金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

東芝、円高を逆手にとって利益を上げる(FT報道)

2010年10月26日 | 社会・経済

FTによると、昨日東芝の佐々木社長は世界経営者会議で円高を利用して利益を上げていると発表したと報じている。

記事によると、昨年東芝は「プロジェクト70」というプロジェクトを発足させ、1ドル70円まで円高が進むことを想定して対策を考え始めた。佐々木社長は「昨年10月にプロジェクトを発足させた時、人々はそんな円高になることは絶対ないだろうと言ったが、最近のドル安・円高を見ると、70円は現実離れしているとは言えないかもしれない」と述べている。

2009年4-9月の間、東芝は48%の製品を日本国内で作り、45%の部品を日本ベースのサプライヤーから調達していた。しかし今年の同じ期間では、それぞれ44%、42%に低下した。この生産の海外シフトにより、営業損益ベースで昨年は1円の円高が8億円の営業損失を生んでいたが、今年は1円の円高で7億円の営業利益が出るようになった。この結果半期で東芝は円高により42億円の営業利益を上げた。

なお東芝はユーロ安は引き続き重荷であると述べている。

☆  ☆  ☆

東芝が輸出入バランスの改善で、円高(対ドル)でも利益が上がるように体質改善したことは、円高介入の正当性を主張する人には頭の痛い話だ。FTが東芝の話を持ち出したのは、今の円高を所与のものとして是認し、対策を考えよという主張と平仄を合わせるものだ。同紙は別の記事で市場レートでは円高だが、インフレを調整した購買力平価ベースでは円高ではないと力説している。

ついでにいうとFTは日米の中央銀行の通貨安を目指す取組姿勢の違い、つまり金融緩和策のレベルの違いから長期的な円高は避けられないだろうと述べている。

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知は孤ならず。遊んでいる間に役に立つ情報を頂きました

2010年10月25日 | うんちく・小ネタ

ある雑誌にデフレの話をかこうと思いながら、先週末は常念岳登山に出かけていた。昨夜帰宅してメールを開くとブログのある読者の方(匿名希望様)から、僕がブログで紹介した、コーネル大学のFrank教授の論文と同じ主旨の意見を小野善康阪大教授が述べていますというコメント投稿があった。

今日早速小野教授のインタビューを連合機関紙(ネット)で読んでみた。共感するところがあるので、デフレに関するエッセーに引用させて貰うかもしれない。

ふっと「知は孤ならず」という言葉が頭を過(よ)ぎった。はてそんな言葉あったかなぁ?と思い、ネットで検索してみる。すると「知は孤ならず」という言葉は出てこないが、「徳は孤ならず」という論語の一節が出てきた。そうだ、この言葉が頭の隅にあったから知は孤ならずという言葉が浮かんだんだ、と納得した次第。

それにしても遊んでいる間に役に立つ情報が頂ける便利な時代になったものです。

匿名希望様に感謝!

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槍穂を見ながら歩いた秋の常念岳

2010年10月25日 | 

10月23日(土曜日)-24日(日曜日)、北アルプス常念岳(2,857m)から蝶が岳(2,650m)の稜線を会社の山仲間3名と縦走した。常念岳は安曇野から北アルプスを眺める時まず目に入るピラミダルな山だ。今年に夏、槍ヶ岳に登った時「秋の紅葉のシーズンに常念に登り、槍穂高の紅葉を見よう」という思いが募っていた。

23日あずさ3号で豊科に10時39分到着。タクシーで一の沢登山口に入る。タクシー代は5,700円。翌日は三股に下山する予定なので、タクシーの運転手さんに予約をお願いしたところ、「山頂から電話して欲しい」と言われた。理由は常念岳から蝶が岳を縦走して三股に下山するルートはコースタイムより3時間は余計にかかるので、あらかじめの予約はお断りということである。

運転手さんの言葉には疑問を抱きながらも、11時15分過ぎ登山開始。一の沢ルートは途中木のハシゴが胸に着きそうになる急傾斜があるものの、4時間で登り午後3時20分に常念乗越(2,466m)到着。今夜泊まる常念小屋はここにある。

