金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

小雨降る西沢渓谷を楽しむ

2010年06月27日 | 

6月26日土曜日、某ロータリークラブトレッキング同好会の人達と西沢渓谷を歩いた。この日の登山が決まったのはかなり前だった。雨が降っても余り影響を受けないところということで西沢渓谷を選んだ次第だ。ワイフに「西沢に行く」というと、「あなたは本当によく西沢に行くのね」とあきれたような返事がきた。たしかに私は西沢周辺をよく歩いている。より正確にいうと本格的な沢登りとなる隣の東沢やナメラ沢あるいは西沢の奥の行者谷などに登っていることもあるのだがワイフにはまとめて西沢渓谷(周辺)と話している。

さて8時53分に塩山に到着した「あずさ3号」は大量の登山者を吐き出した。「西沢渓谷が混むと大変だな」と内心思ったが、9時5分のバスに丁度全員が座れるほどだったのでほっとする。多くの登山者達は「多摩源流ツアー」の札が出ているチャーターバス3台に乗り込んでいった。笠取山か丹波(たば)方面に出かけるのだろうか?

西沢渓谷のバス便は少ない。この9時5分のバスで塩山を出発し10時10分頃に西沢渓谷入り口に到着し、4時間前後で渓谷をラウンドして午後2時半のバスに乗って塩山に戻るというのが一般的なプランである。

さて我々も駐車場横の茶店で炊き込みご飯の弁当とヨモギ餅を買って小ぬか雨が降る西沢渓谷に10時半頃出発。

より大きな地図で 西沢渓谷 を表示

上記地図の青いマークの部分をクリックしてもらうとそれぞれの場所の写真を見ることができる。グーグルのマイマップに写真をリンクさせたのだが、まだ不慣れなので見栄えはよくないかもしれないが御容赦ください。

綺麗な景色は普通の写真で紹介しよう。

写真は竜神の滝。中流部で釜が美しい滝だ。

送信者 2010西沢渓谷

西沢渓谷遊歩道の最後を飾るのが七つ釜五段の滝だ。上の写真が下部の滝、下の写真が上部の滝である。

送信者 2010西沢渓谷
送信者 2010西沢渓谷

滝壺の脇に数名の人が見える。彼等(+彼女等)はライフジャケットを着て滝の上から釜に飛び込んで遊んでいた。すれ違い時に見ると外人が目立った。冒険好きな連中である。

七つ釜の上から10分程で林道に出た。ここが終点。ここからは軌道跡が時々残る林道をだらだらと下る。バス停に戻ったのは午後2時前。大体3時間半でラウンドしたことになる。ここから5人で一台のタクシーに乗り、恵林寺付近の「はやぶさの湯」に向かった。タクシー代は迎車料金込みで5,600円程度。はやぶさの湯は硫黄の臭いのする(ただし白濁はしていない)ぬめりのある良い湯だった。

小雨で濡れた体を洗い流した後のビールは美味かった。梅雨時の渓谷歩きは悪いものではない。

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米国の住宅市場は二番底を示唆する

2010年06月25日 | 金融

エコノミスト誌はDouble-dip dramaというタイトルで米国住宅市場の回復の遅さが二番底のリスクを想起させていると報じていた。

ケース・シラー指数は昨年の底から5ヶ月上昇したものの、その後半年間は下落を続けている。5月の新規住宅販売数は4月に較べて33%の減少。これは住宅バブル崩壊後最悪の下落幅に近い。

これに対し政府は、デフォルトを避けるため銀行に対して返済が困難な住宅ローン借入について条件変更することを後押ししている。また連銀は住宅ローン証券を購入することで金利の引き下げを図っているし、議会は新規物件取得者に税金優遇措置を講じている。

だが期待した効果は上がっていない。住宅ローンの条件変更について、インセンティブはあるものの銀行は実施を見合わせている。それは余りにも多くの借入人が後でデフォルトを起こすからである。政府の計画では3百万から4百万件のローンが条件緩和される予定だったが、実際にはその1割程度の40万件程度が実施されたに過ぎない。

