"Too much of a good thing" 一つ一つの単語の意味は簡単だが、慣用句となると意味が分かりにくい言葉というものが英語には多い。Too much of a good thingというのは一般に「ありがた迷惑」と訳されることが多いが、状況からもう少し違う訳を考える必要もある言葉だ。
ニューヨーク・タイムズに次の文章が出ていた。少し長くなるが意味を通じさせるために全部引用する。
The governor of the Reserve Bank of India recently said that to control inflation, his central bank might have to raise interest rates before developed countries, where rates are at historic lows. But he said that doing so could encourage overseas investors to move even more money into India, driving the rupee even higher.And that could be too much of a good thing.
「インド準備銀行(中央銀行)の総裁は最近インフレーションをコントロールするために、同行は歴史的な低金利状態にある先進国が金利を引き上げる前に金利を上げざるを得ないかもしれないと述べた。しかし彼はそうすることで海外の投資家の資金を更にインドに呼び込むことになり、インドルピーが更に上昇するかもしれないと述べた。経済成長を助ける外資も入り過ぎると好ましくないだろう」
数ヶ月前からインドにはかってない程の大量の外資が流入している。大量の資金は株価を3月の底値から倍近いレベルまで押し上げ、インド経済はIMFの予想を超える勢いで成長し、2010年には8%から9%の成長を見せる可能性が高まっている。
経済成長と外貨の急速な流入は株式・不動産バブルを発生させる可能性があるので、中央銀行を金利を引き上げて経済の引き締めを図ろうとする。しかし金利上昇は更なる外資を呼び込む可能性があり、外貨がルピーを買うのでルピー高を招くという訳だ。
「ありがた迷惑」という訳でも良いのかもしれないが因果関係をはっきりさせるべく「程よい外資の流入は(経済を拡大する上で)好ましいが、過剰流入はバブルやルピー高を招くので好ましくない」と訳した。
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