金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「無縁死」とは何だろう

2010年02月01日 | テレビ番組

昨夜NHKの「無縁死・3万2千人の衝撃」http://www.nhk.or.jp/special/onair/100131.htmlというドキュメンタリー番組を観た。ここ数年「身元不明の自殺と見られる死者」や「行き倒れと観られる死者」が増えているという内容だ。

このことについて少し考えてみた。まず「無縁」の「縁」ということ。ここでいう縁とは「血縁者」である。より端的には子供や孫だろう。誰しも孤独に死ぬよりは子供や子孫に見守られて最後のひと時を過ごしたいと思う。だがそれに加えて我々日本人には広く「追善供養」という考え方があるからだろうと私は考えている。追善供養とは亡き人に対し子孫がお経をあげるなどの功徳を積むことで、亡き人の成仏が進むという考え方だ。従って追善供養を認めると死後追善供養が行われない人は成仏できない(生きている時にうんと功徳を積むと別だろうが)という考え方が成り立つことになる。

このことをキリスト教文明との比較で考えるため、英語で「無縁仏」のことを何と言うか調べてみた。ヤフー辞書によると無縁仏は a decesed person without any surviving relatives to pray for his (her) soulとある。「彼(彼女)の魂を祈る生きている親類縁者のいない死者」ということだが、無縁仏に対する一つの英語がないということは、キリスト教文明には「無縁仏」という概念がなさそうだ。

私はキリスト教について詳しくないが、ざっというと人はこの世で行った善行と悪事により審判され、天国か地獄に行く。後から子孫が死者の魂を祭っても効果なしというものだ。因みに日本では浄土真宗が「追善供養」を認めない。こちらは「総ての人は阿弥陀様により救済されることが決まっている」ので、供養の必要なしということだろう。

大雑把な言い方をすると、一神教においては魂の救済において「血縁」の意味はないと私は考えている。では神を信じる一神教の信者は孤独な状態で死ぬことを恐れないのだろうか?これについて私は判断材料を持ち合わさない(理屈の上では「恐れない」ことになるのだろうが)。

我々は縁という言葉をもう少し広く考える必要があるかもしれない。縁とは生きている親族に限らず、我々の先祖を含む大きな命の樹を育んできた自然環境と考えて見てはどうだろうか?そうすると総ての人が何かに「縁」を持っていることが分かる。この世の中に無縁の人など存在しないと私は考えている。

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米雇用データで低金利は持続?

2010年02月01日 | 金融

先月のFOMCでは10人の理事の内一人が、「超低金利の相当期間持続」に対する反対票を投じていた。しかし今週発表される雇用データから、米国の超低金利は大方の予想より長引くと予想している筋がある。

ニュースの出所はFT。市場は金曜日の米国雇用統計について失業率は10%(変わらず)、非農業部門従事者数は2.7万人増えると予想している。

これに対してキャピタル・エコノミクスのデールズ氏は「雇用データの発表の中には過去の統計の重要な修正~具体的にはリセッション後失われた雇用数が従来発表されていた7.2百万人から9百万人に修正~が行われるだろう」と述べている。

昨年の米国の労働市場では、「雇用者+求職者」の数が1.2%下落した(これは史上最大の落ち込み)。求職者の数が減ったのは、若い世代が更なる勉学とトレーニングのため、求職活動を止めたためだと見られている。

FTによるとゴールドマン・ザックスのアナリストは景気が上向くとこれらの人々が労働市場に戻ってくるので、失業率をこれ以上上昇させないためには、毎月10万人以上の雇用創出が必要だろうと述べている。

オバマ大統領は先週1千億ドルの雇用対策費を法案化すると発表しているが、財政支出を押さえる圧力も高まっている。

これらの状況を踏まえてキャピタル・エコノミック社は大方のアナリストの意見と異なり、米国の超低金利は2012年まで続くと予想している。

米国が低金利を持続させるということは、ドル安につながる。ドル安はオバマ大統領が一般教書演説で打出した「今後5年で輸出倍増」計画を助けるものだ。

以上のように考えると米国の低金利が一般の予想を超えて持続するという見方はかなり説得力があるように見える。

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