小旅行の最後は三条市が運営する「鍛冶道場」で包丁研ぎの研修を受けることだ。このため家で使っている木屋の包丁二本をバッグの底に入れて旅を続けてきた。
工業都市として発展した三条市の基礎となったのが鍛冶技術。その鍛冶作業を体験させてくれるのが「三条鍛冶道場」で、弥彦線北三条駅のすぐ隣にある。http://www.city.sanjo.niigata.jp/shokoka/kaji/page00013.html
嬉しいことに包丁研ぎの指導は当面「無料」である。木屋に包丁研ぎに出すと1本3千円程度取られるのでしっかりした研ぎ方をタダで勉強できることはありがたい。
指導員の方に持参した包丁を見せると「研ぐ時の砥石と刃の間の角度が大き過ぎる」と言われた。持参したステンレスの両刃包丁の場合だと砥石と包丁の間の角度は15度程度、10円玉が1枚半入る程の角度が良いということだ。
それをわが家では我流で30度以上の角度を付けて研いでいたのである。無知とは恐ろしい。
指導員の方はまずグラインダーで刃の角度を修正しそれから正しい包丁の研ぎ方を教えてくれた。そのポイントは「包丁と砥石の正しい角度を維持して包丁を前後させる」「原則として包丁が体の正面に対して45度になる(砥石に対しても45度になる)ように構えて研ぐ」ということだ。あれやこれやと指導を受けて30分以上かかって漸く研ぎ上がったのが下の写真だ。
帰宅してからトマトを切ってみると面白いほど良く切れた。縁もゆかりもない東京の住人に懇切丁寧に包丁研ぎを教えてくれた三条鍛冶道場の方々に深謝。
なお鍛冶道場では手作り切り出しナイフの作成の指導も行なっていた。こちらは2日のコースだが時間を作って挑戦してみたいものである。
もっとも包丁研ぎではクタクタになった。燕三条でレンタカーを返し列車待ちの間に缶酎ハイを一杯飲むと新幹線の中では寝入ってしまった。ナイフを作るにはもう少し工作やモノ作りの基礎体力を付ける必要がありそうだ。