金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

無縁・有縁・・・・至高体験

2010年02月04日 | うんちく・小ネタ
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テレビで話題になったことをブログに書くと検索エンジンからのアクセスが増える。先週日曜日NHKが取り上げた「無縁死」について書いた時も結構アクセスが増えた。
書いた後「無縁」ということをもう少し掘り下げて考えてみた。
「無縁」の反対語は「有縁」(うえん)である。有縁には「縁がある」という一般的な意味の他、仏教用語としては「仏と縁がある」つまり「仏様(あるいは徳の高い坊さんと考えてもよいだろう)から教えを聞く機会がある」という意味がある。逆に無縁とは「仏の教えに出会う縁がない」ことを指す。
つまり仏教的な考え方をすると、親類縁者の有無が「有縁」「無縁」を決めるのではなく、仏に出会う縁があるかないかが「有縁」「無縁」を決めるのである。
ところで「仏に出会う」ということを現代の心理学から見ると私はマズローのいう至高体験peak-experienceと重なる部分が多いと私は考えている。至高体験は宗教的体験のみならず、美的体験などからも得られる生きていることに対する深い感謝の念と私は理解している。
このように考えると「有縁の人」とは、至高体験を経て、生きている喜びを実感した人であり、「無縁の人」とは至高体験をしていない人ということになる。
私が自分で至高体験を経験したと思うことの一つが、カラコルム山脈の氷河を高山病に苦しみながら登っている時、雲の切れ間から「天使の梯子」と呼ばれる一条の光を見た時である。この時私は世界は何と美しいものか、と深い感動を覚えたことを今でも思い出す。
至高体験とはヒマラヤ登山をするほど苦労しないと得られないのだろうか?
それについて私は答を持っていない。というのはある体験から感動を受ける「感受性」の度合いは人により異なるからだ。
ある禅僧は掃除中に小石が竹にあたる音を聞いた時、忽然と悟りを開いたという。これはその禅僧がその時「至高体験」をしたということだろう。反対に何十年と座禅を組んでも「至高体験」に至らない人もいるかもしない。こういう人は「無縁の人」なのだろう。
社会問題として親類縁者のいない「無縁死」の問題は小さくないと思う。しかし一個人として心の問題を考える場合は「至高体験」に無縁で生を終えることの方が心残りではないか?と考えている。
私は今2,3のサークル仲間と山を歩いている。雪山に登って朝日を拝む時など、至高体験とまでは行かなくとも「ああ、山は素晴らしいなぁ。素晴らしい体験をできることは有難いなぁ」と思うことがある。
そしてもし私の仲間が同じような感動を分かち合っているとすれば、私にとってそれはかなり至高体験に近いものである。
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ムーディーズ、米国債に警告

2010年02月04日 | 社会・経済

FTによるとムーディーズは昨日(3日)、米国の経済成長が予想されているよりももっと強くなるか財政赤字削減により強く取り組まないと、Aaaの格付にプレッシャーが高まるだろうと警告は発した。

今週米国政府は2010年の財政赤字は1兆5,650億ドル、GDPの10.6%に達するだろうという予想を発表した。GDPに対する赤字の比率は第二次世界大戦以後で最大だ。また政府は国の債務のGDPに対する比率は2009年の53%から2015年の73%、2020年の77%に上昇すると予想した。

しかしムーディーズは国際的な基準に従い、地方自治体レベルの債務も加えると2020年にはGDPの100%をはるかに超える公的債務を抱えるだろうと述べている。

FTはダボス会議に出席した何人かの投資家は「格付機関が米国や英国の将来の格下を示唆して警告することは、財政赤字を政治的な問題にして選挙の争点にする可能性があるので助かる」と述べていると報じていた。

☆   ☆   ☆

米国債が近い将来Aaaからすべり落ちるとは思わないが、10年単位で見るとその可能性はあるだろうと私は考えている。社債や他の国の国債の利回りを比較する時「T+α」と表示するが、このTは米国債TreasuryのTだ。いわば海抜何メートルという時の海水面みたいなものだ。だがこの海水面が上がるようなことになると、金融理論や金融実務も随分変わることになるだろう。

話は変わるがトヨタがリコール問題で大揺れしている。トヨタ車の安全に対する信頼も米国債的なところがあったが、こちらの水面は少し上昇したようだ。

米国もトヨタもMighty(偉大なもの)だ。だがMightyも油断すると墜落する。

日本のMightyというと小沢幹事長と大相撲の朝青龍が気になるところだ。小沢については不起訴と決まったという報道を目にした。だがそれで小沢や小沢を擁する民主党は国民の支持を繋ぎ止めることができるのだろうか?朝青龍については今日の午後横綱審議委員会が開かれ何らかの処置が決められそうだ。

How the mighty fall? 「どのようにして偉大なものは失墜するか」

偉大な組織も人も総てその成功により自信過剰になり、失墜するのである。

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