惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

台風準備

2015-05-12 20:54:24 | 季節

 台風6号、午後6時に四国沖で温帯低気圧に変わったそうですが、朝から風が強く、いかにも「荒れますよ」という気配。鉢を倒れにくい位置に移したり、飛びそうなものを結わえつけたり、時ならぬ台風準備に追われました。
 何事もなく終われば良いのですが。

 

 今日の談志師匠のCDタイムは「粗忽長屋」。
 東横では2回目の高座ですが、こちらの方の出来が鮮やか。
 「師匠に教わった当時は荒唐無稽すぎてバカバカしいと思っていたが、いつの間にか、これこそが落語と思うようになった」とマクラで言っています。
 粗忽者というか、わけのわからない兄ィが出てきて、浅草寺で見た行き倒れが隣の熊公だと断定。長屋へ当の熊公を呼びにゆくと、熊は「どうもまだ死んだ気がしない」とかいいながら、一緒に行き倒れのところへ……という噺。

 

 前回も、今回も、オチで家元は「抱いている俺は誰だろうっ?!」と、突き抜けた叫びを、熊に発せさせます。
 この演出が、単なる「頭がボーッとした男」ではなく、世界の不条理に直面した魂のようなものを感じさせて、独特です。舞台が江戸から、一瞬にして、太陽が照りつけるアルジェリアの砂漠に、あるいはフィルムノワールのパリに転じるかのよう。
 談志師匠は外国映画に堪能だったし、アメリカのスタンダップコメディにも詳しかった。