今週のエコノミスト誌はアジア投資を推奨している。ポイントを紹介しよう。
- 新興国の株式はリスクが高いという概念は時代遅れに見える。今やファンダメンタル的に見て、議論の余地はあるが、アジア株は多くの米国株よりリスクが少ない。外人が買うことが出来る中国株を含めて、ここ数年アジア株は上昇しているがドルベースで見て大部分のマーケットは90年代中頃よりまだ低い。
- アジアの株価収益率は過去20年間の平均や米国より低い。2003年から始まった強気相場で新興アジア株はドルベースで210%上昇したが、これはラテンアメリカの440%よりも低い。IMFによると向こう5年間のアジアの成長見込みは8%で、ラテンアメリカの4%をはるかに上回る。
- 大部分のアジア経済は過去に比べて資本流出により傷つきにくくなっている。これは経常収支が黒字で大きな外貨準備を有しいるからだ。またアジアは数少ない住宅バブルを経験していない地域である。
ここでエコノミスト誌はインドは例外だという。インドは住宅バブルを経験しているし、経常赤字だ。また大部分の指標からインド株は歴史的に見て、あるいは他のアジア株に比べて割高だという。
- 誰もアジアが米国の景気後退から無傷でいられるとは考えてない。しかしアジア経済は米国への依存度合いを過去に比べると減らし、内需依存度合いが高まっている。もし輸出が急落しても政府は財布のひもを緩め、内需を喚起する財政余力を持っている。
そして最後に最近アジア株を投売りした投資家は1年経つと嘆いているかもしれない。もっとも彼等の内の多くは同じ考え方でサブプライムローンに飛び込んだのだが、とエコノミスト誌は結論付けている。
何ともアジア株に対する強い推薦である。数年前私はエコノミスト誌の有名な記事「日は又昇る」(日本は復活する)を読んで、日本株投資を増やした経験がある。もっともその時の儲けはどこかに行ってしまったが。
そこで今回はこの下げ相場を奇貨としてアジア株投信を買ってみた。私は手数料の高いアクティブ投信は一般には余り薦めないが、小額の資金でアジア株全体に分散投資を行うことは不可能なのでこのような場合は投信が有効だ。
それにしても欧米人というのはタフな連中である。転んでもただでは起きないどころか、転んだところで金でも拾おうとしている。サブプライム危機で混乱して濁流逆巻く世界の市場の中で金の卵を拾おうとしているのだから大変な連中である。