金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

オバマ、日本の英語の先生になる

2009年10月13日 | 英語

ニューヨーク・タイムズにObama becomes Japan's English Teacherという記事が出ていた。話は神奈川県のある美容室がバックグラウンド・ミュージックにオバマ大統領の就任演説のCDを使い出したというところからスタートする。

オバマの演説集は昨年11月以降50万部売れている。これをもってタイムズは「オバマは日本の英語の先生」とした訳だ。ノーベル平和賞受賞でオバマのCD付「核なき世界」などは益々売れるだろう。朝日出版社のHPはこちら→http://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255004884/

オバマの演説集が売れる理由は何か?タイムズによると英語を勉強した人を含めて大方の日本人にとってネイティブ・スピーカーの演説を理解することは難しいようだ。しかしオバマの演説は発音が明瞭でゆっくりしているから理解しやすいとコミュニケーションの専門家・二階堂教授はいう。

更にオバマの演説集を出版している朝日出版社の山本編集長は「オバマの演説内容を理解できない人でもオバマの演説を聞くと鼓舞される」という。実際読者の中には「聞き取れたのはYes, we can」だけという人もいるということだ。こうなると演説集は一種の音楽だ。

これは仏教のお経のようなものでもある。お坊さんの唱えるお経を聞いてそのコンテンツを全部理解することは不可能だ。だがじっくり聞いていると少し分かるところがあり、それを頼りに推測を働かせながら、打ち寄せる波のような読経を聞いているとある種の精神の安定を覚えることがある。これと共通した効果がオバマの演説にはあるようだ。

もっともお経が精神の安定をもたらすのに対して、オバマの演説は精神の高揚をもたらす。

タイムズはオバマの演説が日本で人気がある理由の一つは「国民が人々を鼓舞するような演説をする指導者を求めているからだ」という意見を紹介している。日本人は長いこと感動させるような演説やコミュニケーションを重視してこなかったが、変化の兆しが出ているのかもしれない。

民主主義における優れたリーダーの淵源をローマ時代にまで遡ると「肉体の健全、知性、類まれなる寛容、持続する意思、説得力、古来この徳性を兼ね備えた人物はジュリアス・シーザーしかいない」というイタリアの教科書の文章を思い起こす(塩野七生さんの孫引き)。

オバマをシーザーにたとえるつもりはないが、オバマの中にシーザーが持っていた徳性の幾つかが見えることは確かだ。

私はまだオバマの演説集を持っていないが、安いものだしこの際買ってみようかな?と思い始めている。完全に理解できなくても、CDを聞いて元気を貰える・・・と考えると気も楽になるから。

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自転車で石神井二つの池巡り

2009年10月12日 | まち歩き

この三連休は真ん中の日に国立博物館に行った他は近場を自転車で遊んでいた。11日月曜日は石神井付近の池を持つ公園を巡ってみた。具体的にいうと三宝寺池・と石神井池のある石神井公園と富士見池のある武蔵関公園だ。

より大きな地図で 石神井池巡り を表示

以前は石神井公園は「自動車で行く」世界だったが、自転車に乗り慣れると(クロスバイクの前にママチャリでも時々サイクリングしたことがある)ともう「自転車で行く」世界なのだ。

三宝寺池では毎度のことながらカワセミの写真を撮ろうとするカメラマンが数名手持ち無沙汰に立っていた。

今日はカワセミはお留守なので僕はカルガモの写真を撮った。

Kamo2

Kamo

三宝寺池は善福寺池・井の頭池と並んで「武蔵野三大湧水池」として知られている。池の周りの湿地帯には色々な植物が茂り、花を求めて蝶が舞う。

Mizosoba

写真はミゾソバの蜜を吸うモンシロチョウ。

Hototogisu

写真はホトトギス。

車を使わず環境に優しく武蔵野の自然を見て回るには自転車が一番だ。望遠レンズをザックに入れて担ぐのは少し重いが、山登りの練習と思えば何ほどのことはない。

武蔵関公園の富士見池にもカワセミは住んでいるということだが、こちらも今日はお留守だった。自宅から二つの池を回って約20km、ちょっとした自転車散歩だった。

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「皇室の名宝」~堪能するほどお宝の山でした

2009年10月12日 | アート・文化

10月11日日曜日快晴。ワイフと上野の国立博物館に「皇室の名宝」を観に行った。開園は9時30分、10時前に会場に入ると既に人、人、人の波。

Kousitu

第一番目の展示品が海北友松描く巨大な松と海浜の屏風(浜松図屏風)で、二番目が入場券の写真にもなっている狩野永徳・常信描く「唐獅子図屏風」

あらゆる美術展は入り口が混む。世間にはこれ程美術愛好家が多いのか?と驚くほど皆さん足を止めて鑑賞している。

圧巻は伊藤若冲描く30幅の極彩色の動植物の掛け軸。その精緻さ、色彩の鮮やかさには目を見張るものがあった。

応挙の虎(「旭日猛虎図」)も良かった。ただし虎は体に比して顔が小さくどことなく愛嬌があり、あまり猛々しい感じはしない。

Tora

80点の美術品鑑賞に2時間かかった。人、人、人で疲れたがそれだけの値打ちのある展覧会だった。ところで我々よりかなり高齢の方も沢山来館されていたが、どうして皆さん平日に来られないのだろうか?

