金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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映画「おとうと」、中々良かったですよ

2010年02月19日 | 映画

ワイフと「おとうと」を観に行った。この映画はワイフが強く見たがっていた。話の筋は比較的単純で、優等生の姉(吉永小百合)に落ちこぼれの弟(鶴瓶)が、色々迷惑をかけ、一時絶縁状態になる。しかし弟が大阪のホスピスで死を迎える時、姉が駆けつけ、弟は安らかに死ぬという話。

弟・鉄郎の臨終の場面では少し涙がでた。どうしてだろう。この映画に登場する人物は少しずつ人生の不幸を背負っている。夫に早く死別した姉、姉の子供で医者と結婚したけれど、すぐに離婚した小春(蒼井 優)。生涯まともな仕事につかず周りの人に迷惑をかけた弟・鉄郎。

ホスピスの人がトルストイの言葉を引用していた。「人はそれぞれの事情で不幸である」と(正確ではないが)

これはアンナカレーニナの一節。「幸せな人は一様に幸せだが、不幸な人はそれぞれの事情で不幸である」

だが不幸を乗り越えて前に向かう人に運命は暖かいてを差し伸べる。小春は幼馴染の大工さん(加瀬 亮)と再婚する。鉄郎は姉、小春、ホスピスの人達に看取られえる中、ホスピスの人の「もう頑張らなくていいのよ」という言葉で静かに息を引き取る。

人は・・・悲しいものである。だがそれを美しく彩るものは人間の優しさである・・・ということを実感させてくれる映画だった。

鶴瓶のようなふざけた男に吉永小百合の弟役をされてたまるか!と思っていたけれど、鶴瓶の熱演に脱帽。

コメント
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