金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

水上の奥の隠れた紅葉スポット

2009年10月26日 | 旅行記

10月24日(土)・25日(日)に会社の山仲間と上州・武尊山(ほたかやま)登山に出かけた。会社の山仲間といっても、社外の参加者が増え、総数9名である。以前は車1台で出かけていたが、今回は車3台に分乗して水上を目指した。武蔵野線東所沢駅を午前10時に出発、多少渋滞はあったが、昼過ぎに水上に到着し、JR水上駅前で蕎麦・ラーメンの遅い昼飯を食った。

この日泊まったのは宝台樹キャンプ場のロッジ「ほたか」。白樺の森の中にオートキャンプ場が広がる気持ちの良い場所だ。http://www.hotakasan.co.jp/camp/

私はテントを張りたかったのだが、「寒そうだ」などと仲間の反対が多く、全員でロッジ泊まり。素泊まり一人3,500円。夕食はバーベーキューセット一人1,200円だ。これに水上のスーパーで買い足した食材を合わせて満腹になるまで飲み食いした。

話は前後するが、キャンプ場に到着した後、5分位車を走らせて、まず「裏見の滝」に出かけた。「裏見の滝」というのは滝の裏側から滝を見ることができる滝のことで日光の裏見の滝が有名だ。なお現在ここの裏見の滝は落石の危険性から滝の裏側に回ることは禁止されている。

Uramitaki

Uramitaki2

車でのアプローチしかない場所なので観光客は余り多くない。

次に車を坤六峠(尾瀬へ抜ける峠)方面に回し、「照葉峡」で紅葉を見た。照葉峡には翡翠の滝など幾つかの観光スポットがあるが、駐車場がほとんどないので車で行った場合大部分を割愛することになる(まあ、平日なら路肩駐車もできるが)。

比較的上流に近いところに駐車可能な場所があったので、車を止めて流れまで降りて紅葉を楽しむ。

Teruhakyo

Teruhakyou2

照葉峡からキャンプ場に戻る途中で奈良俣ダムに立ち寄る。これはロックフィル式の多目的ダムだ。

Naramata

Narama2

この日は曇り空で空気が湿気を帯びているので、紅葉に透明感がないのが残念だった。

「裏見の滝」「照葉峡」「奈良俣ダム」この3箇所を回って大体3時間程度。私は水上の奥の隠れた紅葉スポットだと思っている。

なお宝台樹キャンプ場は空いていてロッジに隣接したバーベーキューサイトには我々の他一組の中年のご夫婦がいただけだった。晩秋のキャンプ場は寂しい。しかし真っ赤に焼けた炭火に肉やソーセージ、野菜をあぶり、親しい仲間と酒を酌み交わす一夜は本当に楽しかった。

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精進ケ滝の紅葉

2009年10月23日 | 

10月23日金曜日、休みを取ってワイフと南アルプス石空(いしうとろ)川の精進ケ滝の紅葉を観に行った。朝8時過ぎに自宅をマイカーで出発。カーナビには目的地として「甲斐駒カントリークラブ」を登録していく。カントリークラブ近くまでいくと「精進ケ滝」の看板があるので間違うことはない。11時過ぎつまり自宅を出てから約3時間後、精進ケ滝下の駐車場に到着。6,7台の車が止まっていた(20台前後駐車可能だろう)。

Kouyou1

石空川にかかるつり橋を渡って滝への道を登り始める。

Kouyou2

楓が色付き美しい。今頃がベストシーズンだろう。

しばらく歩き易い山道を辿ると小振りな滝(一の滝)が出てくる。魚止めの滝という説明があるが、滝壺を除いても魚影を発見することはできなかった。

Ichinotaki

つり橋、鉄の梯子などを辿っていくと少し大きな三の滝に出会う。

Sannotaki

駐車場から30分強歩いて精進ケ滝の滝観台に到着(案内では歩行時間40分)。

東日本で一番落差があると言われている121mの滝は立派だ。しかし太陽は滝が落ちる山稜の上に燦々と輝いている。逆光と霞のため余り良い写真が撮れないのが残念だ。

Shoujigataki1

下部の傾斜の緩い滝を狙って400mm相当の望遠ズームレンズの望遠側で1枚撮った。

Shoujigataki2

この滝の名前は「九段の滝」というらしい。この滝なら登ることは可能だなぁと思って、帰宅してからインターネットを調べると比較的簡単に登っている記録があった。

駐車場に戻った後、サントリーの白州工場へ車を向けた。14.5キロ20分程度のドライブだ。サントリーのレストランで軽く食事をする。

Hakushu

空気が乾いていて気持ちが良い。平日の中央道は全く渋滞がなく5時前に帰宅することができた。週末の高速割引料金に比べると2倍強の高速料金がかかったが、この快適感には替え難い。

