金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

GWは木曽路で雪山遊び(2)~恵那山スノーハイク

2014年05月06日 | 

5月3日御嶽山スキー登山後、Nさんを木曽福島駅に送った後、車を馬篭宿に向けた。19号(中仙道)は信号が少なく交通量もそれほど多くないので、1時間ほどで馬篭宿に到着。

宿場の入り口にほど近い民宿「白木屋」に名古屋組5名、東京組2名が勢ぞろい。その中の一名は「山には登らないけれど、飯田の別荘に連泊中だが飽きてきたので一晩一緒に飲み明かす」という本当に付き合いの良い方だ。

Shirakiya

5月4日(日曜日)白木屋さんは何と5時半に朝食を用意してくれた。普通民宿の朝食は7時ごろだからこれは山屋には助かるサービスだ。白木屋さんの一泊二食の宿泊料は7千円で食事はそれなり以上に良かった、と私は思う。

馬篭から中津川ICに行き恵那山トンネルを超えて園原ICで下車。ここから広河原の登山口に向かう途中の月川温泉は花桃が咲き乱れまことにきれいだ(だがすごい人出で帰路は大渋滞に巻き込まれた)。

広河原登山口の駐車場には数十台の車が既に停まっていた。7時25分登山開始。最初は谷川の左岸の舗装された林道を歩いていく(許可された車以外は進入禁止)。約30分で川にかかる橋を渡った。ここで小休止を取っていた時、ちょっとしたハプニングが発生。それは100mほど先の対岸の斜面をノソノソと歩いていく黒い動物がいるな?カモシカかな?と思ったが何と熊だった。大勢の登山客が入っているルートだがいるところにはいるものである。もっとも広河原登山道は比較的新しく整備された登山道なので熊の方が縄張りを荒らされたと怒っているのかもそれないが。

熊騒動も落ち着いたので8時4分いよいよ本格的な登り開始。このルートは尾根に出るまでの登りが急だ。1時間半ほどカラマツなどの樹林帯を歩いて残雪の残った尾根にでると素晴らしい眺望が待っていた。

Akaisi_2

正面に見えるのは赤石岳(中央)と聖岳(右)だ。この地点の標高は1,730m時刻は9時半だ。無雪期にこのルートを歩いたことのあるKさん・Sさんは「夏道は尾根の上でなく、北側の林の中なので眺望はなかった」と言っていた。この眺望を楽しむためにも恵那山は残雪期に登る山だ、と断言しても良いだろう。

Chuuoualps

更に登ると視界はますます広がり、中央アルプス、昨日登った御嶽山はいうまでもなく、穂高連峰も見えてきた。ここから上は一部雪が切れてぬかるんだところもあるが、概ね残雪を踏んで頂上まで登ることができる。

6名の仲間の内、1名がアイゼンを着けたが後の人はツボ足で歩いた。登りはツボ足で問題はないだろう、と私は思う。

11時12分恵那山山頂の標識に到着。

Peakena

「恵那山山頂の標識」と書いたがその理由は2メートルほど高い「山頂」が北方にあるらしい。その最高点を求めて北に歩いてみたが、頂上との間に4,50メートルの段差がある。つまり真の頂上を求めて一度ピークを降りるとまた登って帰る必要があるのだ。

メンバーの大方がここで良いでしょう、と判断したので昼食。12時12分に標識の前で集合写真を撮ってその後はいよいよ下山だ。

Onekudari

 

 

 

下りの尾根道も気持ちが良い。私以外の人は下りにアイゼンを着けた。私がアイゼンを着けない理由は雪の心をそのままとらえたいからである。柔らかな雪に体重をそのまま預けて、その体重が真っ直ぐ雪に乗っていると雪は必ず受け止めてくれる。しかし少しでもずれていると雪は手厳しくはね飛ばすことがある。

雪はクライマーにとって永遠の教師である。

「enamap.oxps」をダウンロード

雪が消えて1時間ほど急斜面を降ると大きな河原にでて、朝渡った橋を渡り返し、恵那山登山は終わった。14時31分駐車場到着。半分以上の車が消えていた。

この夜は私は南木曽の民宿泊まり。翌日の天気が良ければ蘭キャンプ場から南木曽岳を往復する予定である。

★  ★  ★

恵那山は良い山だ、と思った。深田百名山の中には頂上からの展望が良くない山が2,3ある。恵那山もその一つだ。しかし頂上は眺望に恵まれていないが、頂上に至る尾根筋には絶景ポイントがいくつかあった。

重ねて言うが恵那山は残雪期に登るのが良い山である。

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GWは木曽路で雪山遊び(1)~御嶽山スキー滑降

2014年05月05日 | 

今年(2014年)のゴールデンウイークは御嶽山スキー登山と恵那山ハイキングと決まった。持参道具が多いのでマイカーの旅である。5月2日(金曜日)に大学山岳会のNさんを吉祥寺で午前6時半にピックアップして、おんたけ2240スキー場に到着したのが午前11時だった。途中この日泊まるおんたけ休暇村セントラルロッジ(スキー場の手前車で5分)に立ち寄り、リフトの割引券を貰った(シニア1日券が2,300円)。

2日の日はおんたけ2240スキー場で今シーズン最後のゲレンデスキーを楽しんだ。ざらざらした雪で足にこたえる雪だった。多くのスキーヤーはコブ斜面を滑っていた。シーズン最後までスキーに来るというのはかなりの好きもので、さすがに上手い人が多かった。スキー場から御嶽山を眺めると明日滑る予定の斜面を何人かの登山者が登っていた。結構高いなぁ、と感じた。

