最近ではブラジル投資が個人投資家の間でも話題のようだ。今日の日経ヴェリタスもエマージング市場におけるETF投資などを冒頭の記事にしていた。
BRICS(中国、インド、ロシア、ブラジル)投資の中で、日本人投資家から見て先行していたのは中国が一番、ついてインドだろう。これは経済規模や発展速度に加えて、地理的・歴史的親密感によるところが大きい。加えて「国の格付」が投資適格であるかどうかも、機関投資家にとっては大きな要素だったろう。ブラジル以外の国は投資適格格付(つまりBBB各以上)だったが、ブラジルについては先月ムーディーズがソブリン格付をBaa3(投資適格の一番下)に引き上げたことで漸く三大格付機関から投資適格のお墨付きを貰うことができた。ムーディーズの格上効果は機関投資家の資金流入という観点から意味が大きいと私は見ている。
だが私にとって印象深いことは、長年IMFからお金を借りる立場にあったブラジルが最近IMFに100億ドルのローンを供与する契約書を締結したという記事を目にしたことだ。これはBRICSがIMFに対し総額800億ドルのローンを供与するプランの一環ということだ。昔ブラジルが資金繰りに四苦八苦していたことを思うと隔日の感だ。
経済成長の結果、長年の借入人が貸し手になり、次の発展途上国を支援する。麗しい話ではないか。
ところで雑誌や新聞はETFを使って低コストの投資ができるように書くが二つの盲点があることに注意しておこう。一つは米国株式(ETFも米国株式)の取引の場合、1取引で25ドル+消費税(マネックス証券の場合)の手数料がかかることだ。取引コスト比率を下げるためには、一回の取引量を大きくする必要がある。毎月1,2万円外国ETFを買うというような投資はコスト倒れになるということだ。
次に「買いの成行」取引では、時価の1.5倍の資金を必要とする、逆にいうと口座にある外貨残高の67%程度の株数しか証券会社(マネックス証券の場合だが)が注文を受け付けないという点だ。無論日本時間の午後11時頃まで起きていて、場を見ながら指値注文をすると口座残高範囲で取引は可能だ。
まあ、このような細かい不便はあるが、今のブラジルには伸びる活力があり投資マインドをかき立てることは確かだ。