金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ETFは金融民主主義化の担い手?

2007年04月23日 | 金融

最近のエコノミスト誌を読んでいるとETF(上場型投資信託)が金融の民主主義化の担い手かあるいは毒を撒き散らすか?という記事が出ていた。民主化はDemocratisationだが、中辞典位では出ていない。比較的新しい言葉だろうか?ETFの話は後ほど紹介するとして金融の民主主義化という言葉には興味を持った。この言葉が日本で一般化するには10年の歳月を要するかもしれないしあるいは永久に一般化しないかもしれない。しかし巨大な資金を持つ投資家も個人投資家も同じ条件で取引できるという概念はすばらしい。実は私のブログの一つの目的も個人投資家に金融知識を普及することにある。そして今まで明確に自覚はしていなかったが、その地平には金融の民主化がある。

さてエコノミスト誌のポイントは以下の通りだ。

  • 米国に上場されているETFは昨年4割増えて4,180億ドルに達している。現時点では10兆ドルの資産を持つ投資信託に比べるとETFの残高は少ないが、モルガンスタンレーのFuhr氏は2011年までにETFの残高は2兆ドルに達すると予測する。
  • ETFは株式市場においても恐るべき力を発揮している。昨年8%以上の米国株式取引はETF経由で行われた。
  • ETFはファンドと株式という二面性を持っている。ETFは取引所を通じて売買できるので投資家は個別株をバスケットで買う代わりにETFを購入することができる。またETFは個別株の空売りに関するアップティックルールが適応されないので相場の下落時に空売りされることがある。

アップティックルールというのは1934年に米国証券取引法で定められたRule10a-1で、直前の取引価格より低い値段で空売りすることを禁じたルールである。これにより相場を下げるために空売りすることを防いでいる。ETFがこのルールの例外ということは、相場の下げ局面でETFが下落に拍車をかける可能性があるということだ。

  • ステート・ストリートとともにETFのビッグプレーヤーであるBGIは「ETFは大きな投資家も小さな投資家も同じ条件で取引できるので、金融民主主義化の力になる」と言う。またETFによって投資家は安くベータを手に入れることができる。

株式投資におけるベータとは「市場価格の変動に対する追随度合い」である。ETFには金融等色々なセクターのETFがあるので、このセクターETFを使うと市場全体の動きより激しいあるいは緩やかな変動をする投資が可能ということだ。

  • ETFの人気が高まるにつれて、特殊な資産クラスを代表するETFが出現してきている。スピンオフした会社、プライベート・エクイティ、金、知的財産権のようなものをトラックするETFも出現している。この結果個人投資家でもETFがなければアクセスできないような資産クラスにアクセスが可能になった。ステート・ストリートのゴールドETFは最も人気のあるETFである。

もっともこれらのETFが投資家が思う程正確に選択したセグメントの動きをトラックしていないだろうとエコノミスト誌は推定する。幾つかのETF組成者は全体のセクターの動きを模倣するのに数銘柄で代替させている。

  • ETFを最も声高に批判するのはバンガードの全代表ボーグル氏だ。彼はETFをショットガンにたとえ、「狩にも適しているが自殺にも適している」と言う。彼はETFが「長期保有」という健全な投資の原則の土台を崩していると考える。

これはETFがトレードしやすいことで、投資家が過度に売買を行いその結果売買手数料が大きくなり、コストが安いというETFのメリットを失わせるという主張だ。

もっともこの意見に異論を唱えるものは大部分の取引は個人投資家ではなく機関投資家が行なっていると反論する。

なおエコノミスト誌によると業界の大きなチャレンジは「アクティブETF」を作るということだ。つまり伝統的な投資信託のようにアクティブに株式投資を行なうが、ETF自体が売買されるというものだ。こうなるとETF=株価指数連動型商品などという理解は吹っ飛んでしまう。

金融商品の開発・発展の裏には二つのモチベーションがあるだろう。一つは開発業者にとって新しく手数料を稼ぐフィールドを作り出すこと。もう一つは既存のスキームの上で胡坐(あぐら)をかいている保守的な業界に消費者・投資家に役に立つ商品を投入するということ。

