10月27日、10月最後の土曜日だ。昨夜は有楽町でスキー仲間の素敵な女性とワインを傾けご機嫌だったがその後がいけなかった。遅い時間の西武新宿線は猛烈な混み方で、準急を見送り、上石神井までしか行かない各停を乗り継いでギリギリ帰宅した次第。
面白うてやがて悲しき鵜舟かな 芭蕉 である。
西武池袋線が人身事故で運休し振替輸送を行なっているというアナウンスがあったがそのため異常に混んだのだろう。今朝の新聞を見ると「池袋線の椎名町付近の踏切で車椅子の男性が電車にはねられ死亡」という痛ましい記事がでていた。ただご冥福を祈るのみ。
さて色々出費のかさむ今日この頃。今日はチープに、しかし健康で楽しく半日を過ごすことを考えた。暑くもなく寒くもないこのこの季節の天気が良い日はサイクリングが一番だ。サイクリングの後はスポーツクラブの岩盤浴で寝転んで本を読もうというのが今日の粗筋だ。
今日は野川公園から野川サイクリングロードを調布辺りまで往復することにした。往路は小金井公園を横断して武蔵野公園から野川公園に入った。野川サイクリングロードは幅が狭くかつ一般道との交差が多いので、シリアスな自転車ライダーにはほとんど出会わない。しかしポタポタ走るには手頃なコースである。調布は布多天神という神社を目標にしたが、こちらは事前調査不足で近くまで行きながらたどり着けず断念。
帰路はルートを変えて武蔵境通りを真っ直ぐ北上してみた。
武蔵境通りは深大寺付近から東八道路にかけて道が拡幅され大変走りやすくなっている。さらに今日はじめて気がついたが連雀通りから北に向かって道路が整備され中央線を真っ直ぐ越えていたのにはびっくりした。これで神代植物園に行きやすくなるし、多摩川サイクリングロードにも行きやすくなった。感激。
さてお昼は田無駅付近のフジカフェという喫茶店のモーニングセットで済ませた。この店は3つの良いことがある。一つは「終日モーニングサービスをやっていること」二つ目は「コーヒーのおかわりが自由であること」三つ目は「無線LANが使えること」だ。
これで590円悪くはないと思う。
喫茶店でゆっくりした後ティップネスの岩盤浴に寝そべりながら塩野七生の「ローマ人の物語」の終わりに近い部分「ローマ世界の終焉」を読んだ。
「ローマ人の世界」を読むとローマ型の民主主義やその後の良き君主制は米国に伝わっていると改めて思う。
「ローマ人の物語」の孫引きだが、イタリアの教科書に次のような言葉があるそうだ。「知性、身体の健全、類なるまでの寛容、持続する意思、説得力 この5つの特性を備え持った人物はシーザーしかいない」
色々批判のある今回の大統領選挙だが、選挙民が審判しているのは個々の政策というよりは、次のリーダーがどれほどこれらの特性を持っているか?という点だろう。
塩野七生は「ローマ世界の終焉」の中で西ローマ帝国が滅んだ後約千年も東ローマ帝国が存続できた理由を次のように述べている。
「東ローマ帝国にも問題は西方と同じに大きかったのだが、それに対処する人が腰を落ちつけて対処できた利点は大きかった。現代的にいえば政局安定である、現代でも、選挙で選ばれた大統領や首相に、五年から七年の任期を保証するのもそのためである」
ところが日本ではこのところ毎年のように首相が変わる。大臣に至ってな3年の間に7,8人が変わるという忙しなさだ。歴史に照らすと亡国の兆しのような気がする現象である。