FTによるとムーディーズは昨日(3日)、米国の経済成長が予想されているよりももっと強くなるか財政赤字削減により強く取り組まないと、Aaaの格付にプレッシャーが高まるだろうと警告は発した。
今週米国政府は2010年の財政赤字は1兆5,650億ドル、GDPの10.6%に達するだろうという予想を発表した。GDPに対する赤字の比率は第二次世界大戦以後で最大だ。また政府は国の債務のGDPに対する比率は2009年の53%から2015年の73%、2020年の77%に上昇すると予想した。
しかしムーディーズは国際的な基準に従い、地方自治体レベルの債務も加えると2020年にはGDPの100%をはるかに超える公的債務を抱えるだろうと述べている。
FTはダボス会議に出席した何人かの投資家は「格付機関が米国や英国の将来の格下を示唆して警告することは、財政赤字を政治的な問題にして選挙の争点にする可能性があるので助かる」と述べていると報じていた。
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米国債が近い将来Aaaからすべり落ちるとは思わないが、10年単位で見るとその可能性はあるだろうと私は考えている。社債や他の国の国債の利回りを比較する時「T+α」と表示するが、このTは米国債TreasuryのTだ。いわば海抜何メートルという時の海水面みたいなものだ。だがこの海水面が上がるようなことになると、金融理論や金融実務も随分変わることになるだろう。
話は変わるがトヨタがリコール問題で大揺れしている。トヨタ車の安全に対する信頼も米国債的なところがあったが、こちらの水面は少し上昇したようだ。
米国もトヨタもMighty(偉大なもの)だ。だがMightyも油断すると墜落する。
日本のMightyというと小沢幹事長と大相撲の朝青龍が気になるところだ。小沢については不起訴と決まったという報道を目にした。だがそれで小沢や小沢を擁する民主党は国民の支持を繋ぎ止めることができるのだろうか?朝青龍については今日の午後横綱審議委員会が開かれ何らかの処置が決められそうだ。
How the mighty fall? 「どのようにして偉大なものは失墜するか」
偉大な組織も人も総てその成功により自信過剰になり、失墜するのである。