美術館側も祝祭日の混雑を緩和するために、平日料金を少し安く設定するなどの工夫があっても良いと思うのだが・・・・

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昭和記念公園を自転車で往復

2009年10月10日 | スポーツ

10月10日土曜日晴時々曇、二、三度パラパラと雨降る。三連休で大学の後輩K君と八ヶ岳連峰・阿弥陀岳の南稜に行く予定をしていたが、K君の奥さんのご両親の具合がよくないということで山は中止。一人でサイクリングに行く。

まず通り道にあるスポーツ自転車専門店Dios(東村山市・東京街道沿い)で、ネットオークションでゲットした自転車の変速機(ディレイラー)を見てもらう。というのはフロント側のギヤの変速がとってもやりにくいからだ。マスターの話では「車体とディレイラーが全くあっていません。」ということ。温厚なおじさんだからあんまりキツイことは言わなかったけれど言外に「この自転車はとんでもない代物」というニュアンスがあった。初めて寄った店だけれどマスターは私のような初心者にも大変親切だ。今度はこの店で自転車を買おう!しかし今日はとにかく昭和記念公園までサイクリングだ!

Dios

西東京市の自宅から昭和記念公園へ行くには「西へ西へ」と進めば良いが、新青梅街道は交通量が多く身の危険を感じるので、自動車通行量の少ない道をたどった。西武拝島線に沿う道は交通量・信号が少なく気持ち良く走ることができた。

より大きな地図で 昭和記念公園 を表示

昭和記念公園は秋の気配が忍び寄っている。秋を感じるのは公園の中ではなく、むしろ外周道路である。

Aki

公園の中は2週走った。コスモスは盛りを過ぎていたが、蝶(アカタテハ?)の写真が撮れた。

Akatateha

コスモスは逆光の中で透かして見るのが面白い。

Cosmos2

Cosmos

午後1時40分頃帰りに向かった。今日はサイクル・コンピュータの調子が悪くて走行距離や時速が正しく反映されないので。ツイツイ走り過ぎてしまう。

日本庭園の奥に「トンボの棲息する小川」(正式名称ではない)があった。

Tonbo

「トンボ池」の名前に恥じずに赤とんぼが身近まで寄ってきた。

トンボがいるとそれを捕らえる蜘蛛もいる。

Kumo

昭和記念公園の内外を3週して帰った。今日のサイクル・コンピュータの調子は悪かったので走行距離は不正確だ。帰宅してからグーグルの地図で測ると自宅・昭和記念公園の走行距離は片道14,5km程度。公園内外の周回を含めると大体50km位のサイクリングだった。

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金価格はどこまであがる?

2009年10月09日 | 金融

10月7日に1オンス1,050ドルをつけた。「金価格はどこまで上昇するのか?」というのはちょっとした関心事だ。エコノミスト誌は香港ベースのブローカーChristopher Wood of CLSAの「長期的には金は3,500ドルをターゲットとしている」という意見を紹介していた。これは購買力平価ベースで見て、1980年代の金価格の高値に相当するという。

一般的に金が保有される理由はインフレ・ヘッジだ。だが今回金が買われている理由はインフレヘッジではない。エコノミスト誌はインフレ連動国債と普通の国債の利回り格差から計算して市場が向こう20年間に予測するインフレ率は1.9%だという。通常インフレ懸念が高まると長期債は売られる(利回りは上昇する)が、インフレ懸念がないため「金も長期債も同時に買われる」という現象が起きている訳だ。

金価格が上昇している理由は個人投資家や機関投資家が金ETFを買っているからだ。金ETFは過去2年間で1割増え、現在約8.4百万オンス(価値は87億ドル以上)の金を保有している。金価格が上昇している理由についてエコノミスト誌は「第一の容疑者は米ドルだ」と言っている。金の上昇とドルの下落が逆相関関係にあるからだ。

ところで私も国内金価格連動ETFに少し投資しているが、この逆相関のお陰?で余り値上がりしていない。金価格連動ETFの価格は「ロンドンの米ドル建て金価格にロンドンのスポット・ドル円レートをかけて計算される」ので、金が上昇してもドルが円高が進んでいるのでETFの価格は余り上昇しない訳だ。

だが歴史的にみると「ドルも金価格も上昇する」という局面もあるので、未来永劫ドルと金価格が逆相関関係を続けると決め込むのも危険だろう。今「利息を生まない」金が買われる理由は、金利が低いからである。景気回復が本格化してドル金利が上昇し始めても金を買い増す人が増え続けるかどうかは疑問だろうと私は考えている。

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