現世の三劫(さんごう)にそれぞれ千体の仏様が現れることを三千仏と言い、一般に現世の劫に現れる仏様を千体仏と呼ぶそうだ。三十三間堂の千手観音様も現世を現しているのだろうか?

お堂の中には観音様の他国宝の雷神・風神像や阿修羅などインド起源の仏教の守護神が祭られている。非常に迫力のある神像だ。

☆    ☆    ☆

京都駅から近くて拝観に適したお寺ということでは、三十三間堂と東寺が双璧だろう。東寺の迫力ある密教仏も素晴らしい。だが心休まるのは千体の観音様のお姿を見る時だ(もっとも修学旅行生など拝観者が多く拝観は流れ作業的だが)。

お堂の外を回遊できるがこちらは空いている。

Sanjyusanniwa

Sanjyusan

時間があれば千体仏の余韻を抱きながら、ひと時の散策を楽しみたいものである。

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