金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

一人遊びも悪くない~サイクリング

2011年11月28日 | うんちく・小ネタ

先週の土曜日はワイフは仕事に出かけ、山登りの予定もないので昭和記念公園までクロスバイクで往復した。山にはすごく登りたい時期とそれ程でもない時期がある。11月下旬というのは、高山では雪が降り始めているが根雪にならず不安定で歩きにくい。もう少し低い山では紅葉が終り、目玉となる景色が少ないという時期だ。つまり僕にとっては山は端境期である。

こんな時は天気が良ければサイクリングに限ると僕は考えている。サイクリングの良いところは色々あるが、その一つに「一人になれる」ということがある。居酒屋本で有名な太田和彦氏の「超・居酒屋入門」にこんな文章がある。

「私は、男は、いやもちろん女もそうだけれど時々一人になる時を持つ事は大切と思う。会社も友人も家族も、すべてのしがらみから離れ、一人でぼんやりする。」と太田氏は振っておいて「男が一人になって何をするかといえば、それは酒を飲むのが一番ふさわしい」と受けるのだ。

酒を飲むのが一番ふさわしいかどうかは別として、僕も酒を飲むことを一人ですることのリストの上位に上げることには賛成だ。

だが休みの日の朝から酒という訳にもいくまい。美味い酒を飲むためにも午前中は体を動かすに限る。一人で体を動かすには散歩、ランニング、登山等色々あるが、今の僕は3,4時間という限られた時間ならサイクリングが一番良いと考えている。

散歩は運動量が少なく、ランニングは2時間も走ると疲れるからだ。

ということでこの日も昭和記念公園までクロスバイクを走らせた次第。公園で紅葉を観て写真を撮り芝生で軽食を食べてまた自転車を走らせる。風は冷たく大汗をかくことはないが、日帰り温泉に立ち寄ってひと時を過ごす。

そういえば日帰り温泉では一人ぼんやりしている男の人が多い(女風呂はのぞいたことがないので女性については分からないが)。これも一人の楽しみ方だ。ただ僕は長風呂は余り得意でないが。

「風呂上りビール!」といきたいが、家まで自転車に乗るのでこれは我慢して家に戻ってから飲むことにした。コンビニで買ったおでんをつまみながら飲む一汗かいた後のビールは最高だ。たまの一人遊びは本当に楽しいと思うひと時だ。

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IMF対日本処方箋を読む~消費税の異時点効果

2011年11月28日 | 社会・経済

IMFはSustainability Reportの中で、税収を増やす施策の中で消費税の引き上げが一番注目に値すると述べ、数年かけて消費税を5%から15%に引き上げると、公的債務比率を適正レベルに引き下げるための財政調整の半分は手当てできると分析する。

IMFは段階的な消費税引き上げは目先のGDP成長率を0.3%から0.5%引き下げるが、最終的には公的債務が減少することで信頼が回復し、予防的な貯蓄が減り消費が拡大すると予想する。

私見を加えると、将来の不安に備える予防的な貯蓄は財政健全化の目処が立つだけでは減らない。年金や医療保険に対する信頼を高める必要があるし、その前提となる安定した経済成長の見通しをたてる必要がある。そのためには扶養者となる労働人口を拡大する必要がある。

話をIMFのレポートに戻すと、IMFは消費税を段階的に引き上げると発表するとinter-temporal subustitution effect「異時点間の代替効果」により、物価が上昇し、実質金利が下るだろう、またインフレ期待を高めるだろうと予想している。

平たくいうと消費税が上昇するので、その前に耐久消費財や貯蔵可能な財やサービスを購入しておこうという消費需要が起きるという予想だ。

これに関する実証的な研究発表を経済産業研究所の宇南山氏が「97年4月に消費税を3%から5%に引き上げた時、平均的な家計は直前3ヶ月で3万231円消費を増やし、直後の4ヶ月で2万1938円消費を減らした」と発表している。そして同氏は「消費税引き上げの所得効果は小さかった。すなわち、消費税を引き上げても消費が長期的に低下する可能性は低い」と述べている。

