4月30日(月曜日・振替休日)快晴、ワイフと「郊外を散歩しよう」と「東京さわやか散歩42コース」(山と渓谷社)の「矢川緑地から谷保天満宮」を逆コースで歩くことにした。つまりJR中央線国立駅から大学通りを南下して谷保天満宮へ行き、矢川沿いに歩いてJR南武線・西国立をゴールとする計画だ。
一橋大学を少し過ぎたところで昼時となり、大学通りの東側にある更科甚吾郎とう蕎麦屋さんに入った。
私は納豆蕎麦を食べた。味は悪くないが箸で納豆をすくうのに苦労した。
腹ごなしに七、八分歩くと南武線谷保駅に出会う。駅のすぐ西(向かって右)の踏み切りを渡ると谷保天満宮の鳥居が見える。甲州街道を渡ると谷保天満宮だ。お社は坂の下にある。普通お社は高いところにあるので、これは珍しい。
谷保天満宮から南養寺へ向かう。細かな道が入り組んで迷い易いところだ。我々散歩人は道標を期待するが、この辺りには全くそのようなものは見当たらない。ガイドブックの道を間違えたのかおもむきのある建物・史跡はなくあるのはただ武蔵野の畑だ。南養寺の境内や墓地は広いがあまり写真を撮る興が湧かない。何故だろうか? ワイフも疲れた感じた様だ。続いて「ママ下湧水」に向かう。「まま」は崖のことらしい。つまり「ママ下湧水」は崖の下~崖とは立川段丘だが~湧いた水のことだ。ママ下湧水では子供達が釣り糸を垂れていた。小鮒でも釣れるのだろうか?しかしワイフも私も散策路らしくない道に疲れ気味だ。予定の西国分寺を手前の矢川駅に切り替えてそちらに向かうことにする。気だるさの原因の一部は私もワイフも連休に遠出したことだろう。私は北アルプスの燕岳(つばくろだけ)に登りに行き、ワイフは箱根に旅をした。その体験が鮮やかなだけに近郊の散歩が色あせているのかもしれない。
しかし甲州街道を渡り矢川の辺に来ると情緒が変わった。
矢川は川幅1mにも満たない小さな川だがきれいな水が流れる。流れに取り立ての野菜を浸けている家があった。実にのどかだ。昔は川に面する家々がここで野菜を洗い、時には顔も洗っていたのだろう。それは藤沢修平の「蝉しぐれ」の世界を彷彿とさせる。
全体としては少し期待はずれの谷保歩きだった、矢川の清流に出会えたことで救われた。矢川は立川段丘から府中用水までの1キロ半程度の短い流れだが、多摩の面影をかすかに残す良い川である。