金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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米、失業保険申請数減で株が大幅下落

2013年08月16日 | 金融

昨日(8月15日)発表された米国の新規失業保険申請数は2007年10月以降最低水準の32万人となった。市場予想が33.5万人だったので若干強い数字である。

一般的に考えると、失業保険申請が減るということは、景気が改善しているので株式相場にはプラスに働くが、今のアメリカは違う。というのは雇用市場の改善が、連銀の債券購入プログラムの早期縮小につながると判断するからだ。

次の米連銀公開市場委員会は9月の17-18日に行われるが、そこで9月か10月には債券購入プログラムの縮小が決まりそうだ、と市場の一部では見ている。債券市場から資金が回収されるという懸念は、米国債の金利を押し上げた。10年国債の利回りは2011年7月以降最も高くなり2.755%となった。

株ではダウが225.47ポイント1.47%の下落。昨日の大部分の売りは年金や投資信託など大手機関投資家から出たもので、夏休みシーズンのため商いは薄かった。雇用市場改善や物価上昇懸念に対する過剰反応という声もある。

本来は雇用市場の改善は株式市場にはプラス材料。また円ドル為替はドル安に振れているが、米国金利の上昇は本来はドル高要因であるが、目先のリスク資産からの逃避で円が買われたのだろう。

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