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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

アメリカの住宅価格がイタリア政局混迷を緩和

2013年02月27日 | 金融

一昨日のイタリア総選挙の結果を受けて、大幅に下落した米国株だが、昨日は日中前日の終値を下回る局面があったが、最終的には上昇した。ダウは0.84%、S&Pは0.61%上昇した。S&Pの終値は1,496.94ポイント。サポートラインだった1,500がレジスタンスラインにならなければ良いが・・・・

昨日の株高要因は、上院の銀行委員会で行ったバーナンキ連銀議長の証言と堅調な住宅市場のデータだった。バーナンキ議長は、連銀が金融緩和を早めに終了するのではないか、という観測を強く否定した。まさに市場が欲していた一言である。

米国の住宅については、12月のS&Pケース・シラー指数が20大都市圏で季節要因調整後では0.9%の上昇した。これは市場予想の0.5%を大幅に上回っている。前年同月比では6.8%(訴状予想は6.6%)の上昇で、これは2006年7月以降最大の上昇だった。住宅価格の上昇はホーム・デポなど住宅関連株を押し上げ、株価上昇につながった。

結果としてはアメリカの堅調な住宅市場の回復が、EU三番目の経済規模を誇るイタリアの政局混迷と予想される市場の混乱の重しになった形だ。

日本株については225先物はシカゴ市場では大証比35ポイント安で引けているが私は今日の東京では反発する可能性が高いのではないかと見ている。問題はドル円為替の動き。バーナンキ議長の証言を受けて、米国金利先安感が高まると一時的にはもう少し円高が進み、円高懸念から株安もあるか・・・・

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緊縮財政反対、イタリアの選挙結果、市場を揺さぶる

2013年02月26日 | ニュース

昨日2月25日イタリアで行われた総選挙の結果は、米国株と円に衝撃を与えた。FTなどでも最終的な選挙結果は報じられていないが、モンティ現首相率いる「市民の選択」党は下院で10.4%、上院では9.1%しか取れなかった。元コメディアンのベッペ・グリロ氏が率いる「五つ星」の半分にも満たない得票率だ。

「五つ星」は政治的な経験はないものの、反緊縮財政をかかげて躍進した。FTによると選挙の結果、議席はベルサーニ氏率いる中道左派、元首相のベルルスコーニ氏率いる中道右派、五つ星の3つが上位をしめた。イタリア国営放送によると、上院の315の議席は中道右派121,中道左派96、五つ星65、現政権党19に分かれ、過半数を制する党はない模様だ。

イタリアの政局が不安定になり、EUと約束した緊縮政策を維持できなくなるのではないか?という懸念で米国株が大きく売り込まれ、S&Pは1.8%下落した。また円が買われ、手元の情報ではドル円為替は92円20銭程度で、ユーロは120円半ばまで上昇していた。

今日は日本株も売られるだろう。高所恐怖症に陥った投資家が絶好の売りの口実を見つけたと判断するべきか、イタリアに端を発する欧州通貨危機が再燃し、再びリスクオフムードになるのか? しばらくは興味深い。

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冬の八ヶ岳は本当に寒い

2013年02月25日 | 

昨日(2月24日日曜日)ピラタスロープウェイで坪庭まで登った。少し歩いてみたが、風と寒さで直ぐに引き上げてしまった。今日ニュースを見ていると、今朝八ヶ岳連峰・横岳で41歳の女性が心肺停止で死亡した、という痛ましい遭難事故が報じられていた。ニュースによると昨日午後下山途中に寒さで動けなくなったというから、猛烈な寒気の中、低体温症になったのだろう。

冬の八ヶ岳連峰には50歳を過ぎてからも何回か登っているが、寒かった!という印象が強く、ポカポカした陽気の中をのんびり登った記憶は少ない。中でも12月の横岳縦走や阿弥陀岳北稜は寒かった、と記憶している。

その冬は赤岳鉱泉から硫黄岳に登り、横岳を経由して赤岳を越えて文三郎尾根を下る予定だった。硫黄岳手前の景色の良いところから赤岳・阿弥陀岳を撮ったのが下の写真だ。

Akadake

冬の朝の八ヶ岳主峰は寒々としていた。硫黄岳に登ると北からの猛烈な風が吹いていた。この広くて荒涼とした山頂は常に風の強いところだ。無人の硫黄岳山荘の陰で軽く食事を取ったが、一度素手になるといつまでも血行が戻らず指がジンジンしていたことを今でも思い出す。