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中国が空母を持つ日は近い

2009年10月22日 | 国際・政治

ニューヨーク・タイムズによると中国が空母を持つ日は近い。空母は英語ではAir craftcarrierだが、記事の中でわざわざ"Aircraft mother ships"と書いてあったので、空母の中国語を調べてみたら航空母艦であった。恐らく中国は日本の「航空母艦」を借用したのだろう。

大連では今ワリヤーグVaryag型空母の艤装が進められている。英語版ウイキペディアによるとこの空母は旧ソ連が建造したものだが、電気工事を行う前にソ連が崩壊したためウクライナに移され、その後オークションで中国が購入したという曰く因縁のある船だ。

米国の海軍情報局によると2010年から12年の間にこの空母は練習船として運行開始の見込みだ。なお中国が一から建造する空母が就航するのは2015年以降になるということだ。

中国は現在駆逐艦、潜水艦、水陸両用船を含む190の海軍艦船を持っている。因みに米海軍は11の空母を含む285の艦船を持っている。

タイムズは「中国が空母を就航させることは米国政府に足元がすくむようなショックを与えるかもしれないが、米国の戦闘機の能力やクルーズ・ミサイルのプラットフォームなどの戦闘能力の差を考えるとミリタリー・バランスの変化はないだろう」「しかしこのような現実は議会や同盟国の警告の中で見失われるかもしれない」というボストン大学のロス教授の意見を紹介する。同氏は「空母は力の投影であり、中国国内に鳴り響くとともに他国にも鳴り響く」と述べる。

米国の海軍大学の研究員は中国が艦載機を購入し、補助艦を建造し、演習を行うコストは100億ドル(9千億円)だと推定している。(余談ながらこれも稼いだ外貨の使い道か?)

中国政府は以前から空母を持つ意思を示していた。中国の梁光烈Liang Guangle国防相は「中国は永久に空母を持たないということはない」と日本の防衛相に述べたと新華社通信は伝えている。

また中国の06年国防白書は海軍の使命は沿岸防衛から海洋での防衛活動に拡大するだろうと述べている。

中国の空母がアジアの海に出現した時、日本、韓国、ベトナム、フィリッピンなど領海問題を抱える国々には大きな圧力となるに違いない。

私は多くの日本人は政権選択において中国の軍事パワーが誇示されることを考慮して判断を下すべきだった・・・と考えている。

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米ドルが下落する理由

2009年10月22日 | 金融

エコノミスト誌にDown with the dollar / Why the dollar is fallingという記事があった。

記事によると米ドルは今年3月5日に主要6通貨インデックスで89.11という今年の高値をつけた後下落を続け、10月20日に75.24という今年の最安値をつけた。勿論このことは米ドルの全面的な崩壊を意味しないし、必ずしも懸念材料ではない。例えば米国に輸出業者は海外で競争力が高まるし、輸入品の価格が高くなるので米国の同業者は有利になる。

しかしドルの持続的な低下はドルを準備通貨として保有している中国やロシアに不吉な不安材料を与える。

何故ドルが下落するのか?という疑問に対するもっとも単純な答は「リスク忌避」である。リスクの高い資産の価格が下落する時にドルは上昇する傾向があり、リスクの高い資産の価値が上昇する時ドルは下落する傾向がある。3月から世界に株式市場でラリーが続いたのでドルの価値は下落し続けた。恐らく米国内の投資家がこの相関関係を動かしているのだろう。

しかしリスク忌避が一つの要因であるにしても、ドルを「安全な避難場所」とみなすことには疑いがある。むしろ米国のファンダメンタルの弱さがドルに対する長期的な弱気を復活させている。米国の財政赤字は今年GDPの13.5%に達すると予測する筋もある。オバマ政権には赤字を削減させる兆候はほとんど見えないし、健康保険制度の改革は赤字を拡大するだろう。

しかしもし外国人投資家が関与しているならば、どうしてドルの下落に後に米国債の利回りが急上昇(価格は急落)しないのだろうか?

恐らくその一つの理由は「量的緩和政策」により、連邦銀行が大量の新発債を購入しているからだ。国債の需給という単純なダイナミズムが昨日しているのだろう。昨年は投資家は流動性確保のため米ドルを求めたので、市場ではドルが不足していた。今年は量的緩和政策がドルの余剰を生み、ドルが下落している。

中央銀行は量的緩和政策の出口を注意深く見守っている。早い時期の政策転換は国債利回りを急上昇させる可能性があり、量的緩和政策の持続は更にドルの価値を下落させる可能性がある。連銀が向こう1年程度の間に政策金利を引き上げる可能性はきわめて低い。

巨額の対外債務を負いかつ財政赤字抑制の糸口もほとんど見つけていない国が低金利で通貨供給量を増やすという先例を歴史に求めることは困難だ。

このような組合せは最終的には破綻し、1940年代のブレトンウッズ体制のような新しい通貨システムをもたらすことになる。

新しいシステムとは通貨が一定の為替レートの範囲の中で取引される仕組みか、外国の債権者が米国に他国通貨による債券発行を求めるようなシステムである可能性がある。

☆   ☆   ☆

3月から主要通貨に対して15%以上ドルは下落している。ドル円相場はそれ程下落していないので、円も相対的には下落通貨なのだ。ドル円相場は今後どう動くのか?弱いもの同士の綱引きだが、対外債務がない分だけ円の方がましなのだろうか?それとも経済の自律反発力の弱い円の魅力が薄いか?

