金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

民主党で株価は上がる?

2008年10月15日 | 社会・経済

民主党政権の方が株価が上がるという統計的なデータがある。もっとも米国の話だが。(民主党が政権を取ったことがない日本ではデータがなくて当たり前だ)

ニューヨーク・タイムズによると過去40年間の民主党政権と共和党政権における株価指数の上昇率(年率)を計算したところ、共和党政権下では0.4%で民主党政権下では8.9%だった。共和党で徹底的に足を引っ張っているのは、フーバー大統領だ。彼が大統領だった時に株価は年率30%の下落している。このフーバー大統領を除いたとしても、共和党政権下の平均パフォーマンスは4.17%で民主党政権の半分にも及ばない。因みにフーバーの次にパフォーマンスが悪いのは現在のブッシュ大統領で今のところ株価は年率5.1%下落。

共和党・民主党を通じて一番パフォーマンスが良かったのはクリントンの時代で、株価は年率15.2%上昇した。

仮に今1万ドルを民主党政権下で40年投資したとすると、40年後に1万ドルは300,671ドル(8.88%の複利終価)になる。一方共和党政権下では1万ドルは11,733ドルにしかならない。またフーバー大統領時代を除いても51,211ドルだ。

ところでどうしてこのようなことが起きるのだろうか?ニューヨーク・タイムズの囲み記事に説明はないが、直感的な私の意見を述べると景気が悪い時に民主党から大統領が生まれるからではないだろうか。クリントン政権が誕生した時、米国は不動産不況やS&Lの破綻で景気が悪かった。また今回オバマ政権が生まれるとすれば、住宅バブル崩壊と金融大混乱で景気はボトムだ。

そこでオバマ政権は景気浮揚策に多額の税金を投入する。例えば彼は既にクリーンエネルギー・プログラムに向こう10年で1500億ドルの税金を使うと公約している。米国の金融機関への優先株出資が政府の儲けになるか国民の負担に終わるかは年月が経たないと分からない。しかし金融機関に公的資金を投入したことは、一般産業界からも救済が必要な時は公的資金の投入を求められることを意味する。つまり大きな政府が出現し、財政収支を悪化させる。しかしボトムだった株価は上昇する・・・・・。

ということで本当はオバマでもマケインでも今よりは良くなるのだが、景気の悪い時に民主党から大統領が誕生する(と思われる)ので民主党政権下で株価は上昇する・・・・というのが私の仮説だ。時間のある時にまじめに研究して見よう。

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選挙記事トップ、米国も少し落ち着いたか?

2008年10月15日 | 国際・政治

連日株価の話題がトップを飾っていたニューヨーク・タイムズ(ネット版)に、今日(10月15日)は大統領選挙に関する世論調査がトップを飾った。大統領選挙まで後3週間だから、この話題がトップに来るのは当然だが、少し市場が落ち着きを取り戻した証拠かもしれない。

調査によると現時点で投票を行うと51%がオバマ候補、39%がマケイン候補、3%がラルフ・ネーダー候補に投票するということだ。最近マケイン候補はオバマ候補に対する個人攻撃が目立っているが、これが逆効果をもたらしている。投票者はマケインは自分の政策を語るよりオバマの攻撃に時間を費やしていると感じている。一方オバマに対しては自分の政策の説明に時間を使っていると好意的な評価が多い。

ブッシュ大統領の支持率は24%と歴史的に見て最低レベルだ。これではマケインでなくても共和党候補が今回の大統領選挙で勝つことは難しい。オバマ候補の主張をじっくり読んで、金融安定化政策がどのように具体化するか?などということを考える時期だろう。

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