おとといニューヨーク・ダウは高値を更新した。サブプライム問題を振り切ったかのように。しかし株式市場を手放しで楽観してよいのだろうか?FTは次のように疑問を呈する。
昨日(10月1日)ダウは7月19日以来始めて最高値を更新した。同日シティグループの第三四半期の決算発表があり、前年同期比6割の減益だった。これは信用市場における13億ドルの損失によるものだが、株式市場は信用収縮による損失の限度を示したものとして好感した。
何故 このように強いラリーが起きたのか? 多くの人は98年のLTCMの崩壊の後、連銀が金利を引き下げそれが株式市場の高騰につながったことの再現を信じている。
しかしダウ構成銘柄別の動きを良く見ると、ダウの上昇は新興市場の活況を繁栄しているが、ドルや米国経済の強さを反映しているものではないことが分かる。7月19日以来最もパフォーマンスが良かったダウ銘柄はプロクター&ギャンブルで12.75%上昇した。同社の製品は世界中に売られており、弱いドルのメリットを受けている。
一方最もパフォーマンスが悪かったのは、ホームデポで16.3%のダウン。同社は典型的な内需銘柄で消費不振によるリセッションで激しく打撃を受けると考えられるからだ。
さて日本の株式市場も昨日は全面高の展開になった。だが結局のところNY頼みの相場展開のようだ。
ある程度株価が戻れば、日本株を売却してエマージング市場に資金をシフトしたいと考えている人が増えているのではないだろうか?(私もそうだけれど) ということは日本株の目先の上昇幅も限られているという気がする。