昨日2月25日イタリアで行われた総選挙の結果は、米国株と円に衝撃を与えた。FTなどでも最終的な選挙結果は報じられていないが、モンティ現首相率いる「市民の選択」党は下院で10.4%、上院では9.1%しか取れなかった。元コメディアンのベッペ・グリロ氏が率いる「五つ星」の半分にも満たない得票率だ。
「五つ星」は政治的な経験はないものの、反緊縮財政をかかげて躍進した。FTによると選挙の結果、議席はベルサーニ氏率いる中道左派、元首相のベルルスコーニ氏率いる中道右派、五つ星の3つが上位をしめた。イタリア国営放送によると、上院の315の議席は中道右派121,中道左派96、五つ星65、現政権党19に分かれ、過半数を制する党はない模様だ。
イタリアの政局が不安定になり、EUと約束した緊縮政策を維持できなくなるのではないか?という懸念で米国株が大きく売り込まれ、S&Pは1.8%下落した。また円が買われ、手元の情報ではドル円為替は92円20銭程度で、ユーロは120円半ばまで上昇していた。
今日は日本株も売られるだろう。高所恐怖症に陥った投資家が絶好の売りの口実を見つけたと判断するべきか、イタリアに端を発する欧州通貨危機が再燃し、再びリスクオフムードになるのか? しばらくは興味深い。