いずれにせよ、この時期円やドルだけにフォーカスした行動は余りよい結果を生みそうにない。不確実な時代はエマージング市場を含めた分散投資の時代なのだろう。

私の小さなポートフォリオの中でも「米ドル・ユーロの債券・株式および若干エマージング市場投資」というグローバル・バランス型のファンドが比較的安定した成果を上げている。

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国債増加が日本経済を脅かす

2009年10月21日 | 金融

ニューヨーク・タイムズにRising debt a threat to Japanese Economyという記事が出ていた。主旨は次のとおりだ。米国では財政赤字の結果、国債はGDPの98%近くに膨らんでいる。しかし日本では国債はGDPの2倍に近づいている。米国の国債利払い費用は国家予算の10分の1だったが、2008年の日本の国債利払い費用は国家予算の5分の1だった。

神経質な投資家は財政悪化が究極的には国債の債務不履行に陥るか円の価値が崩壊するのではないかという懸念を抱いている。最近藤井財務相が国債の供給過剰感があると述べたことで、国債利回りは半年間で一番高くなった(価格は下落)。

民主党政権が政権公約を実行しようとするため、来年の国債発行額は戦後はじめて税収を上回ると予想される。

クレディ・スイスの円債ストラテジストの福永氏は「日本は今年、来年とより多くの国債を発行しようとしている。しかしこれは3年から5年先には機能しなくなるだろう」と述べている。またバークレーズ・キャピタルの森田チーフ・ストラテジストは「税収が落ちている中で民主党政府が総ての政策を推し進めることは危険だ」「世界的な視点から見ると、日本の債務比率は完全に航路を逸脱している」と述べる。

しかし政府関係者は幾つかの点で日本は米国より良いと主張している。何故なら日本の国債は9割以上が国内の投資家によって保有されているからだ(米国では54%程度が国内で保有されている)。銀行、年金基金、生命保険会社のような安定した投資家が国債を保有しているので、突然国債が売りまくられることはないという訳だ。

多くのアナリストは、政府は景気後退期において債務を削減することに余り頭を悩ますことはないが、支出をコントロール可能な範囲におくことに集中するべきだと述べる。

何故なら長期的には日本の貯蓄過剰な状態は、高齢者の資産食い潰しと政府の医療費・年金支払増加により、続かなくなりやがて貯蓄不足の状況になる可能性があるからだ。

こうなると国債の金利は急上昇し、利払いコストがかさむことでで、日本の国債がデフォルトになるリスクが高まる。最悪の事態は投資家が円資産から海外資産に逃避することで円が売られ円の価値が下落することが予想される。

最近数ヶ月米ドルの価値が下落したことで円高になっているが、これは円の安全性に対する誤った感覚をもたらしているかもしれない。バークレーズの森田氏は「10年か20年の内に日本の経常収支は赤字に転じ、円安になる。しかし投資家はその前に円に悲観的になるので円安はそれよりも早く始まる」と述べる。

第一生命経済研究所の熊野主任エコノミストは「円は長期的な下落過程に入ろうとしている。日本の金融と経済の状況を考えると最近の円高は最後の円高かもしれない」と述べている。

☆   ☆   ☆

ところで昨日「郵政見直しの閣議決定」と「西川郵政社長の辞任」があった。穿った見方をすると、郵便貯金を政府の保護下に置くことで、国民から集めた貯金で国債を購入するという仕組みを持続させることで赤字国債の消化を図ろうという意図かもしれない。

昨日亀井郵政担当相がファイナンシャル・タイムズに「これからは郵貯の運用として内外のコーポレート・ファイナンスも行いたい」と話をしていたが、これはホラ話以外の何者でもない。郵貯のスタッフにそのようなことができる能力は全くないからだ。

民主党政権の本音は郵貯の民営化を無期延期して郵貯の資金で財政赤字をまかないながら、ばら撒き予算を組んで次の選挙に勝ちたいということではないだろうか?

このように考えると先読みする投資家~私のような個人投資家を含めて~は、この円高局面(円はドルに対しては高いが他の通貨に対してそれ程高くはないが)を利用して、円資産から海外資産へのシフトを図るだろう。このような動きが強まると巨額の赤字国債のロールオーバーで長期金利が上昇するというシナリオはかなり説得性があると思われる。問題はその時期がいつなのか・・ということだが。

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