ファイナンシャル・タイムズによると、滅多のないことながらニューヨーク証券取引所のニーダーラウアー会長が3月のラリーについてコメントを行った。それによると「3月のラリーはボラティリティの高い相場で利益を上げようとする短期的な投資を行うトレーダーが牽引したもので、実弾を持った大手機関投資家や長期的な投資家は様子見だった」ということだ。
今私は「様子見」と書いたが、記事の中ではLong term invesors were largely keeping their power dryという表現が使われていた。keep power dryというのは「必要があれば行動を取る準備をしている」という意味なので、傍観していたというよりは力を貯めていたということだ。
またニーダーラウアー氏は「取引は一握りの銘柄に集中し、取引ボリュームはそこそこあったものの、投資家がファンダメンタルに自信を持ったことを示すレベルよりは低い」と説明している。同氏の考えでは6月か7月にラリーが来そうだということだ。そして夏のラリーが来るとそれは6ヶ月から9ヵ月後に景気回復が起きる先行指標になると言う。
持続的に株価を押し上げるには、大きな取引量が必要だ。一方株価が下落する時は薄商いの中でストンと落ちる。株価と取引量のこの関係をグラフにすると「逆時計回り」になるので「逆ウオッチ曲線」と呼ばれていることはご存知のとおりだ。
4,5月は企業決算や景気対策効果を分析し、ファンダメンタルを確認する時期ということなのだろう。