金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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王者の宿命か、王者への風当たりか?

2007年10月19日 | 社会・経済

私はかなり長い間にわたってトヨタ車に乗っていた。理由の一つは故障が少ないということである。実際アメリカで乗っていたクレシーダ(日本ではマークⅡ)を除いては故障らしい故障はなかった。面白くもないが、故障はないというのはトヨタの神話ではなく、事実だと私は思っていたが、実は必ずしもそうではないらしい。

今週水曜日にトヨタが47万台以上の車のリコールをかけたという報道があった。リコールをかけられたのは99年から2004年の間に日本で作られたクラウンを含む幾つかの車種で、問題は燃料ポンプ、燃料コントロール、ハンドルにあるということだ。FTによるとトヨタの今年のリコールは五回目でリコールをかけた台数は594千台以上だ。このニュースは先週米国の消費者に大きな影響を持つConsumer Reportsという雑誌が、新しいトヨタ車を推薦するといういつもの習慣をひっくり返したことに続く痛手だ。

Consumer Reportsによると信頼性においてトヨタはホンダ、スバルについて3番目であり、トヨタの二つの新しいモデルは予想される信頼性において平均以下と評価されている。

日本と米国におけるトヨタのリコール台数は118万台以上になる。昨年トヨタは米国と日本で210万台のリコールを出し、日本政府から欠陥車の台数を減らす様命令を受けていた。これに先立って2005年にトヨタは米国で229万台、日本で188万台のリコールを行い、渡辺社長直轄の下、品質改善の緊急タスクフォースを立ち上げていた。それ以降リコール台数は低下傾向を示しており、トヨタは大部分の問題に対処したと述べてきた。

しかしクレディスイスの自動車アナリスト遠藤氏は「トヨタは100%問題を解決したとは見えない」「しかし私はトヨタの品質が低下しているとは思わない」「Consumer Reports誌が評価しているトップ20-30の車の半分はトヨタ車である」と述べている。

以上のようにトヨタ車に対する評価を見てみると、米国の消費者向け雑誌の評価はやや辛いかもしれない。業界の王者になろうとするものに対する風当たりかもしれない。あるいはトヨタといえども生産台数が増え、製造ラインや従業員の数が増えると品質の維持は困難になるということだろうか? これはある意味では王者の宿命かもしれない。大きいことは必ずしも良いこととは限らないのだろうか?特にユーザーにとっては。

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