昨日(7月8日)業歴2百年のアパレルの老舗・ブルックスブラザーズが連邦破産法11条(会社更生)の適用を申請した。このニュースは日本のマスコミで大きく取り上げられている。
そう、ブルックスブラザーズは日本で大変有名なブランドである。ブルックスブラザースは現在では世界70ヵ国に店舗展開しているが、20年前では日本にしか海外拠点はなかった。
ブルックスブラザーズのスーツは歴代大統領や多くのビジネスパーソンに愛用されてきた。
ブルックスブラザーズのスーツは、ビジネスパーソンのユニフォームであり、伝統的な着こなしの見本だったのだ。
グローバル化という名前の下で、アメリカのビジネススタイルを追随した日本がブルックスブラザーズの最初の海外市場となったのは自然な流れというべきだろう。
もっともブルックスブラザーズが日本に進出した頃、既にアメリカではビジネスウエアのカジュアル化が始まっていた。だからこそ縮小するビジネススーツ需要を補うため、ブルックスブラザーズは海外進出を図ったともいえる。
だがビジネスウエアのカジュアル化の速度は速かった。そしてそれに追い打ちをかけたのが、今回のコロナウイルスだ。
テレワークの拡大でビジネスパーソンはますますスーツから遠ざかり、ついに同社が会社更生法を申請するに至ったのである。
コロナが社会や経済が変化するトレンドを加速した一例と言えるだろう。