先週末先進国では極めて異例なことだが、IMFの監視を受け入れることになったイタリア。少し前まではギリシャ、アイルランド、ポルトガルの次に破綻すると見られていたのはスペインだが、今ではイタリアの方が状況は悪い。ニューヨーク・タイムズによるとイタリアの10年債の利回りは先週金曜日に6.35%に達した。これは危険ゾーンだ。利回りが7%を超えたギリシャやポルトガルの国債は高止まりを続け市場調達は困難になっている。もしイタリア国債の利回りが高止まりを続けると欧州連合やIMFの金融支援を仰がざるを得なくなる。
IMFの与信枠については、ベルルスコーニ首相側はIMFから500億ユーロの予備的な与信枠を供与するという話があったと述べているが、IMFのラガルド専務理事は「申し出はしていない」と述べている。
このあたりは「藪の中」だが、ベルルスコーニ首相の「イタリアは危機を感じていない。これは一時的な流行だ。レストランは満員、飛行機もホテルもフルに予約されている」「IMFの監視は我々が要請した。断ろうと思うといつでも断れる」などという強がりを聞くと、ラガルド氏の方が真実を告げていると思えてくる。
そのラガルド専務理事はイタリアの問題について次のように述べている。
The problem that is at stake,and that was clearly identified both by the Italiansuthorities and its partner,is a lack of credibility of the measures that were announced.
「問題の核心は発表された(経済成長と財政均衡を達成する)政策の信頼性が欠けているということだ」
イタリアのプライマリーバランスはプラスで民間債務は低く、多くの他のユーロメンバーよりも健全なのだとベルルスコーニ首相は主張するが、市場もユーロ圏のパートナー達もその政策と遂行能力には疑問を投げかけている。
イタリアでは明日にも野党から不信任案が提出される可能性が高まっている。今週も不安定な週になりそうだ。