3日(晴)8時15分から動き始めたゴンドラに乗り、スキー場のトップ(三笠山)へ。

Cablecar

ここからスキーを履いて田ノ原に向かってパノラマコースを少し滑って登山口に着いた。

シールとスキーアイゼンを装着して歩き始めたのが午前8時53分。同じようないでたちをした山スキーヤーやアイゼン・ピッケルで身を固めた登山者が次々と雪道を歩いていく。

ルートは 7合目と8合目の間、標高では2,380m位まで夏道をたどるがやや傾斜がおちたところから左手の沢に入っていく(9時43分)。雪の斜面の登りルートは人それぞれだ。アイゼンで直登する人もいれば私のように比較的斜度の緩いシール登行でゆっくり登る人もいる。

Ontakemap

 

上の写真はGPSの軌跡を地図に落とし込んだもので、赤線が私の登行ルートで青線がスキー滑走ルートである。

11時52分王滝山頂(2936m)到着。登り口から3時間かかった。自宅に帰ってから数年前の夏に登った記録を見てみると2時間半で王滝頂上まで登っていた。御嶽山の上部は傾斜が30度近いのでシール登行は無雪期登山より時間がかかるようだ。

神社の石垣の中で強い風を避けながらシールを外して山頂(剣ヶ峰)を目指してアイゼンを着装する。しかしちょっと石垣が外に出ると剣ヶ峰は雲の中で眺望はなく、強い風が往復1時間のアイゼン登山の意欲を萎えさせた。

Peak

今回の登山の目的はスキーのできる頂上からの滑降なのであっさり最高峰往復はやめて滑降に入った。スタート点は王滝山頂の南側10mほどのところだ。標高差600mほどの素晴らしい雪の斜面が待っている。頂上直下の傾斜は28度ほど。雪が柔らかいので危険は感じないが中々高度感はある。12時35分滑降開始。

5分ほどで滑って真ん中の小さなハイマツのインゼル(島)で立ち止まり滑降の写真撮影。

Ski1

Ski3

Ski4

この斜面は登りルートよりも南側で大きく開けていて気持ちが良い。ただし真っ直ぐ降ってしまうと田ノ原の登山口に戻れないので、八合目付近(標高2,550m)から左滑って夏道のある尾根に戻る。なおその後尾根の北側の小さな沢に入ると150mほど滑ることができるが、そこから先はしばらく樹林帯になってスキーには不向きだ。

7合目を過ぎると林の中の緩い一本道をトロトロと滑りスタート点に戻ってきた。時刻は13時20分。登り3時間下り45分だった。

Owner

田ノ原は温かいが御嶽山山頂は雲に覆われ強い風が吹いているようだ。

スキー場を滑ってゴンドラ乗り口(駐車場)についたのが13時44分だった。

★   ★   ★

昨年の同じ頃乗鞍岳をスキー登山し、頂上から滑降した時「次は御嶽山」と思っていた目標を達成できた。乗鞍岳に較べると御嶽山の方が登り・下りとも少しスケールが大きいようだ。

今回頂上から滑っている人を見るとスキーの上手な人が多いと感じた。以前はあまりスキーが上手でない山派系の人が尻皮などを着けてボーゲンで滑るのが山スキーの相場だったが、今はビシッビシッと力強いパラレルターンで飛ぶように大斜面を滑る上級スキーヤーが増えている。3千メートルの高峰も山屋の領域からバックカントリースキーヤーの領域に移ったのだろうか?

「ontake.oxps」をダウンロード

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退屈なことは素晴らしい、少なくとも連銀と株には

2014年05月01日 | 株式

一般に「退屈なことは素晴らしい」とは思わないが、昨日(4月30日)に限れば、

For the Fed and the markets, boring is beautifulだったとCNBCのニュースタイトルは告げている。

朝方発表された米国の第一四半期GDP成長率はたった0.1%だった。朝方株価は下げ基調だったが、連銀は予想されていたとおり、毎月の債券購入額を100億ドル減らして450億ドルにするという声明の中で「第一四半期の低い経済成長率は冬の悪天候のため」と明言したので、株式市場は今年後半の経済成長を期待して買い上がった。

ダウは終値で16.580.84と高値を更新した。

さて冒頭で一般に「退屈なことは素晴らしい」とは思わない、と書いたが何故そうなのか?と考えると、人間の脳は「何の刺激もない状態より刺激のある状態つまりリスクを好む傾向がある」という最近の脳科学の研究成果が参考になる。

平たくいうと適度にストレスがかかっている方がやる気がでるように脳はプログラムされている、という。

その理由を私なりに考えるとそれは「困難に挑戦しそれを達成することで快楽物質であるドーパミンがでて、気持ちよくなるという仕組みを人間(および他の生物にも)に神が与えたのは、環境変化に適合していくためだ」ということになる。

だから一般に人は平穏無事より波乱万丈を好む傾向がある(個々人で差はあるが)。

だから投資の世界では、退屈なパッシブ投資よりもアクティブ投資の方が儲かるチャンスが多いと考えてバタバタと動き回ることが多いのである。だが投資の世界では往々にしてパッシブ投資の方が高いパフォーマンスを上げることが多い。

投資の難しさは「リスクを取ることが好き」という脳の本能を押さえて、退屈さに耐えることなのかもしれない。

連銀の金融政策のかじ取りもまた然りで、市場を驚かせず淡々とときに退屈とみえる政策を進めることが大事、ということなのだろう。

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