8月上旬に山手線でかばんを置き引きされたことがあった。その後かばんは出てきたが財布は抜き取られていた。その財布が発見されたという通知が先週警視庁の遺失物センター(飯田橋)から葉書で届いた。JR山手線の遺失物は警視庁の遺失物センターに集まる仕組みになっている。
今日の昼暑い中を飯田橋まで出かけ財布を受け取る。使い込んだバーバリーの茶色い革の財布である。係官が少し申し訳なさそうな顔をしてトレーの中に小銭を置いた。「137円ありますが・・・・」。予想していたことだけれど、数枚の万札はなくなっていた。しかし運転免許証からクレジットカード、スイカにいたるまでカード類は総てそのまま入っていた。想像するに財布を盗った人はお札だけ抜き取り、財布をどこかの駅か電車の中に捨てたのだろう。
会社に戻ってバーバリーの財布の中をよく見ると、月山神社と神田明神の御札が出てきた。現金はなくなったが保険でカバーされるので実損は「運転免許証とカード再発行代」だ。何よりも使い慣れた財布が戻ってきたことがうれしい。財布が戻ったのは両神社のご利益かもしれない。私は二つの御札の皺を伸ばし、新しく買ったポール・スチュアートの財布に入れた。「次も助けてくださいね」と祈りながら。