金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

専務理事が語る相続学とは~その2

2013年02月12日 | うんちく・小ネタ

来週月曜日の相続学会で使う資料は今日印刷をお願いした。原稿を手元においておくと、アチコチ手直ししたいところが出てくるので踏ん切りをつけることにした。

平成25年度の税制改正大綱が発表されていて(正式決定は3月の国会で法案が成立してからだが)、相続税が引き上げられる可能性が高いので一般市民やマスコミの関心が高まっている。例えば現在の基礎控除は相続人が1人の場合は5000万円+1000万円の6000万円だが、改正後は3000万円+600万円で3600万円に減額される。3600万円しか基礎控除がないと地価の高い大都市圏では一般市民の中で相続税を払わざる得ない人が相当増えそうだ。

さて1時間半のセミナーの最初の1/3は遺産動機の話をして、真ん中の1/3は金融資産の管理の話をして最後は金融資産の運用の話をする予定だ。

金融資産の管理と運用を通じて、強調したいポイントは管理コストの削減である。資産管理で飯を食っている信託銀行の現役役職員では中々話難いところだが、日本の資産管理コストは米国などに較べると非常に高いという「不都合な真実」がある。

これは信託銀行や投信委託会社が高い信託報酬で不当に利益を上げているという訳ではない。規模の利益を追求して徹底的に安いコストで合理的な資金運用をする、ということに消費者・金融機関・金融庁がベクトルを揃えていない結果である。昨年世界で一番運用資金を集めたバンガード投信の信託報酬は日本のそれの平均の1/5の0.2%程だった。

世界的に低金利が持続する中、信託報酬の差は大きい。事務コストや運用コストは規模の利益に比例して低減する。特にパッシブファンドの場合は典型的だ。消費者が賢くなり、金融機関の看板の大きさやパンフレットの見栄えなどでファンドを選ばなくなる日が来れば、報酬は低下方向に向かう。そのためには規模が小さく非効率なファンドの閉鎖や統合を進めるべきだし、金融庁もそれを促進するべきだろう。非効率な小さいファンドが乱立し、一般投資家も金融機関も満足していないというのが日本の資産運用・管理の状況ではないだろうか?

「規模の利益の追求」「徹底したIT化」で無駄を省き低コスト化することが業界の課題である。

昨今の信託銀行の動きを見ていると、三菱UFJ信託の「安心信託」に見られるように「金銭信託の信託報酬以外の特別な信託報酬は貰わないけれど、委託者が死亡した時にはあらかじめ指定しておいた相続人に財産を交付する」という遺言代用信託商品がマスプロダクツとして登場してきた。

低金利の持続、高止まりする信託報酬、高齢化に伴いリスク回避傾向が高まってくる消費者、といった環境の中で一部の信託銀行は個人向けにリスク商品を販売することから、マスプロ遺言商品の販売に舵を切り始めたのではないかとすら思われる。

マスプロ以外の信託銀行が提供する遺言信託業務の報酬はかなり高い。高いけれど看板があるので安心感から信託銀行に頼むという人がいる。

医療にしろ介護にしろ資産管理にしろ運用にしろ。個人が1人でできることは限られている。誰か専門家に任せるしかないのである。シニア層にとって一番大切な能力は「誰が信頼できる人か?」を見抜く力なのだろう。人はそのために60年70年と人生経験を積むのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スキーオジサン、スマホも頑張る

2013年02月12日 | デジタル・インターネット

八方尾根を滑りまくったオジサン6人、最近はスマホが普及して4人はスマホを活用していて頻繁に写真を撮っていた。4人の中に私も入るのだが、今回はあまり写真を撮らなかった。理由は幾つかある。一つは私が使っているドコモのクロッシイ(富士通製)は恐ろしく電池の消耗が早いので、通常電源を切っている。だからシャッターチャンスに間に合わない。次に外で写真を撮ろうとすると液晶画面が暗すぎて見えないのである。これはデジカメで経験することだが。

次に撮った写真をどこにどう保存しておくのか?という問題。一番良いのはクラウドのPicasaにアップロードして保存しておくことではないか?と思うのだが、スマホで撮った写真を何度も利用するというとこれまた疑問だ。

