金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

年金未支給額を試算してみた

2007年06月06日 | うんちく・小ネタ

今日(6月6日)の日経新聞朝刊に共産党の小池議員が対象者が分からない年金の支給推計額が3兆円に達するという試算を明らかにしたと書いてあった。興味があったのでその推計を検証してみた。

その方法として私のワイフの国民年金をベースに計算する。ワイフは結婚後約10年間国民年金に任意加入していた。この時の支払保険料が正しく記録されていないとしよう。(実際は記録されていると思う)

保険料は3ヵ月分まとめて支払っていたので10年間で40回の支払いがあったことになる。一月あたりの保険料は丸めて4,000円とした。運用利回りを当時の企業年金の予定利率5.5%で計算すると、10年間の積立元利合計は約61.8万円になる。(詳しくいうと年1回後払いの複利計算による元利合計)

この61.8万円を年金支給開始まで30年間5.5%で運用すると308万円になる。これが年金の支給原資になる。

ところで特定できない年金保険料の納付記録5千万件をワイフの支払回数40回で割ると125万という数字がでる。無論これは総ての未納者がワイフと同じパターンと過程した場合全未納者数は125万人になるということに過ぎない。

次にワイフの場合の支給原資308万円に125万人をかけると3.85兆円という数字がでる。私の試算は非常にラフな試算であるが、共産党の試算がほぼ妥当だということが分かった。

それにしても複利運用の力は強いものだということが改めて分かる次第だ。

ところで次なる疑問は5千万件の対象者の分からない年金記録を照合するのにどの程度のコストがかかるか?ということである。機会があればこちらも検証してみよう。

コメント
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