4月27日(金曜日)快晴、連休の前日一日休みを取りM君と北アルプス燕(つばくろ)岳2,763mに向かう。午前5時50分西東京市の自宅発。道路は空いていて順調。午前10時中房温泉着、同20分登山開始。中房温泉から合戦小屋を経て燕岳に向かうこの道は一日でアルプスの頂上を往復することも可能な道だけに傾斜は急だ。第1ベンチを過ぎたところから残雪が出てくる。第2ベンチからはアイゼンをつけた。まだ連休前なので先行者の足跡は少ない。先月から風邪を引いているM君はトレーニング不足で遅れ気味だ。4時間かかって合戦小屋についた。合戦小屋から急な斜面を登りきると森林限界に出た。燕岳から大天井岳に向かう稜線越しに槍ヶ岳が見え疲れた体を癒してくれる。M君が登ってくるまで十分時間があるので、望遠レンズに付け替えて撮影する。
数日前に降った新雪が残り山は冬の景色だ。ここから燕山荘までは夏のコース時間では1時間だが、雪を踏みしめてながらゆっくり登る。指呼の間に燕岳が見える。
燕山荘は頭上に近づいてきた。小屋の横を歩く登山者の姿も大きく見える。しかし最後の雪面は中々急だ。
午後4時5分燕山荘着。中房温泉から5時間45分かかった。休憩時間をもう少し短縮することはできるが、5時間15分位はかかるだろう。小屋に若い女性スタッフが沢山いるのに少々驚く。聞くと11月頃までの長期アルバイトということ。一方小屋に泊まっている登山客は10名程度で大半は中高年だ。私が大学の山岳部にいた頃は、5月の北アルプスの稜線というのはエキスパートの世界だったが、交通と装備の発展と元気な中高年が登山の地平線をどんどん拡大している。
さて翌日28日は昨夜からの悪天候が続いた。8時頃出発しようとすと小屋の人が「今雷が接近していて危険だから少し待て」と言う。そこで大リーグの松坂VS松井の対決などを見ながら1時間程様子を見てから小屋を出た。燕岳頂上までは30分の距離なのだが、悪天で何も見えない上長居をするとまた雷に出会う危険もあるので、一息に下山をすることにした。小屋を出てしばらくはホワイトアウト、道しるべの赤旗がかろうじて見える位だ。
合戦の頭に着いたとき少し天気が良くなった。
とわいえ冬山装備に身を固めた覚悟の下山だ。合戦小屋の下までくると、続々と登山者が登ってくる。樹林帯の中は風が強くなく上の様子は分からない様だ。さらに下るとみぞれが降り出す。午後1時中房温泉着。本日は予定の行動でここに宿泊。さすがに温泉通の中で有名な温泉だけあり、コンコンとあふれる源泉の量は想像がつかないほど豊富だ。ここの部屋は登山客向けと一般客向けがある。登山客用は9千円程、一般は1万5千円からだが、一般で泊まった。
翌日は快晴。諏訪大社の下社を参拝する。
蕎麦を食べるために秋宮の参道を下っていくと燕が巣を作っているお店があった。
悪天候のため燕岳には登ることが出来なかったが、中々充実した春山だった。ここで燕を見るのも何かの縁なのだろう。
蕎麦は山猫亭というこじんまりしたお店で「大根おろし蕎麦」を頂く。料金は1千円弱で中々美味だった。食べ終わって外に出ると行列が出来ていた。