金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

私は麻生さんの発言を支持するが・・・

2013年02月20日 | ニュース

少し前に終末医療についてやや言わでもの発言をして、最近は個人的感想とか何とかいって平身低頭している麻生副総理だが、私は彼の発言を支持している。もっとも副総理ともなると、影響力を考えて慎重に振る舞うことが求められるので軽率のそしりは免れないが。

生物とは何か?ということを根源的に考えると、それは自己の複製を作ることが生物の本質だ、というのが今の進化生物学の考え方だ。進化生物学の泰斗リチャード・ドーキンスは「個体は遺伝子の乗り物である」と喝破した。個体としての命は短いが、遺伝子ははるかな過去から未来へと壮大な時を旅していく。

進化生物学の知見が正しいとすれば、今の人間、特に日本人は本来の生物の本能からかなり外れてところを歩いている。

私はこれは「脳と遺伝子の戦いの結果、一部の人間の間では脳が遺伝子を圧倒する」現象が起きた結果だ、と考えている。動物には「死後の世界」に対する恐怖はない、と一般に考えられている。無論死に対する情動的な抵抗はある。針にかかった魚は必至にもがき、手負いになった猛獣は時として激しい抵抗を示す。だがそれは「生きるための情動的な反応」と考えるべきだろう。

脳が発達した人間は「死後」を考え、死ぬことに強い恐怖感を覚えるようになった。その恐怖感を緩和するのが宗教である。宗教は「死後の世界」を示すことで人々の恐怖感を和らげた。しかし壮大な死生観を持つ宗教が根付いていない社会では時に肉体の命に対する固執が生まれる。

リチャード・ドーキンスはバリバリの無神論者だが、彼の言葉はヒンドゥ教の教える「肉体は魂の入れ物にすぎない」という言葉と面白いことに呼応する。つまり二つの言葉から肉体(=個体)を取り除くと、「遺伝子と魂」が残る。単純に遺伝子=魂とは言わないが、現在の進化生物学と古代から続くヒンドゥ教の教えに共通するのは、いつか滅びる肉体以外に生命体としての人間には綿々と続くなにかがある、ということだ。

肉体の寿命は短く、精神の寿命はもう少し長い。時として我々は2千5百年前の古代中国・インド・ギリシアの思想家の言葉に導かれることがある。偉大な人生は長く残る。

無論我々凡人の生きた記録や言行がそんな長く残ることはない。だがもしさわやかな人生を残すことができるなら、自分の家族や友人に何がしかの感動を残すことはできそうだ。

そう考えると「命を軽んじるのは仏の道に反するが、命に執着しすぎるのも仏の道に反する」と述べた道元禅師の言葉を思い出す。

麻生さん、政治家を辞めてなお元気な日があれば持論を多いに語ってください。

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年4%で確実に資金を運用する-保険料の前納

2013年02月20日 | うんちく・小ネタ

あなたは確実に年4%で資金を運用出来ますか?という質問に無条件でyesというような人がいたら怪しいと考えて良いだろう。

私たちの厚生年金や国民年金の財源を預かり運用している団体を年金積立金管理運用独立行政法人という。長ったらしいので以下略称のGPIFを使うが、この日本最大の機関投資家の過去9年間の平均運用利回りが2.42%である。またTOPIXの過去9年間の平均利回り(算術平均)は2.73%だ。つまりプロが頑張っても、日本株の市場平均のパフォーマンスがでたとしても、4%はおろか3%に資金を運用することは難しいのである。

だから「年4%で資金を運用します」などという話があれば、怪しいと考えた方が良いのだ。

だが例外はある。例えば退職者が退職後、任意で継続する健康保険の納付方法に半年とか一年の前納を選択すると年4%の割引が得られる。

実例で紹介する保険料の基礎となる標準報酬月額が38万円の場合、健康・介護を合わせた毎月の保険料納付額は41,116円で年間493,392円になる。

ところが1年間前納すると483,051円で10,341円得になる。これは毎月の支払額を年利4%の割合で現価に割り引いたものの合計である。表計算ソフトExcelの組み込み関数NPVなどを使うと検証することができる。

低金利の時代預金利息と1万円を稼ぐとなると大変だ。利息を0.05%とすると2千万円の預金をしなければ1万円の利息を受取ることはできない(税引き前なのでそこから税金が引かれる)。

だが前納制度を使うとたかだか50万円弱で1万円を稼ぐことができる。年間4%以上で資金を運用する絶対の自信がない人にはおすすめできる話である。

もっともリスクゼロという訳でもなさそうだ。それは家族の扶養者になって健保から脱退する場合で前納した保険料は戻らない(就職して他の健保に入る場合はよさそうだ)からだ。このあたりのことや割引率は健保組合によって異なる場合があるから、自分の健保にお確かめください。

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このカードリーダ、ちょっと拙いよ。シャープさん

2013年02月20日 | デジタル・インターネット

確定申告の季節である。私は昨年までパソンコン上で入力して、作成した申告書を税務署に送付していたが、今年から電子納税に切り替えた。少し前に買ったシャープの接触型ICカードリーダライタRW-5100 をパソコンにつなぎ説明書どおりにインストールを行った。カードリーダ上のLEDランプは正常なインストールを示すが、パソコンの画面には「正常にインストールできていません」と表示がでる。念のためシャープのホームページから「作動確認テスト」を行ったところ、インストール済の表示がでた。

正常にインストールされている場合もあると思い、国税庁のe-taxページにつなごうとすると、カードリーダが正常にインストールされていません、とコメントがでた。

そこでシャープに電話をして、オペレータから電話で指示を受けながら作動確認をするとやっぱり正常にインストールされていたのであった。オペレータは「FAQの24番を見てください。そちらに正常にインストールされている場合でも、パソコンの画面に正常にインストールされていませんと表示される場合があります」と書いてありますとのたまわれた。そして国税庁の人にはシャープの相談窓口で確認したと伝えてくださいという。

それってちょっと勘弁してよ、て感じ。このモデルのカードリーダ利用者からは結構多くの照会の電話が入っているのではないだろうか?

まあ、パソコンにしてもカードリーダにしても機械だから相性というものがあるだろうが、時間が限られた確定申告だけに混乱をきたすだろう。

さて肝心の電子納税の方はあれやこれややっている内に無事済んだ、と思う。「思う」というのは頼りないが、昨年入院したこともあって今年は税金の還付が受けられる。還付金が振り込まれると初めての電子納税は成功、ということだ。やれやれ。

コメント (3)
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