Lock inは閉じ込めるという意味だ。クラウド・コンピューティングに関するエコノミスト誌の記事の中に次の文章が出ていた。First is the familiar risk of technological lock-in, as rival companies promote their own,mutually incompatible,standards and format, as they have done in the past.
「最初はおなじみの技術的ロックイン・リスクである。これは競合会社が過去にやったように自社固有で互換性のない規格やフォーマットを促進するリスクのことだ」
技術的ロックインあるいはベンダロックインVender lock-inとはシステム会社が独自仕様のシステムで顧客を囲い込むことである。囲い込まれた顧客は他の会社のシステムへ乗り換える負担が大きくなる。身近な例で考えるとある年賀状システムを使って住所管理を行っている場合、データ移行の手間から同じシステムの後続版を買い続けることなどなどだ。
クラウド・コンピューティングは、ユーザが自分でコンピュータのハード・ソフトを持たずに、巨大システム会社のハード・ソフトを利用する仕組みで、コスト・運用面でメリットが大きいが3つのリスクがあることに留意するべきだとエコノミスト誌は述べている。最初のリスクが「技術的ロックイン・リスク」だ。次のリスクが「個人情報が利用されるリスク」だ。無料でクラウド・コンピューティングを使う替わりに、個人情報の使用を許可するという同意を与えると、個人情報は広告活動に使われる。
最後は巨大システム会社のシステムといえども、運用が一時的に停止されたり、最悪の場合は蓄積したデータが消滅するリスクだ。今月マイクロソフトの子会社Dager(「危険」という名前がいけなかったのか?)で、住所録やカレンダーが消滅した例がある。詳しくはこちら→
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091013AT2M1300C13102009.html
もっとも自分のパソコンもクラッシュしてハードディスクの中の貴重な情報を失うことはあるから、バックアップというものは常に必要なのかもしれない。