また宇南山氏は2011年10月18日の日経新聞に「97年4月の消費税引き上げは景気悪化の主犯とされたが、それは経済企画庁が暫定的に3月に景気の山があったと判断したためで、その後景気の山は5月だったと確定判断された。従って景気転換の主要因は6月に起きたアジア通貨危機と見るべき」という論文を発表している。

話がやや横道にそれたが、私は「消費税の異時点間の代替効果」については懐疑的に見ている。つまり短期的には前倒し消費が起きるが長期的には消費に対してニュートラルなのではないかと見ており、消費税の引き上げが長期的な物価上昇につながることも、需要の減少につながることも少ないのではないか?と見ているのである。

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IMF対日本処方箋を読む~支出削減は限界

2011年11月28日 | 社会・経済

2009年に政権を取った民主党が行ったことの一つに事業仕分けがある。つまり政府支出の無駄を減らそうという試みだ。局地的には多少の無駄をあぶり出すことはできたかもしれないが、マクロ的にはさほどの財源捻出は出来なかった。このことは多少なりとも財政問題に関心のある人ならば完全に予知できたことである。

何故なら日本の「社会保障費」を除いた政府支出は先進国の中でも一番低いからだ。また資本財への支出も95年をピークに着実に減少している。IMFはSustainability Reportでこのことを次のように指摘している。「日本の非社会保障支出は対GDP比で16%(2010年)とG20先進経済の中で一番低く、資本財への支出も妥当な水準まで低下していて、財政支出削減の余地はほとんどない。一方税収は消費税と個人所得税の低さを反映してG20の中で一番低い」

つまり社会保障費以外の支出を削減して財政健全化を図ろうというのは、実効性はなく政治家のパフォーマンス以外の効果はない。

次に社会保障費の問題について考えよう。日本の社会保障費は年間108兆円(日経新聞朝2011年11月27日朝刊)。高齢化で毎年1兆円を上回るペースで増えている。IMFは社会保障費の7割は高齢者にかかわる支出だと推定している。

今日(11月28日)の日経新聞朝刊に「社会保障の給付と負担に関する」世論調査の集計がでていた。それによると「給付水準を抑えてでも費用負担を抑えるべきだ」が47%、「費用の負担を増やしてでも給付の水準を維持すべきだ」が35%だった。

ところで日本の社会保障費は諸外国と較べるとかなり低い水準である。少し古い統計だが、2003年のOECD20カ国の社会保障費の対GDP比率を比較した資料を見ると、トップはスウェーデンの31.9%、2位がフランス29.1%、3位がドイツで28.5%、日本は16位で18.4%、米国は19位で16.6%だった。

社会保障費を「年金」「医療」「その他」に分けると、「障害・労災・傷病」を含む「その他」の分野で日本の支出が一番低いことが特徴的である。また「保健医療」に関するGDP比支出割合を見ると、日本は6.1%でOECD平均の6.3%を下回っている。

以上のことから考えると日本で社会保障費を削減するとすれば、年金給付削減に焦点をあてるしかないと考えられる。

年金給付の削減については支給開始年齢を68歳に引き上げる案が政府与党案に盛り込まれたが、小宮山厚労省大臣は来年の通常国会には法案を提出しないと述べている。年金給付の削減もまたハードルが高いのである。

財政調整は増税と歳出削減のコンビネーションで行なわれるべきだが、日本の場合歳出削減余地は少ない(だからと無駄を削減しなくて良いという訳ではない)ので、消費税の引き上げを中心とした増税に焦点をあてないといけないのである。

