『立川談志 東横落語会』を買い、買ったからには聴かなきゃ損と、毎日、1話ずつ聴いているうちに、落語熱が高まってしまいました。
市の視聴覚ライブラリーから6代目三遊亭円生の録音を借りてきて、これまた1話ずつ聴いています。
夕食の後、お茶を飲み、歯磨きをする時間に落語を1席。いいもんです。幼かった頃、ラジオを聴いて楽しんでいたことを思い出します。趣味がすっかり昔に還ってしまってます。老化現象ですな。
円生師匠は、談志を聴くまではいちばん贔屓にしていた噺家さん。といっても、ラジオで聴くだけだったのですが。小学生、中学生の頃は、この人の話しっぷりがいちばん好きだった。
談志さんは『〈現代落語論〉其二 あなたも落語家になれる』(三一書房、1985)で次のように述べています――
- ……思うに三遊亭円生は昭和の名人の名にふさわしい質と量の両面をもっていた。人情噺・滑稽噺・芝居噺・音曲噺・唄えて踊れて老若男女を演じ分け、酔っぱらいから仕方噺、赤井御門守から与太郎まで、不可能はなかった。それぞれが他より抜きん出ていたし、知性といいかげんさが共存しており、
- 「とてもとても、私っしどもなんざァ、正直いって及びもつきませんョ!」
- ということになる。
といいつつ、時代性を重視せず、落語を形として守ろうとした円生師匠には不満もあったようですが。
昨日、聴いたのは「死神」。死神のひんやりとした造形が素晴らしい。最後の「消えるヨ」にはゾッとします。
今日は「一人酒盛」。陽気で人のいい感じの熊なのに目の前にいる留に酒を飲ませてやらないところが、酒飲みの欲深さというか、出鱈目さを表現していて笑えます。ズルイ酒だと、後味が悪くなるでしょうね。