金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

身にしみる雛の句

2007年03月01日 | 俳句

長い間雛人形を飾ることがなくなったので、意識することも少なくなったがふと気が付くと間もなく雛祭りである。我が家には娘が二人いるが、ワイフが持ってきた雛人形を飾る程のスペースがないのでお雛様を出さない年が続いている。(子供が小さい時は狭い社宅でもお雛様を飾っていたのだが・・・・)昔「雛人形を節句が終わって長く出しておくと婚期が遅れる」という話を聞いたが、初めから出さないとどうなるのだろうか?やはり婚期が遅れるのだろうか・・・・・などと少し縁起を担ぎたくなるこのごろだ。

さて雛の句というと艶やかな句もあるのだろうが、年を経てくると去来の次の句が身にしみる様になる。

振舞(ふるまひ)や 下座(しもざ)に なをる去年(こぞ)の雛(ひな)

振舞は宴会である。宴会でロートルは若いものに席を譲る。で盛りを過ぎたものが控えにまわる哀感がある。

この句は向井 去来と野沢 凡兆が編集した芭蕉一門の句集・猿蓑(さるみの)に収録されている。猿蓑が編纂されたのが元禄4年(1691年)で、去来40歳の時だ。去来抄によると「感じるところがあってこの句を作った」ということだが、40歳で油が乗っている時の去来にも老いの哀惜を感じるようなことがあったのであろうか?

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世界の金融市場と異常気象の共通点

2007年03月01日 | 株式

今日から3月で気象庁の区分では春になる。昨日まで東京都心部では雪が降らなかったので、今年の冬は雪のない冬ということになるそうだ。これも地球温暖化の影響であろう。この地球温暖化は世界各地で気象の変化を激しいものにしている。変化が激しいというと一昨日(火曜日)は中国の株安が契機になって世界の株式市場が急落した。

金融市場と世界の異常気象とかけて何と解く?

その答は中国の台頭である。正確にいうと中国やインドに代表される新興国の経済発展である。つまり金融面では新興国の発展で投資機会が拡大するとともに、予想外の動きが起きる可能性が高まっている。

火曜日の出来事について米国政府の経済諮問委員会ラザール会長は「火曜日の出来事は何が起きても不可解に見えた」と発言している。Whatever happened was anomalousということだ。

このAnomalous「不可解な」という言葉は投資の世界ではアノマリーという言葉で使われている。投資の世界で「合理的に説明できない市場の動き」のことをアノマリーという。

ところで異常気象のことをAnomalous weatherと言う(Abnormal weatherの方が一般的かもしれないが)。この異常気象が地球温暖化の結果であり、地球温暖化に大きな影響を与えているのが中国(もっとも最大の影響国はアメリカだが)などの新興国である。

では新興国経済が急拡大しているドライバーは何か?というとグローバリゼーションとIT革命である。つまりグローバリゼーションとIT革命が新興国に実物経済拡大のチャンスを拡げるとともに、投資対象の地平線を広げ、投資家層を拡大した。しかし新興国市場は先進国市場程効率的市場ではないので、多くのアノマリーが存在する。これが市場の動きを不規則にするのだ。

世界の株価が下落するのは一個人投資家としては、辛いものがあるが、冷静に考えるとこの辺で少し市場を冷やして一服した方が良いのだろう。これは経済経済活動を冷やす結果、地球温暖化に少しブレーキをかける効果もあるだろう。ひょっとすると神様のはからいというものは人智を超えたところで人類のsustainableな発展を助けてくれるのかもしれない・・・・と思うと多少のselloffで慌てることもないのである。

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