今日は早速仲間からスマホで撮った写真が送られてきた。

View5

上の写真は白馬駅発のリゾートビューふるさとの写真。下2枚は列車から見た雪景色。

View3

View4_3

中々良い写真だ。上の写真は家が真ん中にあるので少し動きと面白みに欠けるが。

Hmyself_2

最後は八方尾根・兎平の私の写真だ。

オジサン達は撮った写真を送ったり送られたりしながら、イベントを二度楽しむのである。時には秘かに写真の良し悪しに講釈をたれながら。

早い時期にスマホを使い出した私だが、次々と性能の良いスマホが出てくるので、このところは先行者デメリットが発生している状態だ。カメラが付いている通信端末を買うか?通信機能が付いているカメラを買うか?ちょっと検討してみたいところだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブレイナード次官の発言で円は一段安

2013年02月12日 | 金融

昨日(2月11日)米国のラエル・ブレイナード財務次官が「日本のデフレ脱却のための努力を米国はサポートする」という発言が円安政策の支持と判断され円は一段と弱含んだ。

国際金融問題に詳しいブレイナード女史の発言の真意をどう判断するべきだろうか?

(1)ヨタヨタしている隣の友達を助けてやろうという全くの好意

(2)日本がデフレ脱却をすると波及効果が米国に及ぶという期待感

(3)為替の平均回帰性から考えて07年以降の急速な円高の反動として円安が起きると判断した

(4)ドル円為替に注目するとドル高が米国により大きなメリットを生むような変化が起きた。

(5)円安を容認するからTPPに参加しろ、などという裏舞台の駆け引き

(1)を信じるのはお人好し過ぎるし(5)は少し考えすぎだろう。

だが欧州の財政首脳が円安政策に懸念を示す中、米国の財務次官が円安容認ととれる発言をしたことは興味深い。円は100円まで売られてもおかしくない状況になりつつある、と判断するが少し気が早すぎるだろうか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小太りオジサンがコブを飛ぶ日

2013年02月12日 | スポーツ

オジサン6人で二泊三日のスキーに行って来た。場所は白馬三山に近い八方尾根スキー場だ。写真は八方尾根スキー場の一番上八方池山荘付近からスマートフォンで撮った白馬三山の写真だ。左が白馬鑓ヶ岳で真ん中の台形が杓子岳、その右が白馬岳である。

Hakuba

しばらく白馬三山の景色を楽しんだ後、リーゼングラートコースを滑り始めた。山の天気は瞬時に変わり、ガスと吹雪で斜面が見えにくくなってきた。グラートは傾斜は強くないが、けっこうコブがある。視界の悪いコブ斜面にオジサン達が果敢に飛び込んでいった。

僕の場合は今シーズン学んできた内足主導型のスキーはどこかに飛んで、ワイドスタンスで腰を落とした山スキースタイルが復活する瞬間だ。

オジサン6人の平均年齢は61歳である。1人を除いて「小太り」(中には小太り以上の人もいるが)オジサンである。その「小太り」オジサンが雪のコブを飛ぶので「コブ飛び」オジサンと僕は呼んでみた。

もっとも実際にはコブを飛んでいるというよりはコブに飛ばされている方が多かったが。

初日の一部を除いて雪が降り続き天気は良くなかったが、ゴンドラの始業開始前からタクシーで駆けつけて並ぶという熱心さ。おかげでシュプールの少ないリーゼンスラロームを滑ることができた。

よく遊ぶオジサン達だった。そしてよく飲むオジサン達だったな、と思う。楽しい3日だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「てっちゃん」になったリゾートビューふるさとの短い旅

2013年02月12日 | 旅行記

昨日(2月11日)八方尾根スキー場からの帰路、白馬駅から松本駅までリゾートビューふるさとに乗った。この列車は週末限定の観光車両だ。

Hurusatoview_2

後立山連峰には雪が降り続き、写真(ふるさと号の乗車記念スタンプ紙)のようなビューはなかったが、2料編成の運転席横の展望席に座っていると「てっちゃん」気分になってきた。

View1

信濃大町までは線路に雪が積もり列車は時速30kmのノロノロ運転だ。両脇の林や民家にこんもりと雪が積もり、雪国を旅していると実感した。

木崎湖付近まで来ると明るい陽の光が注ぎ始めた。

View2

同じ長野県でも白馬と安曇野では天気が全然違う。木崎湖畔の海ノ口駅付近が分岐点かもしれない。

リゾートビューふるさとはシートとシートの間が広くて気持ちが良い。シートを回転して4人が向かい合っても膝と膝の間に十分スペースがある。中央線を走る「あずさ」のグリーン席よりも広いだろう。

リゾートビューふるさとの指定席券は500円だ。雪景色を楽しみながら、アフタースキー談義に花を咲かせてウイスキーを飲んでいる2時間弱の旅は幸福な一時でこの500円は非常にお値打ちだった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする