金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

新緑の三国山

2014年05月12日 | 

昨日(5月11日)三国峠から三国山(1,636M)を往復した。某ロータリークラブ・トレッキング同好会の有志メンバーによる登山にお供をしたのである。

午前9時頃前泊した猿ヶ京温泉のT氏別荘をレンタカーで出発。車の少ない三国街道(国道17号)を快適に走って15分位で三国トンネルを越え、登山口の駐車場に着いた。

三国峠には新潟側と群馬側の登山口があるが、新潟側の方が駐車スペースが大きくかつ登山道の傾斜が緩いのでこちらがお薦めである。

またこの時期であれば、苗場山などの残雪の景色を楽しむことができるのも新潟側のルートだ。

9時22分駐車場を出て沢沿いの道を登り始める。飲み過ぎてヘロヘロの体に朝の爽やかな風が心地よい。

途中小さな残雪が一ヶ所あった。

Uptopass

三国岳にいたるルート上で残雪があったのはここと三国峠だけだった。10時22分三国峠着。11時28分三国山山頂到着。山頂手前で猿ヶ京の赤谷湖が見えた。

Mikunipeak

三国山への道は少し急な登りで木道が続いている。

Down

山肌が岩のくずで覆われ大きな木は生えず、灌木や笹が目立っている。このような地形は北方の平標山も同じだ。ただし登山道の整備は平標山の方が行き届いている。三国山の木道は所々斜めに傾いているところがあり少し歩きにくいところがあった。

しかし三国山は標高1600mの山ながら高山気分を味わうことのできる良い山である。

降りになって漸く前日の酒が抜けてきた。11時57分三国峠着。ここでラーメンを作りゆっくりと昼食。12時44分出発。13時13分には車に戻った。

Mikunitouge

 

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アベノミクスの次はウーマノミクス?

2014年05月10日 | うんちく・小ネタ

投資銀行マンの重要な能力の一つは投資テーマにうまい愛称をつけることだろう。CNBCによると、ゴールドマンザックスは先週「女性の労働参加率(女性労働力率)向上が経済成長のドライバーになる」というレポートを発表した。ウーマノミクスは新しい経済成長のバズーカ砲になるか?というのがCNBCのタイトルだった。

レポートによると、高齢人口が4割を占めることで日本の総人口は2060年までに3割減少する。その穴埋めには女性の労働力の活用が不可欠というのがゴールドマンの主張で、もし女性の労働参加率が男性並みの80.6%に達すれば、GDPは12.5%拡大すると同社は推測している。

女性の労働参加でGDPが拡大すると、女性の収入向上で購買力が拡大するからだ。

ちなみに独立行政法人 労働政策研究・研修機構の資料を見ると、20-24歳の労働参加率を見ると、日本の参加率は7割程度でアメリカ・ドイツ・スウェーデン等とほぼ同一レベルである。労働参加率は25-29歳にかけて上昇し、日本では77%に達する。この年齢階層ではスウェーデンの労働参加率が少し高いが大きな差ではない。

欧米先進国と比較した場合の大きな違いはその次の年齢階層で顕著になる。つまり結婚・出産・育児が重なる30代になると日本では女性の労働参加率が一度低下する(30-34歳で67.8%、35-39歳で66.2% 2010年度)。

40代になると労働参加率が回復するのでM字状のカーブが形成されるが、他の国ではこのようなカーブは見られない。なお研究・研修機構のレポートによると「M字カーブはアメリカや欧州でも1970年代には見られた現象」である。つまりこの問題については日本は欧米より3-40年遅れていると考えてよいだろう。

女性の労働参加率をこれ以上高めることができるかどうかの最大のカギは出産・育児で離職する女性をどれだけ減らすことができるかどうかという国・自治体・企業・家庭の努力にかかっている。

次の問題は女性が単純労働のようなローエンドの職種にとどまることなく、管理職や経営職のようなハイエンドのポジションに到達できるかどうかという点だろう。

ゴールドマンによると、女性管理職が多い企業(上位4分の1)の過去3年のROEは平均より10%高く、女性管理職が少ない企業(最下位の4分の1)ではROEは低いかマイナスだった。

私見を述べれば、女性管理職の割合とROEの間には「因果関係」ではなく単なる「相関関係」があるだけかもしれない。つまり女性が管理職として進出しやすい企業は、インターナショナルで、ハードウエアよりはソフトウエア的で、おしゃれで・・・などと現在の日本でROEが高くなる傾向がある会社が多いということだ。

一方男性管理職がはばをきかす会社は、ドメスティックで、ハードウエア的で、泥臭い・・・のでもともとROEが低いとも考えられる。

とはいえ女性に優しい会社は恐らく環境保全にも配慮しているはずだ。

投資の観点からは、女性の活用などSocialな面、環境保護意識Environment、企業統治Governanceに注目したESG投資(銘柄)という考え方がある。このような会社の株を買うということもウーマノミクス推進の一助かもしれない。

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日本株に大反発はあるのか?

2014年05月09日 | 金融

今週水曜日(5月7日)に400円以上暴落した日経平均は昨日(5月8日)は130円ほど値を戻したが足取りは弱い。日経平均の下落率は年初来13%で世界の主要株式市場の中でダントツに悪いパフォーマンスだ。「谷深ければ山高し」というが、日本株に大反発はあるのだろうか?

単なる株屋さんの話なら、株を売らんがためのトークに過ぎないが、CNBCがリサーチハウスのCapital Economics等のビューを紹介していたので、少し耳を傾けても良いだろう。

Capital Economicsは水曜日にシンガポールで行われたカンファレンスで「日本株は日銀による追加的な金融緩和の可能性を考慮すれば先行きは明るい」と述べている。同社の予想では日経平均は現在の14,093円(記事の数字を引用)から、2015年3月までに2割上昇して17,000円になると予想し、更に2016年3月までには18,500円に届くのではないか?と期待している。

4月の消費税引き上げの影響や構造改革に対する見通しがはっきりしないことで、投資家の中にはアベノミクスに対する信頼を失いつつある連中がいる。Capital Economicsも同じ懸念を頂きながらも、日銀のさらなる金融緩和策が行われると日本株は上昇すると予想している。同社は大規模な金融緩和が実施されると今年年末までに円は120円(対米ドル)まで下落するだろうと予想する。

問題は日銀が追加緩和を行うかどうかだ。

Capital Economicsのエコノミストは日銀のインフレ見通しは楽観的過ぎるという。日銀はコア消費者物価指数は2014/15で1.3%、2015/16で1.9%上昇すると予想するが、Capitalは「消費税引き上げのインパクトを除くと今年度の物価上昇率は1.1%にとどまる」と述べ、この見解に立つと追加的な金融緩和が必要になると結論付けている。

またCapitalは日本株を上昇させる2番目のファクターは原発の再開だ、と指摘する。

日本株に強気な見通しを持っているのはCapital Economicsだけではない。Rogers Investment AdvisorsのRogers氏も強気の見方をしている。

私見を述べれば恐らく今日本株を売りに回っている人でも「企業業績が好調なこと、賃金が改善していること、消費税引き上げの顕著な悪影響がでていないこと」には同意するだろう。

では何故売りに回るのか?それは恐らく日銀がインフレ率や景気の見通しについて強気の見通しを持っていてすぐに追加的な金融緩和に踏み切らないので日本株はもう少し下落すると判断しているからだ。

年末に決算を迎えるヘッジファンドとしては、日本株が年の半ば頃大幅に下落したところで買い戻し、年末に高くなっていれば利益がでるという目論見もあるのかもしれない。

Rogers氏は大反発をする前に、日本株は更に5-10%下落する可能性があると述べている。というような話を聞くと投資家は買い控えるえるから日銀の金融緩和の声を聞くまで日本株に反発はないということだろうか?

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Shower climbingは和製英語ですか?

2014年05月08日 | 

先日後輩のYさんが、四国の常滑渓谷でキャニオニングを楽しんでいる写真にコメントしたら、Yさんから「Shower Climbingは和製英語ですか?」という質問がきたので、今日はその件を少し考察してみたい。

ところで10歳ほど年下のYさんは私の大学山岳部の後輩で、会社の後輩でもある(正確にいうとそれぞれ違う銀行に働いていたが合併して今は同じ銀行になっている)。また年金基金等が運用する有価証券資産の管理を行うという業務を通じて一緒に働いたこともあるので、誠に因縁浅からざる山仲間である。

さてShower climbingとは何か?というと「沢登り」で滝の水が落下する中を登ることを指す。ただし英々辞書や検索サイトで調べても出てこない(沢登りを英語で説明したサイトにはあったが)ので、和製の言葉だろう。

このことは後述するとしてまず沢登りについて説明しよう。沢登りとは山から流れる渓流にそって道のないところを歩き、時には泳ぎながら登っていく登山の一手法である。下の写真は谷川岳の隣の西黒沢を登っているところの写真だが、このようなところを登っていく訳だ。

Sawa1_2

Shower climbingというのは、滝の飛沫の中を登るものだ。

Fall

写真はナルミズ沢の魚留の滝(イワナはこの滝を登れないのでこれより上流に魚はいない)を登っているもので、水の流れを避けて右側(左岸という)を登っているが、もし左側のシャワーの中を登ると完全はShower climbingになる。しかし落ちてくる滝の水をまともに浴びながら登るのは、辛いし危険なので、通常は避けることができるなら飛沫の緩いところをルートに取っている(ものすごく暑い日に冷却のためShower climbingをすることはあるが)。

次に和製英語について考えてみると私は二つのパターンがあると思っている。一つは日本人が勝手に使っている単語の組み合わせで英米人には通じないものだ。例としてはガソリンスタンドだ。これは米語ではGas stationと言わないと通じない。

もう一つは英米に概念そのものがないので、日本人が造語したというものだ。私が調べた限りではShower climbingは後者である。

どういうことか?というと米国では「沢登り」は一般的でなく「沢下り」が一般的なのである。日本では下流から遡るが米国では上流からライフジャケットを着て、滝壺に飛び込んだり、危険な場所ではロープにぶら下がって降りる(懸垂下降という)というのが一般的。

これをキャニオニングcanyoning(英語)、米語ではcanyoneeringという。ちなみに日本のように「沢を登る」方はriver tracingというようだ。

沢を登るか降るかの違いはあるが、両方ともriver trekkingのサブカテゴリーだ。このriver trekkingあるいはキャニオニングは世界的に大流行りになっている。それは何故かというと、キャニオニングが数少ない本当のスポーツだからである。

アーネスト・ヘミングウエイはAuto racing,bull fighting,mountain climbing and canyoneering are the only real sports......all others are gamesと書いている。

つまりキャニオニング~沢を登るにしろ下るにしろ~は、闘牛や登山と並んで本当の(つまり命がけの)スポーツで、他のスポーツのようなゲームではないということだ。

楽しい遊びだがくれぐれもご用心あれ。

さて上記のようなことを踏まえて、shower climbingが和製英語か?どうかというと、日本製かもしれないが、Shower climbing of waterfallsと言えば完璧に通じると私は思っている。

もっとも言葉はどんどん変化している。過労死のように有難くない言葉が英語になったように、世界中で日本風の「沢登り」とShower climbingが盛んになればShower climbingだけで立派な英語になる日が来ると私は思っている。

 

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増えるだろうか?自動車税のクレジット払い

2014年05月07日 | うんちく・小ネタ

5月は自動車税の納税季節。GWに木曽方面に車で出かけ、戻りの中央道で渋滞に巻き込まれ、疲れて帰宅すると納付書が届いていた。

さて今年の東京都の納税通知書には「クレジットカードでも納付できます」というチラシが入っていた。ただしクレジットカード払いは1件324円の手数料がかかる。

これは普通車の納税額の1%弱なので、1%以上のポイント還元を行っているクレジットカードで支払えば、獲得ポイントを考えると若干プラスになるという計算はなりたつ。

しかし貯まったポイントを無駄なく利用するという保証はないので、私はクレジットカード払いを行わず例年通りペイジーで支払うことにした。

皆さんはクレジットカード払いを利用されますか?

支払方法が多様化しているのは、納税者には便利なのだが、チャンネルの多様化で都庁側の管理コストが上昇するということはないのだろうか?と気にならないでもない。管理コストが増えると結局納税者にしわ寄せがくるからだ。

むしろどこかのチャンネル(金融機関だとかクレジットカードなど)に支払を誘導するようなインセンティブをつけて、都税事務所等の事務負担を軽減するというのが総合的にはコストダウンする方法ではないだろうか?

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