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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

財布出てくる

2007年08月20日 | うんちく・小ネタ

8月上旬に山手線でかばんを置き引きされたことがあった。その後かばんは出てきたが財布は抜き取られていた。その財布が発見されたという通知が先週警視庁の遺失物センター(飯田橋)から葉書で届いた。JR山手線の遺失物は警視庁の遺失物センターに集まる仕組みになっている。

今日の昼暑い中を飯田橋まで出かけ財布を受け取る。使い込んだバーバリーの茶色い革の財布である。係官が少し申し訳なさそうな顔をしてトレーの中に小銭を置いた。「137円ありますが・・・・」。予想していたことだけれど、数枚の万札はなくなっていた。しかし運転免許証からクレジットカード、スイカにいたるまでカード類は総てそのまま入っていた。想像するに財布を盗った人はお札だけ抜き取り、財布をどこかの駅か電車の中に捨てたのだろう。

会社に戻ってバーバリーの財布の中をよく見ると、月山神社と神田明神の御札が出てきた。現金はなくなったが保険でカバーされるので実損は「運転免許証とカード再発行代」だ。何よりも使い慣れた財布が戻ってきたことがうれしい。財布が戻ったのは両神社のご利益かもしれない。私は二つの御札の皺を伸ばし、新しく買ったポール・スチュアートの財布に入れた。「次も助けてくださいね」と祈りながら。

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宴の後始末は規制強化で

2007年08月20日 | 金融

サブプライムローンの問題が今後金融業に与える影響を考えてみよう。まず米国の当局が住宅ローンの組成について規制強化に動くということだ。少し前まで住宅ローンは貯蓄機関によってのみ実行されていた。銀行を含む貯蓄機関は連邦機関(連銀・預金保険機構等)や州政府により監督されていたので、住宅ローンの融資基準が厳格だった。ところが非貯蓄機関が住宅ローンを実行後、証券化して丸ごと市場に売却することで、信用リスクをとらなくなったことに今回の問題の火元がある。

既にいくつかの州では住宅ローンに対する規制強化に動き出しているが、動いていない州もある。今後連邦議会レベルで規制強化の動きがでるだろう。

債務不履行になったサブプライムローンについては、融資申込み時点の詐欺や不適切な情報提供が多いことが知られている。従って住宅ローンの融資基準の強化見直しとともに、貸付プロセスでのルール遵守にも焦点があたるだろう。

次に格付機関に対する欧米の中央銀行や政府の監督強化が行われる。今回のサブプライムローン問題がここまで拡大した理由は格付機関が、問題含みの資産担保証券の格付の引き下げ見直しが遅れたことにあると批判する人が多い。これについて私は少し異なる見解を持っている。つまり非常に複雑な資産担保有価証券の格付をタイムリーに見直すことは困難であり、極論するとストラクチャーが複雑すぎるものは格付付与になじまないのではないか?というのが私見である。

ヘッジファンドに対する規制強化も問題になるだろう。これについては立法処置とは別にファンドに対する金融機関の与信基準の強化が求められる。

ドイツではザクセン銀行(Sachsen LB)がサブプライムローンの2番目の犠牲者になった。今後欧州の銀行ではまだ犠牲者がでるかもしれない。日本の金融機関でサブプライムローンの直接的な犠牲者はでないと私は見ているが、ヘッジファンドへ投資している金融機関はヘッジファンドに関わる大きな損失を計上する可能性がある。これらの結果日米欧全体で当局の金融機関の投資プラクティスに関する監督が強化されるだろう。

これから暫くは金融業界に対する規制が強化されるということで、行き過ぎた「自由化」や「証券化」が少し巻き戻され「規制」と「銀行の役割の見直し」が行われるというのが私の見方である。

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