単純に株価指数をトラックするETFは投資家に低いコストでパッシブ運用する機会を提供した画期的な商品である。しかしアクティブETFとなると首をひねりたくなる。しかしいずれにせよこれは米国の話だ。日本ではETFの人気はまだ高くない。TOPIX連動型はそこそこ流動性があるが、それ以外のETFは流動性に疑問がある。

ETFが金融の民主主義化の度合いを測る尺度とすると、日本の金融はまだ封建制度に肩まで浸かっているといわざるを得ない。

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春の庭の草花

2007年04月23日 | うんちく・小ネタ

今日(4月22日日曜日)は午後から天気が崩れるという予報だったので自宅にいた。しかし風は強いものの夕方まで雨は降らなかった。午後ワイフが育てている庭の草花の写真を撮る。夫婦にしろ会社の仲間との付き合いにしろ私が大切だと思っていることは「相手が関心を持っていることに共感を示す」ということだ。そういう意味で庭の草花は我が家の良い媒体である。

この時期目立つのはハナニラだ。この花位なら私も名前を覚えることができる。

Hananira マクロレンズの絞りを開いてぼけ味を出してみた。

赤いつつのような花はパイナップルセージである。インターネットで調べるとこの花の開花時期は秋ということだがどうしたのだろうか?

Pineapplesage

クリスマスローズも1,2株植わっている。我が家の庭は日当りが良くないので、開花時期が遅く余り立派な花が咲かない。

Xmarose

日照時間が短くても良く育つ草花を探すか、日当りの良い庭のある家に引っ越すかというのは数年後の選択になるかもしれないが、今は草花達にも我慢してもらっている。

チゴユリの花は下を向いているので、撮影には手間取る。三脚の脚を目一杯広げてカメラを位置を低くしておしべに焦点を合わせた。しかし葉っぱが大きく写りすぎて花の写真としては余り良くないかもしれない。

Chigoyuri

良い花の写真を撮るには花と同じ目線までカメラの位置を下げることが第一だ。これは人付き合いでも言えることだ。しゃがんだり伸びたりするカメラワークというものは身体的に良い運動だけでなく、社会生活面でも参考になるところが多い。

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OCNシアター、見ないので解約する

2007年04月22日 | デジタル・インターネット

数ヶ月前OCNの映画配信サービス(有料)・OCNシアターに加入したが、余り家で映画を観ないのと画質に不満があるので今日解約した。解約する時に思ったことだが、解約のやり方についてホームページ等に全く説明がないのは少し不親切である。結局相談窓口のフリーダイヤル0120-506-506に電話をして解約することができたが、「別途他のところに電話してフレッツドットネットの解約をしてください」と言われる。理論的にはフレッツドットネットはOCNシアター以外に大容量のデータ伝送にも使われるのでOCNシアターの解約=フレッツドットネットの解約とならないが、常識的に考えるとOCNシアター=フレッツドットネットであろう。従ってOCNはもう少し気を利かして「ドットネットで他のサービスのご利用はないですね。ではシアターのご解約と一緒にドットネットも解約します」というオペレーションをすると顧客は気持ちが良いのだが・・・・

解約手続きを明示しない・解約の手間がかかる・・・という問題は生命保険会社の保険料支払い漏れに通じるところがありそうだ。要は企業の利益や省力化が優先され顧客サービスが軽視されているのである。

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コンパクトフラッシュをアップグレード

2007年04月21日 | 写真

最近一眼レフで使っているコンパクトフラッシュをアップグレードした。具体的にいうとオリンパスE300と一緒に購入した512MBから4MBのものに換えた。1,2週間前の週末に近所にあるPCデポの折り込み広告を見て「安い」と判断して買ったものだ。

512MBのコンパクトフラッシュだと撮影可能枚数が少なく不安を感じるときがある。今使っているオリンパスE300についていうと8百万画素(3264×2448)のハイクオリティ画像を512MBでは112枚撮影可能(LEXAR社の製品)だが、4MB(トランセンド社)を使うと914枚撮影可能になる。これは数日旅行する時など差が大きい。しかも数年前に比べてコンパクトフラッシュの価格は相当安くなっている。容量ベースでいうと4分の1位になっている気がする。なおPCデポで購入した価格は12,700円だが、後で価格ドットコムを見ると安いところでは7千円程度であることが分かった(とは言っても私は保守的な面があり対面販売でモノを購入することを好むところもあるのでPCデポで買ったことを後悔している訳ではない)。

