金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

セゾンの永久不滅ポイントを震災に寄付した

2011年03月21日 | うんちく・小ネタ

セゾンカードは随分昔から使っている。若い時銀行で西武グループを担当していたことがあるので西武には親近感があるからだ(当時は鉄道グループ・百貨店グループと言っていた)。

セゾンカード使って買い物をすると「永久不滅ポイント」というポイントがつく。同じくセゾンカードを使っているワイフが「ポイントで震災に寄付が出来るわよ」と言っていたので、先ほどネット経由でポイントの一部を寄付した。100ポイントが500円なので取り敢えず5千円分1000ポイント寄付をした。

他のクレジットカードでポイント寄付が可能であればチェックしてみたいと思う。読者諸氏(みなさん)も一度クレジットカードの獲得ポイントをチェックされたらいかがですか?

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大震災の後、日本はどのように変わるか?(エコノミスト誌)

2011年03月21日 | ニュース

災害に関して時々言わなくても良いような発言をして、顰蹙を買う政治家がいる。今回の東日本大震災では、まず石原東京都知事が「天罰説」を唱えて、後ほど陳謝して発言を取り消していた。また大阪府議会の長田議長が「震災は大阪に取って天の恵み」と発言していたことが分かった。同議長が後ほど不謹慎だったと述べているが。恐らく両名とも被災者の感情を逆なですることが目的ではなく、別の意図があったのだろうが、不用意な発言と言わざるをえない。発言者の真意を好意的に解釈すれば、「大災害を契機に世の中を見直そう」という意図があったのではないだろうか?

実際これから数年間50ヘルツ圈(東日本)で、電力需給が逼迫することを考えると、関西・中部・九州などに製造ラインがシフトすることが予想される。またもう少し高い観点から見ると、日本の政治社会の一つの転換点になる可能性はあるだろう。

エコノミスト誌はThe falloutというタイトルの記事でその問題を取り上げていた。このfalloutというタイトル、普通は「予期しない副次的な影響」と訳せば良いのだろうが、falloutには「放射性下降物」という意味もあるから少し嫌な題名だ。

記事は大きく分けて二つの問題を取り上げている。一つは「原発の問題」でもう一つは「日本が変化する可能性」である。ここでは順序を逆転させて「日本が変わる変わる可能性」の方から取り上げてみたい。

エコノミスト誌は、日本の現代史を振り返り、大きな災害の後、日本は大きく方向転換してきたと解説する。曰く「1923年の関東大震災の後は軍国主義に転じ、第二次大戦の敗北と原爆投下の後は平和的成長路線を取り入れ、阪神大震災の後は孤立主義を強めた。そして今回の大震災も国民の精神に過去と同様大きなインパクトを与えると思われる。」

エコノミスト誌が示唆する変革の方向性は「機能不全に陥っている政治の改革」である。同誌は「日本人はこの忌むべき死と悲しみの瞬間を同時に再生の時と考えるだろう」と結んでいる。石原知事もこのように言うべきだったのだろう。

さてエコノミスト誌の原発に関するコメントはさすがに鋭い切り口を見せている。福島原発事故以降早速世界で原発プロジェクトの一時的中止が起きている。例えばドイツでは原発の寿命延長政策を凍結した。また中国も原発拡大計画を見合わせた。

エコノミスト誌は「原発には大きなジレンマがある」という。それは何かというと「最良の原発の安全性に必要なものは良い計画や良い技術だけではない。説明責任と透明性を生むような社会が必要であり信頼に値する公共機関を作ることである。民主主義国家の方がこのような点で優れている。ところが民主主義国家では原発に反対する少数派の力が強くて原発が進まないが、中国のように国家の力の強い(一方説明責任などが低い)国において原発が増える」ということだ。

またエコノミスト誌は原発はエネルギー源として優位性を持つと主張する。人命の点についても過去最悪のチェルノブイリ事故で死者の数は不明ながら恐らく数千名に達するだろう、しかし中国では毎年炭鉱事故で2,3千人の労働者が死んでいる、また大気汚染等公害ではもっと多くの人が死んでいると主張する。

☆   ☆   ☆

大震災以後安全に停止している原発を検査後再開できるかどうかは、今後の電力需給に大きな影響を与える問題だ。信頼にたる検査機関を作り出し、説明責任を完遂させることができるかどうか、そして国民が感情的・感覚的にならず、冷静に原発の可否を論じることができるかどうか・・・それはすぐ目先に迫った問題である。我々は勉強しなければならない。内外の優れたリーダーや専門家の意見を聞きながら自分で考えなければいけない。

日本がもし変わるとすれば私はこの「政治家(あるいは自称専門機関)任せにしないで自分で考える」という方向が強まるのではないか・・・と考えている。それはお釈迦様が涅槃に入る前に述べられた「自灯明・法灯明」の教えである。

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