金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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アフリカの投資の夜明けは近い?

2007年10月02日 | 金融

「遠い夜明け」という映画があった。ロバート・アッテンボローが監督したアパルトヘイトに戦う黒人の映画だ。20年位前の映画だったが、今なお全アフリカが平和で人権が擁護された社会を得るには時間がかかるかもしれないと思うと古びたテーマではない。ところでひょっとすると人権より投資の夜明けの方が近いかもしれないと感じる記事を見かけた。

中国、インド、ブラジルなどBRIC諸国への投資で成功したファンドマネージャー達は 「フロンティア市場」と呼ばれる未踏査の市場への投資を求め始めた。
フロンティア市場という言葉はBRIC諸国を新興国というのに対し、更に発展途上の国々で ナイジェリア、カザフスタン、カタール、ベトナム等である。 フロンティア市場の代表的指数であるS&P/IFCG指数は過去一年間で31.62%のリターンをあげ、S&Pエマージング市場指数の27.05%を上回った。

フロンティア市場はパフォーマンスが高いだけでなく、それ以外の市場との無相関性が注目されている。

今年の8月初旬にS&Pは最も流動性の高く投資可能な30のフロンティア市場で構成されるフロンティア指数を発表した。MSCIも同様の指数を出すことを検討していると報じられている。

インベスティック・アセット・マネジメントのホーン氏によると「南アフリカを除くナイジェリア、エジプトなどのアフリカは向こう5年間7%の成長が見込め、妥当な値段の投資だ」という。

原油、鉱物資源等のコモディティ市場が好調なので、フロンティア市場が活況だという面はあるが、ファンドマネージャーは今後投資家がこれらの市場に投資することを望むだろうと期待している。

あるアフリカファンドを立ち上げたマネージャーは「ナイジェリアでは人口のたった一割が銀行口座を持ち、二割だけが携帯電話を持っている。そこには顕著な成長機会がある」という。

アフリカへの投資の夜明けは近いのだろうか?アフリカへの投資がインフラの整備や食料の増産につながり、そこに暮らす人々の生活向上につながることを願うが、資金は高い山の上から砂漠の中まで流れていくのだろうかと不安を禁じることができない。それがアフリカだというと偏見に過ぎるだろうか・・・

コメント
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