WSJによると昨日(8月16日)日本の証券大手3社は揃って、消費税引き上げを促す経済予想を発表した。
大和総研によると、今回は堅調な民間の住宅投資と政府支出が景気をサポートするので1997年の消費税引き上げ後に起きたリセッションは今回は起こらないだろうという。これに加えて野村證券は、退職期を迎える団塊の世代の消費支出がサポートするだろうと述べている。また同証券のチーフエコノミストは、円安傾向により(木下チーフエコノミストの予想では2014年末までに110円になる)輸出と設備投資が増え、経済成長が支えられると述べている。
証券会社のレポートは消費税の引き上げが見送られると外人投資家の日本の財政に対する信頼がゆらぎ、国債と日本株の売却を引き起こす可能性があるいい、円はドルに対して93円まで上昇する可能性があると述べている、ということだ。
証券3社のエコノミストの景気やインフレに対する見方は日銀ほど強気ではない。SMBC日興証券のチーフエコノミストは、日銀は来年4月には恐らく何かするだろう、恐らく国債の購入だけでなく、株とETFを購入することが議論の中心になるだろうと述べている。同氏によると今年前半の消費拡大の6割は株高効果によるという。
話がこのあたりまでくると、株高を演出して欲しい証券会社のポジショントークではないか?という邪推が起きないでもないが、消費税を引き上げても、前回のようなリセッションは起きないだろうという判断は正しい。97年のリセッションはアジア通貨危機や国内銀行の破綻など他にリセッションを引き起こす要因があったことを理解しておかないといけない。