常念乗越から見る槍穂高の稜線は素晴らしい。ただ逆光なので写真写りはもう一つである。小屋のテラスでビールや担ぎ上げたワインを飲みつつ、夕食までのひと時を山談義で過ごした。写真は槍ヶ岳。

Yari

あけて10月24日日曜日。天気予報では午後遅い時間から雨だ。できるだけ早く小屋を出ることにして、午前4時半起床。いや実際にはその前から起きていた。というのは同室の別グループの一人の男性のいびきがもの凄くて途中から寝れなくなっていたからだ。山小屋のリスクはいびきである。

スープ、コーヒープラス持参のパン、オニギリ等の朝飯を済ませて午前5時20分常念岳に向けて出発。まだ真っ暗でヘッドランプの明かりだけが頼りだ。見上げると常念岳の中腹に幾つか先行者のヘッドランプが光る。寝不足の体を騙しながら、1時間10分ほどで山頂到着。時刻は6時半だ。写真は常念岳山頂からの槍ヶ岳。

Asayari

常念岳中腹ですっかり明るくなり振り返ると横通岳と常念小屋が見えた。コースタイムでは常念小屋から頂上まで1時間とあるが、これは少しきつい。常念小屋と頂上の高度差は400m。私は通常1ピッチ40分で高度差200m登ることにしている。これはごく一般的な歩行速度だと思う。高度差400mを1時間というのは少しキツイとコースタイムである。

Jyounengoya

曇っているが視界は良好だ。写真は大キレットと穂高連峰だ。昨日「大キレットは何語か?」ということが話題になり、僕はフランス語じゃないか?といったが後で調べたところ、これは間違い。キレットはV字に切れた岩稜を指す歴とした日本語で「切戸」と書く。

Hotakarennpou

目を東に向けると富士山と南アルプスがよく見えた。富士山の右が甲斐駒ケ岳でV字状の北沢峠をはさんで北岳・仙丈ケ岳が重なっているようだ。

Huji

目を少し左に向けると浅間山と四阿山が見える。その間から頭を見せているのは日光白根山だろうと私は判断している。

Asama

常念岳から蝶が岳に続く稜線を降っていくと途中で荒船山が見えた。標高1423mという平凡な高さの山だが、航空母艦のような形は遠くからでも識別できる。

Arafune

稜線上に神社の屋根の上にある鰹木のような岩があった。岩の左は蝶が岳。赤く紅葉しているのはウラシマツツジだろう。

Kekkai

常念岳から蝶が岳に向かうには一度400m降りまた200m登り返す。アルプスの稜線歩きの中では初心者向けのルートでかつ景色は抜群だ。

Chou

穂高連峰の裾を彩る紅葉を撮ってみた。曇っているので鮮やかさがでないのは残念だ。

Hotakakouyou

10時40分頃蝶が岳ヒュッテに到着。小屋で各自好みのうどんやココアを頂く。例年より気温が高いとはいえ、秋の北アルプスの稜線歩きで体が冷えていたので温かいものがうれしかった。11時に小屋を出て三股へ下山開始。途中今日の感動を与えてくれた常念岳を振り返った。右の肩が前常念である。

Jyounen

前常念に続く稜線の下部がきれいに紅葉していた。

三股の標高は1375m。蝶が岳から1300mの降りだ。足に少し疲労を感じた時林道に出た。そこから10分程歩くと蝶が岳から呼んだタクシーが早めに来てまっていてくれた。時刻は2時ちょうど。ほぼコースタイムどおり8時間半の山歩き(含む休憩時間)は無事終了した。

Kouyou2

豊科駅に向かう途中、「ほりでーゆ 四季の里」http://www.holiday-you.co.jp/に立ち寄り汗を流した。入浴料は500円。お値打ちだと思う。待たせていたタクシーに乗ると雨が降り出した。豊科駅から見ると薄もやの中に常念岳が見えた。山頂ではみぞれかもしれない。常念小屋は11月の最初に閉めるという話だった。

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常念岳写真

2010年10月23日 | インポート

常念岳写真

コメント (1)
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常念岳は良い天気でした。

2010年10月23日 | インポート

午後3時20分常念小屋到着。槍ヶ岳から大キレットまでよく見えました。

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