金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

中国が空母を持つ日は近い

2009年10月22日 | 国際・政治

ニューヨーク・タイムズによると中国が空母を持つ日は近い。空母は英語ではAir craftcarrierだが、記事の中でわざわざ"Aircraft mother ships"と書いてあったので、空母の中国語を調べてみたら航空母艦であった。恐らく中国は日本の「航空母艦」を借用したのだろう。

大連では今ワリヤーグVaryag型空母の艤装が進められている。英語版ウイキペディアによるとこの空母は旧ソ連が建造したものだが、電気工事を行う前にソ連が崩壊したためウクライナに移され、その後オークションで中国が購入したという曰く因縁のある船だ。

米国の海軍情報局によると2010年から12年の間にこの空母は練習船として運行開始の見込みだ。なお中国が一から建造する空母が就航するのは2015年以降になるということだ。

中国は現在駆逐艦、潜水艦、水陸両用船を含む190の海軍艦船を持っている。因みに米海軍は11の空母を含む285の艦船を持っている。

タイムズは「中国が空母を就航させることは米国政府に足元がすくむようなショックを与えるかもしれないが、米国の戦闘機の能力やクルーズ・ミサイルのプラットフォームなどの戦闘能力の差を考えるとミリタリー・バランスの変化はないだろう」「しかしこのような現実は議会や同盟国の警告の中で見失われるかもしれない」というボストン大学のロス教授の意見を紹介する。同氏は「空母は力の投影であり、中国国内に鳴り響くとともに他国にも鳴り響く」と述べる。

米国の海軍大学の研究員は中国が艦載機を購入し、補助艦を建造し、演習を行うコストは100億ドル(9千億円)だと推定している。(余談ながらこれも稼いだ外貨の使い道か?)

中国政府は以前から空母を持つ意思を示していた。中国の梁光烈Liang Guangle国防相は「中国は永久に空母を持たないということはない」と日本の防衛相に述べたと新華社通信は伝えている。

また中国の06年国防白書は海軍の使命は沿岸防衛から海洋での防衛活動に拡大するだろうと述べている。

中国の空母がアジアの海に出現した時、日本、韓国、ベトナム、フィリッピンなど領海問題を抱える国々には大きな圧力となるに違いない。

私は多くの日本人は政権選択において中国の軍事パワーが誇示されることを考慮して判断を下すべきだった・・・と考えている。

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米ドルが下落する理由

2009年10月22日 | 金融

エコノミスト誌にDown with the dollar / Why the dollar is fallingという記事があった。

記事によると米ドルは今年3月5日に主要6通貨インデックスで89.11という今年の高値をつけた後下落を続け、10月20日に75.24という今年の最安値をつけた。勿論このことは米ドルの全面的な崩壊を意味しないし、必ずしも懸念材料ではない。例えば米国に輸出業者は海外で競争力が高まるし、輸入品の価格が高くなるので米国の同業者は有利になる。

しかしドルの持続的な低下はドルを準備通貨として保有している中国やロシアに不吉な不安材料を与える。

何故ドルが下落するのか?という疑問に対するもっとも単純な答は「リスク忌避」である。リスクの高い資産の価格が下落する時にドルは上昇する傾向があり、リスクの高い資産の価値が上昇する時ドルは下落する傾向がある。3月から世界に株式市場でラリーが続いたのでドルの価値は下落し続けた。恐らく米国内の投資家がこの相関関係を動かしているのだろう。

しかしリスク忌避が一つの要因であるにしても、ドルを「安全な避難場所」とみなすことには疑いがある。むしろ米国のファンダメンタルの弱さがドルに対する長期的な弱気を復活させている。米国の財政赤字は今年GDPの13.5%に達すると予測する筋もある。オバマ政権には赤字を削減させる兆候はほとんど見えないし、健康保険制度の改革は赤字を拡大するだろう。

しかしもし外国人投資家が関与しているならば、どうしてドルの下落に後に米国債の利回りが急上昇(価格は急落)しないのだろうか?

恐らくその一つの理由は「量的緩和政策」により、連邦銀行が大量の新発債を購入しているからだ。国債の需給という単純なダイナミズムが昨日しているのだろう。昨年は投資家は流動性確保のため米ドルを求めたので、市場ではドルが不足していた。今年は量的緩和政策がドルの余剰を生み、ドルが下落している。

中央銀行は量的緩和政策の出口を注意深く見守っている。早い時期の政策転換は国債利回りを急上昇させる可能性があり、量的緩和政策の持続は更にドルの価値を下落させる可能性がある。連銀が向こう1年程度の間に政策金利を引き上げる可能性はきわめて低い。

巨額の対外債務を負いかつ財政赤字抑制の糸口もほとんど見つけていない国が低金利で通貨供給量を増やすという先例を歴史に求めることは困難だ。

このような組合せは最終的には破綻し、1940年代のブレトンウッズ体制のような新しい通貨システムをもたらすことになる。

新しいシステムとは通貨が一定の為替レートの範囲の中で取引される仕組みか、外国の債権者が米国に他国通貨による債券発行を求めるようなシステムである可能性がある。

☆   ☆   ☆

3月から主要通貨に対して15%以上ドルは下落している。ドル円相場はそれ程下落していないので、円も相対的には下落通貨なのだ。ドル円相場は今後どう動くのか?弱いもの同士の綱引きだが、対外債務がない分だけ円の方がましなのだろうか?それとも経済の自律反発力の弱い円の魅力が薄いか?

いずれにせよ、この時期円やドルだけにフォーカスした行動は余りよい結果を生みそうにない。不確実な時代はエマージング市場を含めた分散投資の時代なのだろう。

私の小さなポートフォリオの中でも「米ドル・ユーロの債券・株式および若干エマージング市場投資」というグローバル・バランス型のファンドが比較的安定した成果を上げている。

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