FTによると中国政府は「東京爆発花火」の販売を禁じた。「東京爆発花火」Tokyo Big Bang fireworkとは、今月の中国旧正月の時打ち上げられる花火の一つで「私は尖閣諸島が好き」という紙を付けて売られているということだ。
だが今週末から始まる旧正月を前に中国政府は東京爆発花火を商店の棚から撤去するように命じた。「我々中国は平和を愛する国であり、日中友好関係を悪化させるようなことをするべきではない」と政府関係筋は花火業者を指導した、と関係者は述べている。
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戦争を遂行するには激しい敵意が必要である。もちろん私には戦闘の経験はないが、殺されるかもしれない恐怖に耐えるには激しい敵意が必要であることは想像がつく。孫氏は作戦第二で「敵を殺すものは敵愾心であり、敵の財貨を奪うのが恩賞である」と述べた。
だが植え付けられた敵愾心は時に為政者や指揮官のコントロールを超えて暴走する。歴史を紐解けばそのようなケースは多い。日露戦争後多大な血を流しながらも「勝った、勝った」と政府から喧伝されてきた国民はポーツマス条約の結果に激しく怒り焼き討ち事件をが起きた。
太平洋戦争もまた米英に対する国民の敵愾心を煽ってきた政府・軍部がその罠にハマッてしまったという見方もできる。
「敵を殺すのは敵愾心」といった孫氏だが彼は基本的に好戦的ではない。いや戦争をしない方が良いというのである。戦闘は人命を失い、富を失い益するところがないからだ。兵士には敵愾心を持たせながら、指導者は冷静に対応するべきだ、というのが孫氏の教えなのだが、結構タイトロープである。