ところでコンパクトフラッシュの価格にはメーカーによりかなりばらつきがある。トランセンド社というのは台湾のメーカーで実売価格はかなり安い。高いのは米国のSandisk社である。何が価格差の原因かは門外漢の私には分からないが、「漠然とした安全性の信頼感」というものがこの製品の草分け的存在でかつトップメーカーであるSandisk社の製品価格を高止まりさせ、新興勢力であるトランゼント社のようなメーカーが作る製品は安くないと売れないという構図を作っている様だ。

なお私はトランセンド社のコンパクトフラッシュを使い始めて半月になるが、今のところ気になるところはない。ひょっとするとこれは良い買い物だったということだろうか?

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鷹の台・木立の散歩道

2007年04月21日 | まち歩き

4月21日土曜日、昨日遅くまで麻雀をしたので少しだるいが、天気が良いのでワイフと近くの街を散歩することにした。ペラペラ本を繰っていると西武国分寺線の鷹の台に良い散歩道があることが分かった。コースは鷹の台駅から西武国分寺線にそって3,4分歩き玉川上水緑道に出会うと右折して美大通りまで歩く。美大というのは武蔵野美術大学。

玉川上水緑道はクヌギの木を初め広葉樹が木陰を作り、歩いていて気持ちがいい。ヤマブキが咲いていた。

Yamabuki 今日は風があるので中々静止した花を撮ることが難しい。じっとタイミングを図る。こういう訓練も高山植物を撮るためには必要だ。

紫色の花が目に付いてので柵からのりだして写真を撮った。今名前は分からない。

Murasakibana

美大通りを12,3分北上すると青梅街道に出会う。ここに臨済宗の古刹小川寺(しょうせんじ)がある。大きな墓地を持った大変立派な寺である。ところが山門の前に「当山不幸」という見慣れない立て札があった。

Sanmonhukou

ワイフは「何か嫌ね」と言うが私は特別な印象は持たなかった。後でネットで調べてみるとお寺で不幸があった場合この立て札を出すということ。改めて合掌。

さて境内には新しいものだが、石仏が並ぶ。大変ふくよかで優しい仏様達である。

Hotoke_2

山門の内側に石楠花が大輪の花を咲かせていた。少し早いと思うが日当りが良いからだろうか?

Shakunage

小川寺の向かいには神明宮という神社があり、小川村開拓の碑が残っている。一人の若い女性が熱心に神様にお祈りしているのが印象に残った。ガイドブックによるとこの神社には菅原道真公も祭られていて(中心の神様は天照大神)、美大合格を祈願する人も多いそうだ。合格祈願には季節外れの様だが・・・・

さてここから青梅街道に沿って又10数分歩いて西武拝島線東大和市駅に出た。ここのビッグボックスにあるお店で釜飯を食べる。釜飯を食べてから駅の南側にある東京薬用植物園に行く。世界各国の薬草・毒草を集めて栽培しているが、薬草の中には毒を持ったものが多いということが改めて分かる。

毒にも薬にもならん・・・という言葉があるが、毒性を持つ位の植物でないと薬にもならんということか?昨今仕事上昔勤めていた銀行の後輩と話をする機会が増えたが、妙に物分りが良くこじんまりとした人が増えた。毒にも薬にもならん・・・ということでなければよいが。

写真はイカリソウ。薬効は歯痛や健忘症。

Ikarisou

花の写真は他にも幾つか撮ったが、望遠レンズを持っていかなかったので余り気に入ったものはない。この植物園には温室がありその中にヘンヨウボクという観葉植物があった。ワイフによるとクロトンという別名の方が有名ということだ。

Henyouboku

西東京市(田無)に暮らしてカレコレ20年になるが、まだまだ近くに散策するところはありそうだ。

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