金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

どのように情報をキャッチするのか?

2008年10月30日 | うんちく・小ネタ

昨日Onikeiさんという方から「どのようにして情報をキャッチしているのですか?」という主旨の質問を頂いたので、ここでお答えしようと思います。まず私は情報を二つに分けて考えています。一つは単なる事実。例えばある日株価が上がったとか下がったという事実、いわばニュースです。もう一つは個々の事実を結ぶ地下水脈のような世の中の流れでいわば「真実」です。これについてジャーナリズムの元祖リップマンは次のように述べています。

ニュースと真実は違う。ニュースは一つの出来事が起こったことを知らせる合図であり、真実は「隠された事実を表面に出し、それを相互に関連付けて、人間がそれに基づいて行動できるように現実の情景を作ること」だ。

役に立つ情報とは「真実」なのです。逆に言うと良い情報を得るこつは絶えず「何が地下水脈なのか?何が真実なのか?」という気持ちをもって情報に接することだと思います。

残念ながら日本の新聞・雑誌は事実(ニュース)を追いかけることに力点を置き、「真実」を掘り出すことを軽視しています。この点英国のエコノミスト誌(週刊なのですが新聞という位置付けだと聞いたことがあります)は、「真実」にフォーカスしている代表的な雑誌です。これに匹敵する新聞・雑誌は日本にはありません。

残念ながらエコノミスト誌の完全日本語版はありません。ただインターネットで重要記事を邦訳したものは読めるようです(有料サイト)。エコノミスト誌の英語版はインターネットで購読することができます(年間1万円程度)。実は私の情報もエコノミスト誌によるところが大きいのです。エコノミスト誌を読んで、大きな概念図を作りそれから日本と外国の新聞などで、細かいニュースを読み「真実」をダブルチェックしています。

以上簡単ですがお答えにさせて頂きます。

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Max out (イディオム・シリーズ)

2008年10月30日 | 英語

Max outは「クレジットの限度が一杯になる」とか「すっかり酔っ払う」という意味だ。ニューヨーク・タイムズに次の文章が出ていた。People are completely maxed out with mortgages, home equity lines and credit card debt.

「人々は住宅ローン、不動産抵当ローンとクレジットカードの与信限度を完全に一杯まで使い切っている」

この文章は「消費者は次の危機はクレジット・カードだと感じている」という記事の中にあったものだ。米国では今年前半に210億ドルのカード債権が償却されたと推定されている。またアナリストは向こう1年半で550億ドルの不良カード債権の償却が発生すると予想している。現在の損失水準はカード債権残高の5.5%だが、ITバブル崩壊後の不良カード債権比率7.9%を超えるのではないかと予想されている。

焦付きリスクを恐れるカード会社はカードの拡販を押さえ、未使用のカード枠の削減に動いている。住宅ローンをパッケージにした債券類が投資家に敬遠されると同様にカードローンを証券化した商品も敬遠されているため、カード会社の資金調達コストが上昇していることもカード会社を慎重にさせている一因だ。

借金してものを買うことになれていたアメリカ人にとって、ホームエクイティ・ローンに続いてもう一つの蛇口も狭められた訳だが、このため消費の回復には時間がかかりそうだ。郊外の広い家に住み、大きなSUVを乗り回し、クレジットカードでジャンジャン買い物を楽しむというアメリカン・ドリームは遠い昔の話になってしまったのだろうか?

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