本日(29日)の日経朝刊には「北朝鮮100万トンの食糧不足」という見出しで北朝鮮当局者が「百万トンの食糧不足」を認めWFPに食糧支援を要請したという記事が簡単に出ていた。ウオール・ストリート・ジャーナルはもう少し詳しく説明しているので、そちらのポイントを紹介しておこう。
- 北朝鮮は過去10年において最大の食糧危機に直面している。これは不作と国際援助の大幅な削減によるものだ。世界食糧計画(World Food Program)のバンベリー(Banbury)アジア局長は北朝鮮当局が食料不足と援助を求めたことを発表した。北朝鮮が食料援助を求めることは稀なことである。
- 同局長は各国が援助要請に応えないと、数百万人の人が空腹になると言っている。(もっとも大規模な飢饉や死者の発生までは予見できないそうだ)北朝鮮は90年代半ばから天災と経済政策の失敗から外国の援助に頼る様になったが、飢饉で約2百万人の人が死んでいる。しかし金正日は外国の支援団体の活動を制限した。
- WEPは過去毎年650万人の人に食料援助をしてきたが、昨年は対象を190万人に減らした。
北朝鮮当局が正式に食料援助を求めてきたということは「本当に厳しい状態にある」「金正日の指導力が低下している」という二つの可能性がある。いずれにしても注目しておくべきことだろう。