草っぱら一面にムラサキサギゴケが咲いていました。見事なものです。
ハエトリソウ科の多年草(昔はゴマノハグサ科というところに分類されてました)。
こういう唇形の花は多いですね。花の中の白い花柱は2つにわかれていて、触れると閉じるんだそうです。これを女性の腿の動きに見立てて、ジョロウバナ、ヨメハンバナ、オカイチョウバナという呼び方をするところもあるそうです。私としては、ノーコメント。
今日の談志師匠のCDタイムは「六尺棒」。
この日の高座は凄い。全編48分ほどですが、そのうち本題の落語は8分たらず。残る40分はすべてマクラです。
あんまりマクラが長くなっちゃったものだから、師匠はもう落語やる時間ないんじゃないかと思ったらしく、裏方らしき人と相談したりしてます。で、チャッチャッと「六尺棒」を演じて、「こんだけの話」と切り上げています。
なぜマクラが長くなったのか。昨日、聴いた「二人旅」の会は1983年5月30日。そのひと月後に、談志師匠は正式に落語協会を脱退することになっていて、意気消沈してました。
今日の会はそれから1年あまり経った1984年7月30日。そろそろ元気を取り戻したんでしょうね。「今、本を書いてる」などと言ってます。そのために調べたことと、この日の全体テーマである「円朝祭」とが刺激となって、落語の歴史をついついしゃべりだしたんでしょう。文化文政の頃のひと口噺から、幕末、明治の円朝、円朝の弟子の四天王、その後の系譜などについて、声色を交えて熱く語っています。この日のお客さんは得をしましたねぇ。
〈ナンクロメイト〉6月号が発売になりました。担当の新刊紹介欄で次の3冊を取り上げています――
- 三田完『あしたのこころだ 小沢昭一的風景を巡る』(文藝春秋)
- 吉村萬一『臣女』(徳間書店)
- いがらしみきお『今日を歩く』(小学館)
この3冊の取り合わせは、我ながらすごく気に入っています。雑誌のおもな読者である女性向けというより、中高年のオッサン向けではありますが。