入梅宣言してから余り雨が降らない。土曜日(6月23日)も数日前の予報とは異なり晴となる。この日、元の会社のアスリートウーマンKさんと山梨県の乾徳山(2031m)に登山する。乾徳山の山の名は南麓にある名刹乾徳山恵林寺の山号によるという。
さて新小平駅から2時間程で乾徳山の登山口大平山荘に着く。駐車料金は5百円。数台の車が止まっているが百名山の喧騒からは程遠い。因みに乾徳山は二百名山の一つでまた山梨百名山の一つでもある。
地図上の赤い点が登りのルート、青い点が降りのルートだ。駐車場を9時50分に出発。50分程歩くと道満尾根の西側の開けたところに出た。ここはツツジが沢山咲いている。
ツツジの蜜をアブ(または蜂)が吸っているところを写真に収めたが通常のレンズを使っているので写りは今ひとつだ。我々は国師ケ原を経由するルートを取ったが道満尾根を忠実に登るルートの方がツツジの群生を楽しめそうだ。
扇平にでると富士山が見えた。今年は雪が多く7月1日の山開きが危ぶまれると新聞に書いてあったが、なるほど雪が多そうだ。
扇平から上は岩が多くなり手を使って登るところが増えてきた。マラソンを3時間8分で走り、100名山の内80近くの山を登っているKさんは「全身を使って登っているのが気持ちが良く好きだ」という。本当に元気な人だ。
乾徳山の岩稜帯には3ヶ所程鎖場があるが、最後の垂直の岩場を除いて鎖を使わずにフリーで登ることが出来る。私は鎖を使わず久しぶりに岩のフリクションを楽しんだ。
頂上直下に20m程の岩場がある。ここは右をまくことも出来るが乾徳山の名物だから元気があれば挑戦したい。
最初の6,7mは鎖を掴み、クラック(岩の割れ目)に靴を差し込んで登った。時間があって他の登山者がいなければフリーで挑戦してみたかったが、時間をかけて迷惑になってはいけないので鎖を掴んで登ってしまった。
頂上には11時50分着。駐車場からちょうど2時間。コースタイムより2,30分早い様だ。頂上から甲武信岳、金峰山など秩父の名峰が見えた。南アルプスや富士山は残念ながら雲の中だった。
12時20分少し北の天狗岩経由で西側のルートを通って下山を開始する。このルートは深い針葉樹の林を通るので、岩や木の根が濡れていて滑りやすい。1時間程で国師ケ原に到着。振り返ると乾徳山が見える。
国師ケ原からは登ってきた道を辿って2時20分駐車場着。帰路もコースタイムより3,40分位早く歩いた。この日はKさんのお陰でかなり早いピッチの登山を楽しむことができた。
山の降りはパワーやスタミナだけでなく登山の経験や力量がものをいうので、Kさんとそこそこ歩調があったが、登りはKさんが本気でスピードを上げるととてもかなわないなぁという気がした。恐らく私のみならずかなう人は余りいないだろう。世の中には本当に韋駄天の様な人がいるものである。