エコノミスト誌に亀井郵政改革・金融相の記事が出ていた。記事は1970年代に警察官僚(正確には警備局極左事件統括責任者)として、連合赤軍と戦った亀井大臣は今度は資本主義に挑戦しようとしているようだと書き出す。
これはエコノミスト誌には書いていないことだけれど、亀井大臣は東大教養部時代「マルクスの亀井」と呼ばれるほどマルクス経済学に精通していた。資本主義への挑戦は青春の郷愁だろうか?
亀井大臣の「中小企業融資の3年間モラトリアム」について、エコノミスト誌はマッコリー・キャピタル証券のエコノミスト・Jerram氏の「これはリスクの社会化(または社会主義化)だ」という言葉を紹介している。
同誌がより問題視しているのは、郵政民営化見直しの動きだ。預金量で世界最大の郵貯銀行の株を国が保有し続けることは、預金者に国が暗黙の保証を与えることになり、国民経済的に良くないというのが、金融筋やエコノミスト達の見方であることは周知のとおりだ。
同誌は新政権は「日本をチェンジする」ことを約束しているが、このことが郵政国営化を続けるといった時計の針を戻すことを意味すると考えている人はほとんどいないだろうと結んでいる。
「鳩山内閣は亀井大臣のごり押しを認めて選挙民のチェンジ期待を裏切るか、亀井案を潰して国民新党が袂を分かつリスクを取るかという選択を迫られる」という趣旨のことを同誌は述べている。私は大風呂敷を広げた亀井大臣がどこかで妥協点を見つける可能性大と考えているので、この二者択一説には必ずしも組しないが。