問題はネガティブ・エクイティ(住宅価格が住宅ローン借入額を下回っている状態)であるとエコノミスト誌は指摘する。ネガティブ・エクイティの場合、失業した債務者にはデフォルト以外の選択肢はない。また実際には払うことができても、ネガティブ・エクイティの場合、ローン弁済を続けずに自宅から退去する人の数が増えている(米国の場合、住宅ローンは事実上ノンリコースなので、自宅を代物弁済すると残債務を帳消しにできる場合が多い)。

これらの結果担保流れ住宅が確実に増えている。過去15ヶ月間毎月15万件以上のペースで担保流れ住宅が出ていて、これを処分して正常状態に戻るのに8年以上かかると推測する人がいる。

エコノミスト誌は「持続的な住宅市場の改善は金利水準などより雇用の伸びに依存する割合がはるかに大きい」ことをハーバード大学の新しい研究が示したと報じている。

☆  ☆  ☆

日本でも金融円滑化法の施行により住宅ローンの返済条件緩和の申し込みは増えている。私の前の同僚で返済緩和の窓口を担当している人の話によると、申し込みについて極力応じる方針で対応(金利を減免せずに返済額を抑制するため、返済期限が長くなるケースが大半のようだ)ということだった。

日本でもネガティブ・エクイティの状態に陥っている人は多いと思うが、住宅ローンがノンリコースでない日本の場合、それが理由でデフォルトや代物弁済が急増することはない。このことは金融業の業績安定には貢献しているが、ネガティブ・エクイティの状態では住宅の買換えが進まず、住宅市場が低迷するという点では米国と同様だ。

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菅内閣、奇兵隊かどうかは別として長州的ではある

2010年06月25日 | 政治

昨日(6月24日)に参院選が公示された。山口県出身の菅首相は自ら新内閣を奇兵隊内閣と名付けて「草の根」性をアピールしている。これに対し私は「奇兵隊であるかどうかは別として菅内閣は長州的ではある」と感じている。

何故長州的か?というと、幕末から明治初期にかけて薩摩藩とともに雄藩の代表となった長州の運動パターンと今の民主党にある共通性を見出すからである。

長州藩というと尊皇攘夷のイメージが強いが、それは比較的短い期間の話で、最初藩論をリードしたのは長井雅楽(うた)の「航海遠略策」という「開国」「公武一体」論だ。ところが徹底した攘夷論者である吉田松陰の門下生達が長井路線を転換して、強烈な尊皇攘夷運動に走った。そして攘夷を決行した結果、下関戦争が起こり、長州は英米仏蘭四国艦隊に敗北。一時俗論党が支配するが、高杉晋作等松陰門下生が政権を取り、倒幕のイニシアチブを取り、薩摩とともに倒幕の原動力になった。その間指導者層は「攘夷」論から「開国」論に宗旨替えを行った・・・・。幕末における長州の動きはざっとこんなところだろう。

さて菅民主党政権である。民主党は昨年の総選挙で政権交代と社会福祉の大盤振る舞いを旗印にして自民党の大勝したが、菅政権は財政健全化を最優先に掲げ、前回マニフェストで掲げた社会福祉の一部見直しに言及している。

参院選の最大の論点は消費税引き上げに移りつつある。もっともこの1年の間にギリシア等南欧諸国の国債危機の顕在化という大きな出来事があったので、民主党が政策目標のプライオリティを変化させたこと自体は正しい判断だと私は評価している。

自民党政権が半世紀以上政権の座を保つことができた理由は「複数の政治目標を持ち、時々にそのプライオリティを変えることで状況の変化に対応してきた」という面と「指導部の安定性」にあったと考えられる。

話を明治維新の長州に戻すと「政治目標の現実性」という点では、長州は薩摩に明らかに劣後していた。しかし指導部の安定性~松陰門下が一貫して指導層を構成した~という点では薩摩藩と並んで他の藩(土佐藩など)よりはるかに優れていた。

指導層が安定しているということは、指導者が政治目標を変えることをフォロワーが承認することを意味している。民主党政権が長く続くかどうかは指導層の政治目標の変更に対して、国民がどれほど納得するかにかかっているだろう。つまり国民が政治目標の一貫性より遂行能力に重点を置くかどうかが決め手になる。

ところで明治維新で官軍の一部を構成した奇兵隊であるが、鎮台の設立を持って廃止された。これに反発した不満分子の一部が反乱を起こすが、長州グループの中心人物である木戸孝允の手で討伐される。

木戸は伊藤博文宛の手紙の中で「兵隊の驕慢はあたかも病後の薬毒の如し」(「明治維新 1858-1881。講談社現代新書より引用)と述べている。

私は菅首相がこの結末まで踏まえて「奇兵隊内閣」と名乗ったかどうかは知らないが、明治維新で革命軍的役割を果たした奇兵隊が新政権にとって強烈な副作用を持つ薬毒となったということは何事かを示唆していると思われる。

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中が明るい色のビジネスバッグに買い替えた

2010年06月24日 | うんちく・小ネタ

少し前から10年程前から使っているナイロン製のビジネスバッグにフラストレーションが溜まっていた。このバッグ某メーカー製でそれなりの値段がしたのだが、大きな欠点があった。いやその頃作られたこの手のバッグは皆同じ欠点を持っているだろう。

それは何か?というとバッグの内側が黒いということだ。最近特にスマートフォンの本題や付属部品(USBコード、イヤーフォンなど)をバッグの中に入れることが増えたが、これらは黒いのでかばんの中で「闇夜のカラス」状態になってしまう。

そこでバッグの中が白など明るい色のナイロンバッグを物色していたが、中々気に入ったものがなかった。今日たまたま立川に行った時、見つけたのが写真のバッグだ。

20100624_2041143_2

これはACE製のバッグで中はご覧の通り明るい水色でイヤーフォンのコードがくっきり識別できる。値段は1.2万円程。グリップの部分が合成樹脂だとかポケットが多過ぎるなどという不満は残るが、内側の明るさに惹かれて買い替えることにした。

これまで使っていたナイロンのビジネスバッグには10年お世話になった。今日買ったバッグにはどんなに長くても10年仕事でお世話になることはない・・・・と思ったのでビジネスユースなのだけれど、フィットネスクラブのウエアなどが収納できるビジネス・オフ兼用に近いものを選んだ(例えば外側の色は黒ではなくグレーにした)。

それにしても「バッグの内側が明るい色のバッグ」というのはユーザの需要は高いと思うのだけれど、商品数は少ないものである。

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米国の一番長い戦争、司令官問題で再注目

2010年06月23日 | 国際・政治

アフガニスタン駐留米軍のマクリスタル司令官が雑誌ローリングストーンでオバマ政権を痛烈に批判したことに対し、オバマ大統領が怒り、同司令官をホワイトハウスに呼ぶというニュースは今日の日経新聞にも出ていた。当然米紙はこのニュースで持ち切り。

ところでアフガニスタン紛争は今月7日にベトナム戦争を抜いて米国が経験した一番長い戦争になった。ところがPew Reseachによると、国民の関心が低下していて今年初めから6月初旬までにメディアがアフガンに関するニュースを流した割合は2・8%に低下していた。

Pewがこの数字をHPに発表したのは2日前のことだ。これから暫くマクリスタル司令官問題でメディアのカバー率は急上昇するだろう。

6月に入ってアフガンの状況はかなり厳しくなりNATOの兵士29名が攻撃を受け10名が死亡した。マクリスタル司令官問題は米国民の耳目を集めるだけでなく、NATO諸国でもアフガン問題が注目を集めるだろう。

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