岩場をたどる横岳の登りも寒かった。

Yokodake

 地蔵尾根の頭に着いた時は吹雪となり、赤岳登頂は不可能と判断し、新雪に太腿まではまりながら、切り立った尾根を下ったことが思い出される。

冬の八ヶ岳は寒いと思う。その理由は2つある、と私は考えている。一つは標高がアルプス並に高く(赤岳は標高2,899m)、独立峰のため、強い北風の影響を受け本当に寒いことである。

もう一つは比較的降雪が少なく、交通の便が良く、入下山が容易なため、少々の悪天候でも頑張ってしまうことがある、と思う。だが相手は日本アルプスの高峰に次ぐ高山だ。一旦荒れると稜線に釘付けになる可能性は高い。荒れた稜線の寒さは格別である。冬の八ヶ岳連峰には寒かった、という思い出が強い。天気が悪くても頑張って登っていた時期があったということなのだろう。

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関税聖域、日米で確認、本当かな?

2013年02月25日 | ニュース

先週米国を訪問していた安倍首相、オバマ大統領との会談を踏まえてTPP参加の交渉に意向を表明した。このことは既に予想されたことなので、特段のサプライズはない。

ちなみに私は概ね以下のことが~明示的か暗示的かは別として~日米首脳部の間で合意されていると以前から考え、それを当面の投資戦略の基本に据えている。

まず現在のオバマ政権の外交面の最大の懸念は台頭する中国に対する懸念だ。より正確にいうとアメリカが信奉する市場主義経済のルールを犯して台頭する中国に対する懸念だ。そこにイスラム過激派や北朝鮮などの暴発に対する懸念が加わる。TPPを単なる自由貿易協定と考えると判断を誤る。それは市場主義経済を尊重するアメリカを盟主とする対中国連合なのである。アメリカが日本に求めるものは、揺るぎないパートナーとしてのコミットメントと具体的な協力である。

安倍政権が抱える問題は多い。まずは今年の夏の参院選に勝利して、政権基盤を安定させることである。そのためには目先の経済見通しの改善は大きな必要条件の一つで、アベノミックスによる株価上昇と円安は一応奏功している。

尖閣問題で中国との衝突リスクが高まっていることも大きな問題。また原発停止に伴う燃料輸入急増やエネルギー資源確保も課題だ。シェールガス開発成功で天然ガスの輸出余力が出てきたアメリカに対する期待は大きい。

ざっと考えると日本がアメリカに対して期待するものが多い割にアメリカが日本に対して期待するものは、TPP参加や沖縄基地問題の解決等限定されている。実現能力が定かでない安倍首相の訪米に関するマスコミや一般国民の関心は極めて低いのは当然である。

だが私はオバマ政権は夏の参院選挙で与党自民党が安定多数を確保できるように色々なfavorを与え続けると考えている。為替がかなり政治化している現在についていえば、ドル円為替レートが100円程度までは容認範囲に入ったのではないだろうか?

TPPについては日本のマスコミは「TPP参加交渉についてあらかじめ関税撤廃を求められるものではない」と日米が共同声明を発表したことを強調している。それは聖域は守るのだから、あとは政府の専管事項として交渉を行うという安倍首相の意向表明につながっていく。

だが外交には相手国との交渉とともに国内の反対勢力との駆け引きも重要だ。それは時として外向きの表現と内向きの説明に違いをもたらす。その違いが微妙な場合は許容されるものだろうが、大きな違いは国民を欺くものである。重要な問題については内外のクリティペーパーに目を通す必要がある。

そこでニューヨーク・タイムズのオバマ・安倍会談に関する記事を見てみた。書き手は東京支局長のマーティン・ファッカー氏だ。この人の講演は聞いたことがあり、日本語に堪能でジャーナリストとしても高い見識を持つ人だったことを確認した。

