暑い日が続いたので沢に行きたくなり、日曜日(23日)一人で秩父のナメラ沢に出かけた。朝5時に自宅を車で出発。勝沼から国道140号線を順調に走り、雁坂トンネル料金ゲートの手前で車を止める。歩き始めたのは7時30分、雁坂峠に向かう道は最初はコンクリートの立派な林道だ。30分コンクリートの道を歩くと山道が始まる。山道が始まって数分すると「ナメラ沢入り口」の札が目に入る。
急な斜面を下ると雁坂峠から流れてきた峠沢に出会う。峠沢にそって2,3分降ったところにナメラ沢は左から合流している。実は5年程前M君とこの沢に来た時、合流点を見落としてはるか下まで沢を下り苦労したことがあった。この教訓が生きて今日はすっきりとナメラ沢に入ることができた。
ナメラ沢に入るとすぐに美しいナメに出会う。
この花崗岩の一枚岩の上をサワサワと流れるナメの上をヒタヒタと歩く楽しさ。これが癒しの沢だ。ナメラ沢に手強い滝はないが、目を引く滝というと15m二段の三条滝だ。9時に到着。
下段は右から上段の滝は左から登った。
この後もナメ歩きが続くが、時々倒木が谷を埋め歩きにくい。
9時45分トリカブトの花を見つけた。
一人の沢歩きは気楽だ。露出を変えたり、ホワイトバランスを変えたりしながら、写真撮影を楽しむことができる。一生懸命写真を撮ったトリカブトだが、雁坂峠からの下山道には沢山咲いていたので少々がっかりした。
ナメを楽しんだナメラ沢だが、標高1900m付近でほぼ水流がなくなった。
これが最後に水を補給した流れだ。
ここからは急な涸れた沢をひたすら登る。谷筋の水分があるところには苔が生えている。
苔は美しい。白樺や樅の疎林の中の苔を踏みしめて登るナメラ沢の源流部はまさに秩父の山そのものだ。沢に道はないが、この沢は遡行する人が多いので、源流部にはかすかな踏み跡がある。その踏み跡と赤いテープや標識布を追いかけていくと稜線に到達した。時刻は12時8分。沢の中では誰にも会わなかったが、稜線で沢登りの格好をしたパーティ1組に出会った。人気の沢と聞くが遡行者はそれ程多くないのだろうか?
午後1時15分雁坂峰到着。
雲はもう秋だ。
午後1時40分雁坂峠到着。峠には日本三大峠の一つという立て札があった。
後で調べたら北アルプスの針の木峠、南アルプスの三伏峠とこの雁坂峠を3大峠という説があるそうだ。もっとも三伏峠の代わりに八ヶ岳の夏沢峠を入れる人もいるというからはっきりしない。
ともあれ雁坂峠から車を止めた料金ゲートまでは標高差8百メートルを越える大降りだ。
林道に下りてから、今日歩いた破風山から雁坂峰の稜線を見ることができた。
林道ではススキが茂っていた。秋は近い。
車に戻ったのは3時20分。温泉にも入らず帰路を急いだが、大渋滞に巻き込まれ予定より2時間半位遅れて帰宅した。
癒しの沢登りも帰りのドライブを考えるとストレスを増やしに行っているような気がしてきた。