ファイナンシャル・タイムズに野村證券が「リーマン・スタイル」の雇用契約を導入しつつあるという記事が出ていた。この話については野村證券に勤務している人から聞いていたが、他社内部の話であるので、ブログに書くことは控えていた。
FTによると昨年リーマンブラザースのアジア・中東・欧州のオペレーションを買収し、統合に20億ドル(2千億円)のコストをかけている野村證券は、より成果主義色の強い雇用契約の導入を始めている。また転勤を通じてジェネラリストを養成する従来の仕組を変えて、特定分野のスペシャリストを育成する方針だ。Staff can sign up for a Lehman-style employment contract.と記事にあるので、従業員はリーマンスタイルの雇用契約にサインすることが「できる」ということだが、事実上「選択」の余地があるかどうか疑問だろうと私は思っている。
もっとも成果主義色を強めるといっても、欧米の金融機関程ペイの差がつくことはない。FTはシティのパンディットCEOは一人で昨年11百万ドル(11億円)の報酬を得たが、野村證券は21人の役員クラスに16億円を支払ったと紹介している。もっともこの金額は日本の通常の会社よりはかなり多いが。
このような話は野村の社内の人がFTに話をしたから記事になったのだろう。記事によるとリーマン吸収で「野村東京でも会話の半分以上と電子メールの7割が英語になった」ということだ。ただし「英語が話せないので野村證券に入った人もいる位だから、このカルチャーショックは歓迎できない」と述べている役員もいるということだ。
不満をもっている人は英語が不得意な人のはずなので、FTにリークするとは考え難い。そうするとリーマンスタイルを好む人がリークしたのだろうか?
いずれにせよ、野村証券には頑張って少しでも株価を回復して欲しいものである。株価が上昇するならリーマンスタイルであれなんであれOKだ。これは一株主としてのお願いである。