記事は以下のようなことを報じている。

  • オバマ大統領の横に座っていた安倍首相は「私は我々の同盟に信頼trustと盟約bondが戻ってきたと自信を持って宣言できると思う」と述べた。
  • 安倍首相の政治顧問達は首相は個人的には交渉参加に賛成しているが、7月の参院選挙を前にしてTPPに懐疑的な米作農家の支持を必要とする重要な問題を抱えている。
  • 共同声明では「両国はもし日本がTPP交渉に参加するのであれば、米国が主張するように貿易協定から除外する産品はないということに同意した。
  • しかし声明は同時に「両国は両国間で貿易上の敏感な問題~例えば日本の特定の農産物や米国の特定の工業製品など~があることを認識し、日本は交渉に参加することで総ての関税を廃止することを約束するものではないことを確認した。だとしてもeven so、TPP交渉のゴールは関税を撤廃する統合的な協定である。
  • 共同声明に対してサンダー・レビン・ミシガン州会員議員は「日本がTPP交渉に参加する前に、交渉は日本の政治と慣習の真の変化につながるものだというクリアで確固たる理解が必要だ」とコメントを述べている。

原則論に固執しようとしたアメリカだが、日本の参院選を見据えて「交渉参加時点における聖域撤廃を否定」を渋々認めたというところだろう。だがうがった見方をすると「それは日本の反対勢力の抵抗を緩和して交渉のテーブルに着かせる」戦術的対応といえるだろう。ゴールは関税の撤廃である。交渉にはレバレッジ、つまり切り札が必要だが、切り札はアメリカの方がたくさん持っている。

私はTPP参加を支持するものだが、国内外の理解のズレが許容範囲を超えた場合、後々修復が困難になることを懸念している。ヘタをすると内外ともにtrustを失う可能性があるからだ。

あなたは日米の思惑をどう判断されるだろうか?

ただし私の結論をいうと、交渉に参加すれば多少の例外は残すとも、やがてはTPP参加となる。それを軸に投資戦略を考える時が来たことは間違いない。

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吹雪く坪庭、すぐ撤退。これもまた冬山

2013年02月25日 | 

2月24日(日曜日)知人の別荘から蓼科ハーベストまで雪道をアイゼンを着けて下った。昨日、別荘入り口の坂道が凍結しているのでタクシーを使った方が良い、というオーナーの指示でレンタカーをハーベストに停めていたのである。雪道40分の歩き。時々6本爪アイゼンが外れる。古い方式のバンドは使いにくい。

ピラタス山麓駅の駐車場にレンタカーを入れたのは、午前10時半頃だった。「ピラタスの語源はなんだろう」と誰かが聞くので僕が「スイスあたりの地名を真似たのじゃないの」といい加減な返事をした。

自宅に帰ってインターネットで調べてみると、意外に正しくてピラタスはスイス・ルツェルンにあるピラトゥス山2,182mと地形が似ていることで名付けられたということだった。ピラタス・ロープウェイの山頂駅は標高2,237mなので標高は本場より少し高い。

なおピラトゥスは、イエス・キリストの処刑に関与したローマ帝国のユダヤ総督ポンティウス・ピラトゥス(日本ではピラトと表記される)の霊がこの山にたどり着いたことに由来するという説明があった。

スキーヤーやボーダーに混じってロープウェイで山頂駅についたのは午前11時過ぎだ。風が強く視界はあまり良くないので6人の内3人は頂上駅で停滞すると言い、3人で坪庭めぐりに出かけた。私以外の二人はアイゼンを着けたが、私は着脱が面倒なのでアイゼンなしで第一休憩所に向かった。第一休憩所手前の急坂では「寒い寒い」と言いながら高齢者の一団が降りてきた。登り優先を無視して転げるように下りて来る。すっかり余裕なしだ。急坂を登って第一休憩所まで来ると、地吹雪が吹き付けてきた。仲間の1人が引き返しを示唆するのですぐ同意して引き返すことにした。

冬山に来て「坪庭を散策する」などという緩い予定を立てている場合は気象条件が悪いとする中止になる。冬の坪庭や北横岳は何度か歩いているので私にとって烈風に叩かれながら、散策するモチベーションは全くない。

Pilatus1

Pilatus2_2

それにしても冬山はまったく天気次第である。数年前蓼科山と北横岳を続けて登ったことがあったが天気に恵まれて楽しい登山だった。http://blog.goo.ne.jp/sawanoshijin/d/20100221

南側の視界は比較的良く天狗岳の双耳峰が見えた。来週は渋の湯から高見石に登り、チャンスがあれば天狗岳を回って帰る予定だ。

冬の天狗岳は6,7年前に猛吹雪で10m程の視界しかない中で頂上を踏んだ経験がある。ただ登ったというだけで印象は薄い。来週の好天を祈りながら正午前に下りのロープウェイに私たちは乗り込んだ。

夜自宅でテレビのニュースを見ているとこの冬一番の寒波が到来して寒い一日だったと報じていた。

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