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IMF対日本処方箋を読む~はじめに

2011年11月27日 | 社会・経済

先週IMFはJapan Sustainability Reportを発表した。これは「大きな財政赤字と民間部門の貯蓄の不均衡を解決するにはどうすればよいか?」ということを論じたものである。これまでのところ、国内の民間貯蓄により国債は安定的に昇華されてきた。しかし公的債務は持続不可能なレベルに近づいているから「経済成長促進策と財政再建にとりかかるべきだ」というのがIMFの結論だ。この結論は目新しいものではない。そして総論としてこれに反対する人は少ないだろう。恐らくまともな政治家なら反対することはないだろう。しかし具体的な政策実施となると必ず反対がでる。

たとえばIMFは「サービス業における生産性向上が必要で、中小企業融資に対する政府保証を削減するべきだ」と提案する。この提案に対しては必ず反対が起きる。何故なら経済成長はともかく財政再建は票にならないからである。財政が悪化していても、国債金利が上昇していないので、一般には「目に見えない」。一方「政府保証の削減」等は該当者には重大な問題だし、その影響は周りの人にも「目に見える」。だから正しくても総論はしばしば誤った各論に負ける。

これは人間の健康問題に例えることができる。運動不足と食べ過ぎで、薬に依存しながらかろうじて健康を保っている人を想像してみよう。運動不足は成長力不足、食べ過ぎは膨らむ社会保障、薬依存は国債依存である。

この状態が続けばこの人は健康に長生きすることはできないことは誰でも分かる。だから運動とダイエットが必要なことは分かる。だがさて運動を始めようというと反対が起きる。例えば散歩が体に良いといっても「今は寒い時期だから暖かくなってからにしよう」という。近い将来確実に暖かくなるのであればそれでも良いかもしれない。だが気候が変わってしまってもう暖かい日が来なくなったとすればどうするのか?

消費税の引き上げに反対する人は「今は景気が悪い。景気が回復したら消費税を上げよう」という。確かに今の景気は余り良くない。だが欧米の経済状況を見ると、かなり先まで外需主導で景気が回復するとは考えにくい。つまり暖かい日は来ないと考えるべきなのである。

今は寒くても身繕いをして、運動を始める時なのである。それ以外に長期的な健康を回復する方法はない。

私は以上のような観点から早期に~すでにかなり遅いが~財政再建に取り組むべきだと考えている。

別のブログでIMFの提案の幾つかのポイントを見ていきたい。

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紅葉の昭和記念公園

2011年11月26日 | まち歩き

昭和記念公園の紅葉見物は僕の年中行事である。毎年同じようなイチョウを見ては同じような写真を撮り、同じようにきれいだと言っている。

これは昭島口の大きなイチョウだ。
自転車で日本庭園に回ると、池の上に紅葉した木々が逆さうつしになっていた。

雪吊りと巻雲ですっきりした写真になった。

この辺は一眼レフを抱えたアマチュアカメラマンが多い。
僕も以前マイカーで来ていた時は重たい一眼レフを持ってきたが、今はクロスバイクなのでカメラは軽いミラーレスにしている。でも中々描写力はあると思う。
日本庭園の入口に野良猫が寝そべっていた。この猫を撮る人も多かった。猫は逃げるでもなく愛想を振りまくでっもなく、マイペースである

軽い昼食を済ませて入口に戻ると大勢の入場者が進んでくる。昼近くになって、気温が高くなったので人の出が増えたのだろう。

紅葉は今日明日が一番の見時だろう。
帰りは小平市の「テルメ小川」http://kanto.pokanavi.jp/content.php?eid=00005
という天然温泉に立ち寄った。この天然温泉は初めてだ。入浴料は1,000円だ。

入浴料は花小金井の「王様のお風呂」と同じだが、こちらの方が空いていた。交通の便が少し悪いからだろう。だがお湯の質は決して劣らない。
テルメはイタリア語で公衆浴場。イタリア建築を取り入れたような露天風呂の白い壁の上に真っ青な空を見ると、南欧の気分になる。

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